米式バルブに空気を入れるのはかんたん
ゴムタイヤのバルブは仏式・英式・米式の3種類に分けられます。
英式バルブが最も普及していて、ママチャリなどのシティサイクルに採用されているので、日常的に見かけます。
今回はストライダーなどのゴムタイヤに採用されている米式バルブに空気を入れる場合の操作方法を写真で解説します。
今回説明するのは米式バルブへの空気注入
一番右側の太いバルブが米式バルブです。
米式バルブはこんな形
タイヤの内側にあるチューブから、リムの穴を通って出ている注入口のことをバルブと呼びます。
米式のバルブは高圧に耐えられます。自動車やオートバイのタイヤに採用されているので、いざとなったらガソリンスタンドで空気を入れることができます。
バルブ本体が太くて折れにくいので悪路を走るマウンテンバイクにも使用されています。
米式バルブはコンパクト
ベビーカー用 米式バルブ付きインナーチューブ(Amazon)
米式バルブは長さが短い上に、45度、90度などに曲がったものもありコンパクトな造りです。
このため、小径のタイヤを使用しているランニングバイク、キックスクーター、ベビーカーのエアタイヤにもよく使用されます。
ランニングバイクでいうと、ストライダーやキック&スクートが採用しています。
米式バルブに対応した空気入れ
私の自宅にあるサーファスの空気入れを使って、米式バルブに空気を入れる方法を説明します。
我が家で使っているサーファスの空気入れ
サーファス 仏式・米式・英式・ボール・ボート対応フロアポンプ(Amazon)
サーファスは1993年にカリフォルニアで生まれた自転車関連のアクセサリーを扱うブランドです。
空気入れのメーターが上の方に付いていて見やすく、あまり力を入れずに空気が入るところに定評があります。
シンプルバルブ採用で口金の切替なしに仏式と米式のバルブに対応
レバーを倒した状態では中央部分が奥に引っ込んでいます。
レバーを上げると米式バルブが固定されるようになっています。
レバーを倒した状態でバルブをぐぐっと差し込みます。
レバーを立てて、バルブを固定します。
仏式でも同じようにするとバルブにつながる。
タイヤに空気を入れる
適切な圧力になるよう、空気入れのハンドルを上下します。
ゲージでタイヤの空気圧をチェック
バルブに空気入れをつなげると、タイヤの空気圧がゲージに表れます。
サーファスの場合、内側のメモリがバール(100キロパスカル)、外側のメモリがプサイの値となっています。
タイヤに表示された圧力の単位と同じ側のメモリで確認します。
単位についてはあとで解説するよ。
タイヤの圧力表示を確認する
いろんな数字がタイヤに表示されていますが「INFLATION TO 35 P.S.I」とあるのが耐圧力の表示です。
他にもキロパスカルやバールなど、別の単位で表示されているタイヤがあるので、注意が必要です。
タイヤのサイズの表示について
写真右側の「50-134」と「 8-½ x2」は、いずれもタイヤのサイズを表しています。
50-134:
ETRTO規格(ISO規格)のタイヤ幅 (mm)-リム径 (mm)(ビード座直径)
8-½ x2:
インチサイズ表記のタイヤ外径(inch) x タイヤ幅(inch)
空気をチューブに入れる
ピストンを動かし、35psiまでの範囲で圧力を調整します。
頑張れば写真のとおり100psiといった高圧力にもなりますが、乗り心地が悪くなりますので、タイヤの表示の範囲内の圧力にとどめた方が良いでしょう。
ゲージの外側にシルバーのガイドリングがあり、赤い矢印の位置を動かすことで、空気を入れる目安として使うことができます。
高い空気圧だと早く走れるけど無理はダメ。
口金からバルブを外して蓋をしめる
圧力を目安まで入れたら、レバーを倒して口金を取り外し、バルブの蓋をしめます。
プシュッと音がしますが、たくさんの空気が抜けるわけではなく、心配ありません。
圧力の単位の説明と換算
圧力の単位には、bar(バール)、psi(プサイ)、kgf/c㎡(キログラムフォース)など、様々なものが使われています。
さいごに、圧力の単位について少しだけ説明します。
1971年・第14回国際度量衡総会(CGPM)で採択されたPa(パスカル)
パスカルは、ニュートン毎平方メートルとも呼ばれ、1パスカルは、1平方メートル(㎡) の面積につき1ニュートン(N)の力が作用する圧力または応力と定義されています。
日本においては、1992年に制定された改正版の計量法によって、国際単位系(SI)に基づく空気圧表示としてkPa(キロパスカル)が使用されることになりました。
天気予報の気圧もバールからパスカルに変わった。
ノルウェーの気象学者ビヤークネスが提唱したbar(バール)
1バールは、1メガダイン(メガは10の6乗・記号はdyn)の力が 1平方センチメートル(c㎡)の面積に作用する時の圧力と定義されています。
1 bar = 10の5乗Pa = 100 kPa となります。
欧州では、今でもよく使われています。
重さの単位にポンドを使う国で使われるpsi(プサイ)
プサイは、重量ポンド毎平方インチとも呼ばれ、1プサイは、1平方インチの面積につき1重量ポンド (lbf) の力がかかる圧力または応力と定義されています。
1 psi = 6894.757 Pa となります。
米国や英国では、今でもよく使われています。
1954年・第10回国際度量衡総会(CGPM)で採択された標準気圧atm(アトム)
アトムは、重量キログラム毎平方センチメートルとも呼ばれ、1平方センチメートルの面積につき1重量キログラムの力が作用する圧力・応力と定義されています。
CGPMの第10回総会において一般的な用途のための標準気圧として、CGPMの開催地パリと同緯度の平均海水面における平均気圧を基にした圧力が採用されました。
1 atm = 101325 Pa ≒ 10の5乗Pa = 100 kPa となります。
アトムは日本人に馴染み深い単位ですよね。
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