搾乳開始はお早めに
帝王切開で出産予定日より早く生まれた赤ちゃんは、当初は吸う力が弱かったので、直母が上手にできませんでした。
助産師からは、入院中によく寝て体を休めるよう助言されましたが、直母を目指したかった私は3時間おきの搾乳を心がけました。
今回は、私の出産から10日目の退院までの間の搾乳にまつわる経験をご紹介します。
直母を目指した挑戦を載せた記事のダイジェスト版は以下を参照ください。
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プロラクチンの受容体を作る
まずは、直母を目指すにあたって知っておくべきプロラクチンというホルモンの働きについておさらいしましょう。
プロラクチンの分泌量は出産直後をピークに減少
出典:インターネットホスピタル
上のグラフは、授乳しているお母さんと、していないお母さんの分娩後のプロラクチンの分泌状態をあらわしています。
母乳を作る作用のあるプロラクチンというホルモンは、脳の下垂体から分泌されます。
出産後に授乳をしない場合(青)は急激にプロラクチンの分泌量が減少していきます。
授乳する場合(赤)でも、どんどん平時の分泌量が減少していきます。
ちなみに、このグラフは授乳中の数値上昇を省略して数本しか描いていませんが、授乳中は毎回この上昇が起こります。
プロラクチン受容体を増やすことで母乳量が増える
プロラクチンが分泌されて、おっぱいの細胞でキャッチされると母乳が作られます。
プロラクチンをキャッチする受容体は、おっぱいの中で、母乳を作ったり排出したりといった授乳刺激により増えていきます。
「ちょっと理系な育児」という書籍では、このしくみについてわかりやすく解説されています。
授乳・搾乳開始は出産直後からがおすすめ
プロラクチンがたくさん分泌されている出産後一週間という短い期間で、授乳・搾乳をたくさん行うと、楽に受容体を増やすことができます。
プロラクチンは、出産後一週間経ってしまうと急激に減少するので、直母ができない場合でも入院中から搾乳を開始する必要があります。
直母を希望する場合は、搾乳を行う環境が整っているのかどうか、事前に産院に確認することをおすすめします。
出産以降の搾乳量の変化
私の場合は、実家に近かったり見学した際の印象が良かったりした産院を選びました。
選んだ当初、逆子で帝王切開する可能性や、直母ができずにしばらく搾乳を行う可能性については全く考えていませんでした。
搾乳の環境については全く整っていない産院でした。
帝王切開による出産後は長い間医師の管理化に
出産前にプロラクチンのメカニズムを知ったわたしは、出産後すぐの授乳を要望しました。
しかし、帝王切開で出血が800cc程度と多く、医師も助産師も、安静にすべきと判断し、手術日と翌日は授乳も搾乳もさせてもらえませんでした。
両腕に点滴の管が入れられた状態でしたので自分でも搾乳はできませんでした。
3日目 搾乳開始
ようやく医師からの許可が下りて、搾乳してみることになりました。
助産師が乳首をもんでくれて、少し母乳が滲むようになりました。この数滴をミルクに混ぜて、赤ちゃんに飲んでもらいました。
4日目 搾乳量が増加
産院に搾乳器がないので、手絞りによる搾乳を3時間おきに実施。
乳輪の外側をぎゅうぎゅうと圧迫します。
5日目 搾乳量は増加を続けたが
3時間おきに搾乳しないと搾乳量は増えません。
助産師からは、出産直後だし出血量も多かったのだから、入院中くらいは体を休めなさいと言われました。
しかし、私は、おっぱいが張るから、などと言って消毒済みのボトルをもらっては搾乳し、冷蔵するために預ける時に、次のボトルを貰うようにしました。
入院中は3時間おきに搾乳できない
点滴や悪露の様子を見たり、食事をとったりするため、1日中、きっかり3時間おきに搾乳を行うことはできませんでした。
1日7回程度できればよしとしました。
産後は頻繁に起きても疲れない
ホルモンの作用で、夜間も自然に3時間程度で目覚め、案外楽に搾乳回数は維持できました。
1回の搾乳で、10ml程度、母乳が採れるようになりました。
10日目 退院の日
退院する日には、1回に35ml絞れるようになりました。
直母が軌道に乗るまでの推移は以下の記事でご紹介しています。
搾乳器を購入
赤ちゃんは沢山ミルクを飲むことができず、出生児の体重をなかなか超えることができません。
念の為、赤ちゃんのみ退院を遅らせることになりました。
原因は、産院の冷房が効きすぎていたことだったようです。
直母での授乳を目指していたわたしは、長期戦を覚悟し、搾乳器を購入したのでした。
退院後、母乳外来に通いながら、直母を目指すことになりました。
直母を目指した経緯を記した他の記事
私の場合、直母に向けたチャレンジを続けた結果、2ヶ月で搾乳なしの「半ミ」にまでこぎつけました。
赤ちゃんが直母をできるようになると、飛躍的に母乳量が増え、8ヶ月目、会社に復帰するころには1回あたり130mlほど搾乳で得られるようになりました。
出産から2ヶ月間の授乳にまつわることをまとめた記事をご紹介します。
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