キャンプは単なる外遊びの場ではない
コロナ禍以降、外遊びの中でも家族のキャンプは大人気です。
キャンプ場に行けば、テントの設置、焚き火やバーベキュー、バドミントンやフリスビー、釣り、寝袋に入って語らい合うひととき、といった非日常的なイベントが子供たちを待っています。
今回は、3、4歳程度の子供であっても「キャンプで味わえること」について、まとめました。
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現代の子供にとってキャンプのような非日常を家族と過ごす経験は貴重
突然ですが、車のドライビングでは、認知、判断、操作を的確におこなうことが大事ですよね。
正しい判断は安全性を高め、目的地への時短にもなります。
子供にとって認知、判断、実行の経験の蓄積が大事
人生においても、車の運転と同じで、認知、判断、実行が大切です。
自分のまわりで起こっていることをうまく認知して、自分のやりたいことに照らし合わせて判断し、行動を起こすことを積み重ねることで、やりたいことを実現していくことができます。
だから、子供がやりたいことを成しとげる人生を歩んでいくためには、認知、判断、実行の経験をたくさん積み重ねていくことが大事です。
キャンプのような非日常を家族と過ごすメリット
家族でキャンプに行くと、ふだん過ごしている時には直面しないシチュエーションがたくさんありますし、親しい人に囲まれているため失敗しても許される環境があります。
心理的安全性が確保されています。
認知、判断、実行の経験を積めるという意味で、家族のキャンプは大きな価値があるのです。
キャンプでは子供の非認知能力が鍛えられる
ちなみに、キャンプでは非認知能力が鍛えられると言われることがあります。
非認知能力とは、教育者がIQや学力テストなどを使って認知できない子供の能力のことであって、子供の認知能力の話とは別です。
子供の非認知能力を鍛えることの中には、子供の認知能力を鍛えることも含まれます。
わかりにくい。。。
キャンプで子供ができる仕事はたくさんある
キャンプの醍醐味は、なんと行っても普段と違う活動を行うことにあります。
子供がふだん目にしない道具がたくさん登場して、子供が興味を持ちやすく、関わりやすい作業がたくさんあります。
✔ キャンプで子供ができる仕事
・ 荷づくり、運搬
・ テントの組み立て
・ テント内の整理
・ 焚き火の火起こし
・ 調理の手伝い
・ 器具の洗浄
・ 撤収作業
・ 道具の収納
いずれも簡単な作業が含まれています。
今回は、出発から焚き火の火起こしまでの作業を細かくみて、子供に楽しんでもらえる工夫を考えていきます。
キャンプの荷づくり、運搬は子供と一緒に
キャンプは準備段階からはじまっていると言っても過言ではありません。
キャンプ場でどのように過ごすのかイメージを膨らませながら、子供にも準備を楽しんでもらいましょう。
キャンプの準備のため子供に自分の荷物を作ってもらう
まずは、キャンプの過ごし方を説明して、自分のバッグに持っていきたいものをつめてもらいましょう。
過ごし方をイメージして自分で準備。
普段いっしょに過ごしているぬいぐるみや、外遊びやテントで夜を過ごすときに使えるおもちゃはもちろんですが、子供はなんといっても懐中電灯などのライトが大好き。
我が家では子供が自分で考えた結果、以下の内容をバッグに入れています。
✔ 子供が自分で持っていく荷物
・ ぬいぐるみ
・ ぬりえと色鉛筆
・ 折り紙
・ 懐中電灯・ライト
・ お気に入りのタオル
・ 常温保存のできる牛乳200ml
・ 長袖の上着
・ 子供用の軍手
ボールやラケットは車に積みっぱなし。
車に積むことのできる荷物には限りがあります。
いつも子供が使っているリュックサックなどに入る量に限定して、子供に持っていきたいものを選んでもらいます。
キャンプへ持っていく荷物をキャリーワゴンに積むのを子供に手伝ってもらう
我が家では、キャンプ以外にも使う機会がある遊具や、ウェットティッシュ、ブランケットなどは常に車に積んであります。
キャンプ当日は、キャンプでのみ使う荷物をキャリーワゴンを使って家から車にはこびます。
✔ キャンプで使う荷物
・ テント、グランドシート、マット、寝袋
・ テーブル、コット
・ 包丁とまな板、鍋、食器
・ ガスボンベとコンロ
・ 食器用洗剤とスポンジ
・ 軍手、ビニール袋、ガムテープ
・ 救急箱、虫除けグッズ、洗面道具、着替え
調理道具は角があって固く、テント類は重たいので、大人が積み込みます。
子供には着替えや小道具の入ったかばんなど、軽いものや安全なものをキャリーワゴンに入れたり、自分で持ったりしてもらいます。
どうしたら効率的にキャリーワゴンに荷物を積めるのか、大人が手伝いつつも、色々チャレンジさせてあげましょう。
隙間があれば、自分も乗せてもらう!
荷物を載せたキャリーワゴンを駐車場までひっぱってもらう
子供はキャリーワゴンに乗るのも大好きですが、ひっぱるのも大好きです。
荷物が山盛りでないとき、車までの道のりが平坦なとき、周囲にぶつかってはまずいものがないときは、子供にひっぱってもらいましょう。
駐車場では他人の車を傷つけないように気をつけて。
キャリーワゴンの車輪は4つあって間隔が広いので、スムーズな動かし方を考えながら進む必要があります。
テントを張る準備のため荷物置き場を子供と一緒に作る
我が家では、サイトに到着したらまず、荷物をレジャーシートに並べます。
良い位置にレジャーシートを広げると、その後の作業がスムーズに進みます。
そのためには、まず、子供と話し合いながらサイト内の配置を決めていきます。
✔ テントの配置を考えるための要素
・ サイト内の風上の方向
・ 木が生えている場合は枝の位置
・ サイト内の凹凸の度合い
・ 車本体やトランクの位置
・ 隣の区画のテントや車の位置
テントの位置決めが済んだら、タープはテントに緊結できる配置にします。車の位置もこのときに修正。
配置が決まったら、いよいよ、荷物を車から降ろす作業をはじめます。
レジャーシートをどこに広げるのか子供自身に考えさせて、広げてもらいましょう。
キャンプで子供にコットを組み立ててもらう
私の場合、テントの中に1つ、地面の上に1つ、計2つのコットを使います。
コットの左右のポールを渡したり、足を付けたりする作業は子供にお願いします。
子供は狭いレジャーシートの上で、うまく位置どりしながらコットを組み立てます。
レジャーシートだけでなく、組み立てられたコットの上に、次の作業に必要な道具などを乗せておくと便利です。
キャンプ用テントの組み立ての際に子供が担当すべき作業とは
さて、いよいよテントの設営です。
テントにはいろんな種類がありますし、組み立てにはいろんな工程があります。
子供はどのように作業を分担したら良いのか考えてみましょう。
キャンプ用テントの種類と特徴
テントには構造や形でわけて、大きさの順に並べてみると、以下のような種類があります。
✔️ テントの種類と特徴
① 居住空間が広いツールーム型
② 天井が高いロッジ型
③ 簡単に組立てられるドーム型
④ 傘みたいに広がるワンタッチ型
⑤ 中央に棒を立てるワンポール型
⑥ その他
使われるテントの半数以上がドーム型です。
①から⑤の特徴は以下の通り。
特徴 | 組立て | 持運び | 耐久性 | 居住性 |
① ツールーム | △ | △ | ○ | ◎ |
② ロッジ | △ | △ | ○ | ◎ |
③ ドーム | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
④ ワンタッチ | ◎ | ◎ | △ | ○ |
⑤ ワンポール | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
私はOGAWAのツールームテント(アポロンT/C)と、DODのワンタッチテント(わがやのテント)の2つのテントを使っています。
両方とも日本のメーカーです。
それぞれ、組み立ての手順がちがいますが、共通して子供に手伝ってもらえる作業とそうでない作業とがあります。
ドームテントやツールームテントはポールのつなぎ目が折れやすい
テントのポールは、持ち運ぶときに分解できるつくりになっていますが、大空間を支えるので大きな力がかかり、つなぎ目が壊れてしまうことがよくあります。
OGAWAは比較的壊れにくいとは聞きますが。
テントをむりやり立ち上げようとしたり、きちんとペグ打ちする前に風にあおられたりすると、上の写真のようにポールのつなぎ目が割れたり曲がったりしてしまいます。
テントを立ち上げる部分は素早く正確な手順で作業する必要があります。
ツールームテントを組み立てる手順
つまり、子供に手伝ってもらうことができるのは、テントを立ち上げる前後の作業となります。
OGAWAのツールームテント「アポロン」を例に、ツールームテントの組立て手順を並べると以下のようになります。
✔ ツールームテントの組立て手順
・ 幕をきれいに広げる
・ 片側の2ヶ所だけペグ打ち
・ 横ポール4本をスリーブに通す
・ 出入口ファスナーを開ける
・ 内側から中央2本を立上げる
・ ポール端と地面のベルトを接続
・ 前後両端のループをペグ打ち
・ 両端の横ポールをベルトに接続
・ 縦ポール2本をスリーブに通す
・ 縦ポール中央1本を設置
・ 残りの箇所をペグ打ち
・ フライシートをかぶせる
・ インナーテント設置しペグ打ち
・ 張り網をペグ打ち
※ピンクの太字部分は、手早く正確な作業が求められます。
テントの組立てにはいろいろとやるべきことがありますが、幼い子供を放置してしまうと、子供は大人にかまってほしくて作業をじゃますることにもつながります。
せっかく家族で楽しむためにキャンプをするのだから、子供に一定の役割を与えることで、一緒に作業をしている雰囲気を味あわせてあげたいところです。
ワンタッチテントを組み立てる手順
DODのワンタッチテントである「わがやのテント」は、傘を広げるようにして一瞬でテントを張れます。
一部、大人の背丈がないとうまく作業できない部分があります。
✔️ ワンタッチテントの組立て手順
・ 幕をきれいに広げる
・ 四隅をペグ打ち
・ 傘を広げる
・ フライシートをかぶせる
・ フライシートの四隅を接続
・ 張り網をペグ打ち
※ピンクの太字部分は、大人の背丈が必要な作業。
テントを立ち上げるときは子供にペグの管理やハンマー打ちを担当してもらう
テント組立ての手順をみてみると、ポールの立ち上げから、フライシートの固定に至るまで、ペグを打つタイミングがたくさんあることが分かります。
ここで、子供が大活躍します。
ペグの入った袋を持ち歩いて、ペグ打ちについてきてもらうと、作業がはかどります。
袋から出して手渡し。
また、時間はかかりますが、子供にペグを打ってもらうこともできます。
ペグ打ちを任された子供は目を輝かせます。
地面の固さに応じてハンマーの打ち下ろし方を工夫し、時にはペグを打ち直すために引き抜くときも一緒に作業できます。
テントを組み立てる動画を子供と一緒に何度も見よう
リビングのテレビにテント組立ての説明動画を映し出して、何度も見てみましょう。
動画を見ながら、テントの組み立て方を大人同士で話し合えば、子供は耳を傾けていて、概要をつかむことができます。
そして、子供に担ってもらう役割をあらかじめ伝えておけば、頭の中で子供は何度もシミュレーションして本番にそなえてくれます。
テントの飾り付けは子供と一緒に楽しむ
近隣のサイトとテントが全く同じだった、なんてことがよくあります。
暗くなってからトイレに行って、もどってきたとき、LEDライトがついているとひと目で自分のテントを見分けることができます。
子供と一緒に選んで、かっこよく飾り付けましょう。
点灯させるのも子供の役目。
まだまだ、続きます。
キャンプ用テント内の整理で子供は自分の居場所をつくる
普段と違った環境で過ごすキャンプは刺激的で楽しいものですが、子供にとってはストレスに感じることもあるでしょう。
テントの中に、子供がほっとすることができる空間を用意してあげれば、子供もリラックスしてキャンプを楽しめます。
テント内でシートや寝袋の梱包を子供に解いてもらう
テントの内部はキャンプマットを敷き詰め、背の低いコットの上に荷物を置いて、寝袋を広げれば、内装は完成します。
マットには、バルブを開けると勝手に空気が入っていくインフレーターマット、空気を入れるエアーマット、折りたたむクローズドセルマットなどがあります。
それぞれ、小さく丸めたり折りたたんだりしてキャンプ場まで運び込みます。
子供に梱包を解いてもらって、大人が広げればスムーズです。
キャンプ用テント内のデコレーションは子供におまかせする
子供に居心地よくすごしてもらうためには、お気に入りのぬいぐるみやおもちゃをテント内に配置してもらいます。
コットの上でくまさんが一休み。
キャンプにおける焚き火台の組み立てと薪の運搬、火起こしは慎重に
キャンプの醍醐味の一つは、なんといっても焚き火です。
家のガスコンロやストーブでは見ることのできない炎のゆらぎや、煙のにおい、直火の調理などを子供に経験させることができます。
焚き火台の組み立ては大人が責任を持つ
焚き火台は薄い金属の板でできていて、軽量化、持運びやすいものが多く売られています。
例えば、Tokyo Campの焚き火台はコスパや使い勝手の良さから人気があり、我が家でも重宝していますが、エッジが少しとがっているので、袋に押し込もうとして指を切ったことがありました。
組み立ての際、素手でむりやり部品を押し込もうとすると危険です。
子供は焚き火台には触れない。
ささくれが手に刺さらないように薪は革手袋を使って持つ
子供用サイズの軍手をはめてお手伝いしてもらっていたところ、薪のささくれが子供の指にささってしまいました。
焚き火用の手袋は革でできているので、こまかい薪のささくれもとおしません。
キャンプ場での怪我はなるべく防ぎたいところです。
それからは、私は子供に大人用レザー手袋をはめてもらうことにしました。
子供と一緒に薪を焚き火台に配置しよう
薪の配置には、いろんなパターンがあります。
✔️ 薪の組み方
・ そろえて並べる並列型
・ よく燃える井桁型
・ 円すい状のティピー型
・ 放射状のインディアン型
色々こだわると、どうしても大人が手を出してしまいがちですが、まずは燃えやすい針葉樹の薪で、シンプルに並列型を子供と一緒に試しましょう。
薪は一本ずつ形が違うので、そろえて並べるだけでもパズルのように頭を使います。
着火剤は、ジェルの入ったパックがおすすめ。
ジェルは火力が強いのでスムーズに薪に着火します。
キャンプでの薪への着火は大人が手早く
着火剤へ火をつけるのは大人の仕事です。
はじめは、火打ち石などのかっこいい道具ではなく、着実に火をつけられるものを使い、子供が火を観察することに時間を使いましょう。
なかなか火は薪全体に行き渡らない。
薪でマシュマロ等の食べ物を焼いてみよう
あとは、子供に様々な食材を焼いて食べてもらうだけです。
火に近づけすぎた、遠すぎて焼けなかった、といったトライ&エラーを通して、食材をおいしく調理する研究をしてもらいましょう。
さいごに
キャンプはお金と時間をかなり消費するイベントですが、工夫次第で見返りも大きくなります。
特に、子供の認知、判断、実行の経験を積むには最適な環境といえます。
最大限、子供にキャンプの醍醐味を味わってもらえるよう、子供の疲労度合いや暑さ・寒さなどの環境に配慮しながら、積極的に役割を担ってもらいましょう。
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