ストライダーに乗るならヘルメットは必須
ストライダーは転びながらバランス感覚を学ぶ遊具です。
ヘルメットは必須といっていいでしょう。
ストライダーに乗るときは、1時間や2時間といった長い間ヘルメットをつけることもたくさんあり、安全性に加えて快適なつけ心地であることが重要です。
今回は日本人におすすめのヘルメットについて解説します。
ヘルメットの種類は大きく分けて16パターン
子供用ヘルメットも、大人用と同じく様々なヘルメットが販売されています。
✔ ヘルメットの分類
・ 安全基準:SG・その他
・ 頭の形:短頭型・長頭型
・ 製法:ソフトシェル・ハードシェル
・ 形状:ハーフキャップ・フルフェイス
これらの組み合わせにより、ヘルメットを選ぶことになります。
以下、1つずつ説明していきます。
ストライダーで使うヘルメットの安全基準:SG・CE・CPSC・ASTM
日本で流通しているヘルメットはほとんどが、以下の安全基準をクリアしています。
✔️ ヘルメットの安全基準と組織
・ SG(一般財団法人製品安全協会)
・ CE EN1078(欧州標準化委員会)
・ CPSC(USA消費者製品安全委員会)
・ ASTM(米国試験材料協会)
自転車等用ヘルメットの日本における安全基準「SG」
SGマーク制度は消費生活用製品の安全性を認証する制度で安全基準・製品認証・事故賠償が一体となっています。
対象製品ごとに基準(SG基準)が定められており、基準に適合していると認証された製品はSGマークが表示されます。
万が一SGマーク付き製品の欠陥により人身事故が発生したときは、賠償措置が講じられます。

賠償措置をさだめているのがSGの特徴です。
自転車等用ヘルメットのヨーロッパにおける安全基準「CE」
CE(仏語:Conformité Européenne、英語:European Conformity)は、EU加盟国全ての安全基準を満たしている製品に表示されています。
その中でも、自転車用ヘルメットの安全基準としてさだめられたものが、EN1078です。
日本で販売されているの自転車用ヘルメットでも、EN1078を満たしているものにはCEマークが付けられています。

CEマークは他のおもちゃにもよく見られます。
自転車等用ヘルメットのアメリカにおける安全基準「CPSC」と「ASTM」
CPSC(the U.S. Consumer Product Safety Commission)はアメリカ消費者製品安全委員会による安全基準です。

アメリカで最も一般的な基準です。
5歳未満の子供用ヘルメットには、プロテクションエリアのより広い構造を求めるなど、最新の知見に基づいていて、SGよりさらに厳しい基準となっています。
ASTMは世界最大規模の標準化団体である米国試験材料協会が発行する規格です。
業界自主規制の規格なので、CPSCほどメジャーではないものの、国際的にも広く通用しています。
追加基準としてフルフェイスモデルのチンガード部分の安全基準が設定されています。
ストライダーに乗るならSGマークのついたヘルメットがおすすめ
SGマーク付き製品は、欠陥により人身被害が生じたと認められる場合、事故原因、被害の程度などに応じて、被害者一人あたりの1億円を限度として賠償を受ける事ができます。
多様な安全基準が存在しているので、どの基準をクリアしたヘルメットが良いのか分からず迷っている場合は、SGマークのついているヘルメットがおすすめです。
ストライダーで使うヘルメットは頭の形に合わせる:短頭型・中頭型・長頭型と頭囲
頭の形は人それぞれ違いがあり、頭の形や大きさが合っていないヘルメットを被ると、頭痛や不快感の原因になります。
特に子供の場合、頭痛や不快感があると、ヘルメットを嫌がるきっかけになってしまいます。
日本人は短頭型に分類される人が主流
人の頭はほぼ長頭型・中頭型・短頭型に分類できますが、日本人は短頭型に分類される人が主流です。
頭長幅指数(とうちょうふくしすう)=骨の最大幅÷骨の最大長×100(%)
・長頭型 70.0~74.9
(生体では71.0〜75.9)
・中頭型 75.0~79.9
(生体では76.0〜80.9)
・短頭型 80.0~84.9
(生体では81.0〜85.9)
※生体では頭皮・筋肉・脂肪の厚みが考慮されています
出典:ウィキペディア
後ろが絶壁かどうかはあまり関係なく、丸みを帯びていても短頭型の人がいます。
短頭型の場合は、オージーケーカブト等の日本メーカーのヘルメットや、海外メーカーであればアジアンフィットのヘルメットを選びましょう。
子供のヘルメットのサイズは頭のサイズを計測して決める
ヘルメットを試着してみることができない場合は、頭のサイズを自宅で測って目星を付けることもできます。
メジャーを頭に回して、額・耳のすぐ上・後頭部の出っ張ったところを通るラインを測ります。
ちなみに、ストライダーの対象年齢である1歳半から5歳までの期間の男女の平均的な頭囲は以下の通りです。
年齢 | 男の子 | 女の子 |
1歳6〜7ヶ月 | 47.6cm | 46.5cm |
2歳6ヶ月〜3歳 | 49.2cm | 48.2cm |
3歳6ヶ月〜4歳 | 50.1cm | 49.2cm |
4歳6ヶ月〜5歳 | 50.8cm | 50.0cm |
5歳6ヶ月〜6歳 | 51.3cm | 50.7cm |
出典:厚生労働省「平成22年 乳幼児身体発育調査」
1歳半から5歳までの幼児の頭囲は、オージーケーカブトを例に挙げると、サイズXS(47〜51cm)やサイズS(49〜54cm)となります。
ストライダーに乗る子供のヘルメットの製法:ソフトシェル・ハードシェル
自転車用ヘルメットは製造方法や素材によって、ソフトシェルタイプとハードシェルタイプがあります。
ソフトシェルとハードシェルの違い
左側のヘルメットがソフトシェル、右側がハードシェルです。
ソフトシェルのヘルメットはポリカーボネート製の薄板シェルと発泡スチロールのライナーを組み合わせたもので、事故の衝撃を変形によって吸収します。
ソフトシェルは軽さと安全性能を両立しています。
ハードシェルのヘルメットは、ABS樹脂の厚くて硬い板で作られたものです。ハードシェルのヘルメットにも、発泡スチロールのライナーが組み込まれています。
ハードシェルの方が安全性が高いため、転倒が頻繁に起こるスポーツのヘルメットにはハードシェルが採用されています。

少し重いから自転車に乗る年齢からがおすすめ。
ソフトシェルの製法を確立したのはオージーケーカブト
ソフトシェルのヘルメットを開発したのは日本のメーカーです。
日本のサイクルヘルメットのメーカーであるオージーケーカブトは400g以上あるハードシェルのヘルメットを100g以上軽量化して、1996年にW-1Rなどの涙滴形状を採用したソフトシェルのヘルメットを発売しました。
今では世界中のメーカーがソフトシェルのヘルメットを製造しています。
ソフトシェルのマイクロシェル製法とインモールド製法
オージーケーカブトのソフトシェルのヘルメットには外側の硬いシェルと内側のライナーとを別々に作って貼り合わせる製法(マイクロシェル製法)と、シェルとライナーを一体で作る製法(インモールド製法)とがあります。
インモールド製法で作ったヘルメットは軽量かつコンパクトな形状になります。
オージーケーカブトのSサイズで各種ヘルメットを比較
オージーケーカブトの製品では、例えばマイクロシェル製法のDUCKとインモールド製法のPALがあります。
ハードシェルのFR-KIDSやCHAMPもあわせて、オージーケーカブトのサイズS(49-54cm)の製品を比較してみました。
全てSG基準をクリアしています。
製品 | DUCK | PAL | FR・KIDS | CHAMP |
シェル | ソフト | ソフト | ハード | ハード |
製法 | マイクロシェル | インモールド | ― | ― |
重さ | 255g | 235g | 375g | 410g |
価格 | 5,280円 | オープン価格 | 5,720円 | 5,500円 |
サイズ 調整 |
フィットバンド | フィットバンド | アジャスター | アジャスター |
カラー等 | 5色 | 6色 | 4色 | 3色 バイザー付 |
※2021年8月8日現在のオージーケーカブト公式サイトの価格を記載しています。
重さはハードシェルよりもソフトシェルの方が100g以上軽く設計されています。
DUCKは街乗りも楽しくこなせる可愛らしいデザインとなっています。
オージーケーカブト DUCK 49-54cm(Amazon)
PALはインモールド製法で作られていて、4つのヘルメットの中では最も軽量です。
FR・KIDSはスケートやスケボーなどでハードに使うことを想定したヘルメットです。
CHAMPにはショートバイザーがついています。少しバイザーが付いているだけでも、日差しによる目へのストレスや暑さは軽減されます。
オージーケーカブト CHAMP 50-54cm (Amazon)
ストライダー用ヘルメットの形状:ハーフキャップ・フルフェイス
自転車用ヘルメットにもハーフキャップタイプとフルフェイスタイプがあります。
フルフェイスタイプのヘルメットとは
自転車用のフルフェイスのヘルメットには顎を守るチンガードと呼ばれる部位がついています。
フルフェイスタイプのヘルメットは、顔全体がこのガードにより覆われるため、顔に怪我を負うリスクが減ります。
公園でストライダーに乗るならハーフキャップで十分
公園でいかついフルフェイスのヘルメットを被っていると、だいぶ目立ちます。
ママチャリに子供を乗せるときにも同じヘルメットを使おうと考える方も多いでしょう。
始めはハーフキャップのヘルメットで十分だと思います。

ストライダー公式ヘルメットやTETEのヘルメットはチンガードを取り外すことができます。
STRIDER フルフェイスヘルメット(Amazon)
ストライダーの中級・上級者になったらフルフェイスのヘルメットがおすすめ
ただし、以前の記事にも書いたとおり、ストライダーの事故は頻発していると考えられます。
消費者庁のニュースリリースでは、ヘルメットを装着していたにもかかわらず、電柱で顔面を打撲した子供の下唇が腫れ上がり、上の歯ぐきも出血した事例が紹介されていました。
ストライダーの中級〜上級者になったらフルフェイスのヘルメットがおすすめです。
ストライダーに乗る2、3歳の子供におすすめのヘルメット4選
以上の内容を踏まえると、日本人の2,3歳の幼児におすすめできるヘルメットは限られてきます。
ストライダーを練習するにあたっておすすめしたいヘルメットを、アジアンフィット・ハーフキャップから4つ選んでご紹介します。
1位:オージーケーカブト パイン
インモールド製法軽量コンパクトなヘルメット。マットなツートンカラーで落ち着いたデザインです。
2位:モンベル Kid’s 48−52
モンベルも小さいサイズのサイクルヘルメットを販売しています。
3位:サギザカ キッズヘルメット
軽量で価格も抑えられたモデルです。
4位:ブリヂストン コロン
ブリヂストンは、北欧テイストのデザインが可愛らしいヘルメットを販売しています。
ハードシェルタイプですが、400gを切っていて軽めの設計です。

バイザーは取り外せるけど金具がまるみえ。
ランニングバイクにおすすめするヘルメットの比較
紹介した4つのヘルメットを数値で比較してみると、以下のような違いがあります。
製品 | パイン | モンベル | サギザカ | コロン |
基準 | SG | EN 1078 | SG | SG |
シェル | ソフト | ソフト | ソフト | ハード |
製法 | インモールド | インモールド | マイクロ シェル |
― |
重さ | 230g | 225g | 220g | 370g |
価格 | 3,618円 | 3,190円 | 1,971円 | 2,250円 |
サイズ 調整 |
フィット バンド |
アジャスター | アジャスター | アジャスター |
カラー等 | 6色 | 3色 | 2色 | 5色 バイザー付 |
※2021年8月8日現在のAmazonにおける価格を記載しています。
ストライダーに乗るためにつけるヘルメットを選ぶ場合の注意点
ストライダーは1歳半や2歳で乗りはじめる遊具であり、この時期の子供はじぶんで適切な大きさやデザインを判断することはできません。
最初のヘルメットをえらぶときは、大人が頭のサイズを測ったり、形状を確認したり、安全基準をクリアしていることを確認しましょう。

デザインはストライダーの色や衣服に合わせればOK。
子供が安全に楽しくストライダーで遊べるように、心を配ってあげましょう。
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