産後のママには腱鞘炎が多い
帝王切開で出産後、赤ちゃんと一緒に直母の練習をしつつ、3時間おきに搾乳する日々を過ごしていました。
すると、ほどなくして腱鞘炎の症状が出始めました。
さまざまな腱鞘炎対策を試してみて有効だと感じたものを比較しつつ、産後のママがとるべき腱鞘炎の対策をまとめました。
搾乳から直母に移行することを目指した記事をまとめたダイジェスト版は以下を参照ください。
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私の腱鞘炎の症状と有効だった対策
わたしの場合、搾乳をはじめて2週間ほどたった頃から、腱鞘炎の症状が出はじめました。
私の腱鞘炎の症状は指が固まる・関節がカクカク・痛み
入院中は手で、退院してからは搾乳機をつかって3時間おきに搾乳した私の手は、産後2週間たったあたりから悲鳴をあげました。
私の手に起こった異変はつぎの通りです。
✔ 私の腱鞘炎の症状
・ 人差し指や中指が固まって動かしにくい
・ 指を動かすと、少し関節がカクカクする
・ 親指や手首を動かすと痛い
ネットで調べてみたところ、すべて腱鞘炎の症状でした。
産後の女性にはこのような症状で悩む人がたくさんいるようです。
治っても再発するとありました。
放置しすぎてはいけなかったのかと焦りました。。
腱鞘炎を治すためにはタンパク質を補う必要がある
出典:鍼灸院のホワイトボード
腱鞘炎対策で実績のある鍼灸院でレクチャーを受けたところ、腱鞘炎を治すためには、タンパク質を十分にとることが必要だと教わりました。
漢方をおすすめされるかと思っていましたが意外でした。
タンパク質の十分な摂取は抜け毛や産後うつにも効く
プロテインについて調べていたら、タンパク質は産後の抜け毛対策や産後うつにも一定の効果があることが分かりました。
プロテインで効率よくタンパク質を取り込む
後で詳しく触れますが、食事だけでタンパク質を十分にとることを目指す場合、かなりの量を食べなければなりません。
糖質のとりすぎも心配です。
タンパク質をたくさん摂取したいなら、プロテインに頼るのが現実的です。
産後は忙しくて食事をなおざりにしがちですが、プロテインであれば短時間でタンパク質をとることができます。
ダイエット目的ではないので、食事を通常通りとって、足りないタンパク質を補うことになります。
母乳育児の場合は特に安全なプロテインを選ぶ
授乳中に人工甘味料や添加物は摂取したくないし、遺伝子組み換え大豆も避けたい、などと思っていた私は、以下のプロテインを選びました。
いろんなメーカーから、たくさんの種類が出ているので、納得できる成分・作られ方のプロテインを探して味を試してみるとよいでしょう。
飲みやすいプロテインであれば継続しやすい
どのプロテインを選べばよいかわからない場合は、飲みやすさをうたっている製品でまずは試してみるとよいでしょう。
また、人によって、よりおいしく感じられる方法は違います。
私の場合、牛乳でプロテインを溶かしたところ、無理なくつづけることができました。
1ヶ月ほど継続したところで、腱鞘炎の症状は、あまり気にならないレベルに収まってきました。
即効性を求めるなら必須アミノ酸のサプリもあり
プロテイン以外にも、必須アミノ酸(エッセンシャルアミノアシッド・EAA)のサプリという選択肢もあります。
消化吸収が早いので、筋トレの最中に飲むと効果が高いとされ、搾乳しながら飲んでも同じように炎症部分を補修してくれるのではないかと思われます。
プロテインも、EAAも、タイミングを決めて適量をとり続ければ、辛い症状が軽くなっていく可能性があります。
一般的な腱鞘炎の対策は炎症をおさえるもの
プロテインによる対策に行き着くまでの間、私はさまざまな対策を検討したり試したりしました。
腱鞘炎の対策としては、炎症を治すのではなく、炎症をおさえるものが主流です。
よく紹介されている対策をご紹介します。
安静にすることで腱鞘炎の原因を断つ
腱鞘炎の原因を断つのが、一番有効な方法です。
腱鞘炎をわずらっている部分を動かさないで安静にすることで腱鞘炎の原因を断つことができます。
しかし、赤ちゃんを育てる間、母親に安静にするという選択肢はありません。
なるべく関節を使わない
工夫次第では、指や腕の腱を酷使することを減らせるかもしれません。
授乳クッションやベビースリング、指のサポーターなど、様々なグッズを使用してみました。
しかし、赤ちゃんをケアする上で、指は必ず動かすパーツであり、搾乳作業による腱鞘炎をおさえる効果は限定的でした。
でも、指サポーターをはめていると少し症状が改善したように思います。
整形外科で注射や手術を受ける
腱鞘炎は、整形外科で、注射や手術による治療を受けることができます。
患部に直接アプローチする方法ですから、効果がすぐ実感できる可能性があります。
しかし、育児中に手術を受け、回復まで手を動かさないという選択肢はありえません。
刹那的に治ったとしても、同じ生活を続ければ再発リスクがあります。
ロキソニンテープ・湿布などを貼って炎症をおさえる
写真のようにテープを貼ってみたところ、腱鞘炎の症状は軽減されました。
しかし、哺乳瓶や搾乳器を洗ったり、その他の家事をこなしたりする上で、テープは邪魔ですし、動かすたびによく剥がれてきます。
テープを貼らないでいると、腱鞘炎の症状はすぐに復活してしまいました。
私にとって、腱鞘炎をおさえる対策は、いずれも中途半端でした。
ロキソニンテープ・湿布薬・痛み止め軟膏の安全性について
ちなみに、湿布薬や痛み止め軟膏は、飲みぐすりと比べてあまり血液中に吸収されません。
母乳に移行してしまう量はさらに少なく、ごくわずかです。
授乳中に湿布薬を使ったとしても、赤ちゃんに影響する可能性は低いため、授乳中に貼っても問題ありません。
そもそも腱鞘炎とはなにか
腱鞘炎の痛み、関節を動かしにくい症状などは、炎症によりふくれた腱が、腱を固定する部分にひっかかることが原因で起こります。
腱を固定する部分を腱鞘といいます。
指を伸ばす時、ふくれた腱が腱鞘をくぐりぬけると、バネが弾けたようになります。
また、指を曲げる時も、腱が腱鞘にひっかかるので、痛みが発生します。
腱鞘炎の原因はホルモンバランス・日本人のタンパク質摂取量
産後の腱鞘炎の原因は、主に2つあるそうです。
原因その1:ホルモンバランスの変化
産後はホルモンバランスが変化するので腱鞘炎になりやすい。
ふだんから同じ動き方をしていたとしても、産後は腱鞘炎になるリスクが高まります。
原因その2:日本人はもともとタンパク質の摂取量が少ない
日本人はタンパク質の摂取量が少ないので、体内の環境が変化すると腱鞘炎になりやすい。
タンパク質は、酷使して傷ついた筋肉や腱を修復するときに使われます。
大人の場合、毎日体重と同じ数字のグラム数のタンパク質摂取が望ましいと言われています。
たとえば、体重が68kgなら、1日あたり68gのタンパク質摂取が望ましいそうです。
日本人の一般的な食事メニューでは、この量に達していないことが多く見られます。
産後は必要なタンパク質の量が増加
タンパク質は、手の腱の修復に必要なだけでなく、母乳にも必要となる栄養素です。
授乳中は、普段以上にタンパク質の摂取を心がける必要があります。
私の結論:腱鞘炎になったらタンパク質の摂取量を増やす
産後のホルモンバランスの変化については、対処のしようがありませんが、タンパク質の摂取量を増やすことはできそうです。
私は、様々な対策を試したり検討したりした結果、腱鞘炎を早く治したいなら、
・まずはタンパク質不足分を補給
・症状が辛いときはロキソニンテープを貼る
・時間があれば鍼灸院の針やマッサージ等の治療を受ける
という結論に至りました。
食材のタンパク質の含有量
100gの食材あたりの含有量は以下の表の通りです。
食品 | タンパク質(g) |
米(精白米) | 6.1 |
ぶた(大型豚種)ばら(脂身付、生) | 14.2 |
うし(和牛肉)ひれ(赤肉、生) | 19.1 |
にわとり(成鶏肉)もも(皮付き、生) | 17.3 |
あゆ(養殖、焼き) | 22.6 |
まぐろ(缶詰、油漬け、フレーク、ライト) | 17.7 |
キャベツ(結球葉、生) | 1.3 |
だいこん(根、皮むき、ゆで) | 0.5 |
じゃがいも(塊茎、蒸し) | 1.5 |
だいず(全粒、国産、乾) | 35.3 |
りんご(生) | 0.2 |
鶏卵類(全卵、生) | 12.3 |
普通牛乳 | 3.3 |
ヨーグルト(全脂無糖) | 3.6 |
無塩バター | 0.5 |
コーヒー(インスタントコーヒー) | 14.7 |
例えば体重60kgの人が、母乳やホルモンの影響を考えて毎日70gのタンパク質をとる目標をたてたとします。
毎食、豚や牛や鶏の肉100gを食べ、その他に卵や大豆料理や野菜などから総量70gのタンパク質を得るといった計算をすることになるでしょうか。
このようなまっとうな食生活を、赤ちゃんのケアと並行して続けるのは大変です。
プロテインは、出産後の一時的な体の不調を乗り越える上で、よい選択肢だと感じます。
産後のママは自分を大切に
産後のママは、自分が感じている以上に体に負荷がかかっているのではないでしょうか。
プロテインなどの、時短できる工夫を取り入れながら、普段より重点的に自分をケアしてあげるべきだと、腱鞘炎を通して感じました。
ママのイライラの種を少しでも取り除いて、赤ちゃんと過ごす貴重な時間を質の高いものにしていきたいですね。
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私の場合、直母に向けたチャレンジを続けた結果、2ヶ月で搾乳なしの「半ミ」にまでこぎつけました。
赤ちゃんが直母をできるようになると、飛躍的に母乳量が増え、8ヶ月目、会社に復帰するころには1回あたり130mlほど搾乳で得られるようになりました。
出産から2ヶ月間の授乳にまつわることをまとめた記事をご紹介します。
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