直母を目指すべきなのか
直母を目指していると、うまくいくのか、無駄ではないのかと悩むことがたくさんあります。
私の場合、搾乳と練習をくりかえす日々を過ごしていましたが、なかなか赤ちゃんが直母に移行する兆しが見えずいろいろと悩んでいました。
今回は、二児の母となっていた友人から私がもらったアドバイスをご紹介します。
搾乳から直母に移行することを目指した記事をまとめたダイジェスト版は以下を参照ください。
私が直母を目指した理由は様々な不安を解消することにありました
出産直後の母親は疲労やホルモンバランスの影響で情緒が不安定になることがあります。
直母ができなかった当時、様々な不安が私におそいかかってきました。
母乳を飲ませないと栄養やケアが足りているのか不安
新生児って、ふにゃふにゃで、頼りなくて、目を離せません。
栄養が足りていなかったらどうしよう、ケアが行き届かなくて赤ちゃんがうまく成長していかなかったらどうしよう、といった数々の不安が頭をよぎりました。
母乳を飲ませないと母子のつながりが薄らぐ不安
出産後、母親が赤ちゃんを抱っこして触れることにより、赤ちゃんは気持ちよくなってオキシトシンが増えます。
また、乳頭を刺激することにより、お母さんのオキシトシンが増加し、そのオキシトシンが母乳にも移行します。
逆に私は、直母ができない期間、子供との繋がりが薄れてしまっているような感覚を覚えました。
直母で吸う力が養われる・噛む力や顎の発達などに関する不安
直母じゃないと、噛む力が弱い子供になるという話も聞いたことがあります。
哺乳瓶でミルクを与えられた場合、ミルクが吸わなくても口の中に落ちてきます。
最近では飲むために力強く吸わねばならない乳首も販売されていますが、直母に勝るものはないように感じました。
災害時にミルクを調達できない場合は母乳が有利・非常時に関する不安
私の場合、大阪や北海道の震災後のタイミングで出産しました。
自分の住む街のまわりで大災害が発生して、物流網が寸断したり停電になったりして、粉ミルクや安全な水、お湯を沸かす手段などがなくなったらどうしようか、なんて考えたりもしました。
不安解消への糸口としての直母
最初は漠然と直母をめざしていた私でしたが、育児中にさまざまな情報にさらされ、不安がつのっていきました。
赤ちゃんに、母乳という安全安心な栄養をたっぷり届け、スキンシップをほどこし、お口まわりの健康を保ち、災害対策※を万全にするために、直母できる状態を目指したいと強く思ったのでした。
※ただし、友人のアドバイスでも触れられているのですが、被災者の中には、ストレスで母乳の出が悪くなる方がいらっしゃるようです。
直母ができるからと言って、ミルクの備蓄は怠れません。
出産してみてスムーズに直母ができず私が悩んだこと
赤ちゃんが生まれさえすれば、直母が当たり前にできるだろうと、私は楽観的に考えていました。
しかし、出産してみると想定外のことばかりでした。
帝王切開で生まれた赤ちゃんは口が小さく乳首が咥えられない・吸う力が弱い
私の赤ちゃんは帝王切開で生まれてきたためか口が小さく、そもそも乳首をうまく咥えられないことが、授乳にまつわる出産直後の1番の悩みでした。
また、母乳を吸う力が弱く、少し赤ちゃんが大きくなった時点で乳首を口にあてがっても、うまく吸うことができませんでした。
赤ちゃんに吸われなければ乳首が吸いやすい形にならない
母親の乳首というのは、赤ちゃんに吸われることで簡単に変形していきます。赤ちゃんの吸う力があれば、親の乳首の形はあまり問題になりません。
きれいに変形して元にはもどりません。
私の乳首の形は、元々直母に適したものではありませんでしたので、吸われて改善していく必要がありました。
しかし、私の赤ちゃんは口が小さいので形の悪い乳首をうまく咥えられませんし、吸う力が弱いため乳首の形も改善していきませんでした。
母乳量を増やしたり維持したりするための搾乳で眠る時間が削られる
直母をしたければ、母乳量を維持する必要があります。また、3時間おきに搾乳しないと母乳量が増えていきません。
しかし搾乳の作業は大きな負担となります。
一日中、3時間おきに搾乳し、器具を洗浄し、消毒し、赤ちゃんに授乳するとなると母親は寝られません。
いつまで搾乳をふくめたサイクルが続くのか見通しが立たず家族にも負担がかかる
3時間おきに搾乳をするとなると、搾乳器を胸に当ててばかりで家事に全く協力できません。
頑張って搾乳しているのに、出産後1ヶ月経った時点で、赤ちゃんに必要な量の半分も母乳が出ません。
いつまで続くか見通しの立たない中、実家の母も徐々にうんざりした様子になりました。
赤ちゃんのケアは疲労が蓄積・ホルモンの影響でイライラ・初めての育児はうまくいかず後悔
出産後の母親は睡眠時間が減っても耐えられるようになっているといいますが、それでも疲労は蓄積していきます。
出産直後から搾乳を開始できなかったことが、悔やまれます。
くたびれた私は、もはや、何を目標に何をすれば良いのか分からなくなりました。
周囲の意見は様々・特に医療従事者が母乳育児に非協力的だった
直母について出産直後からなやみはじめた私は、産院の先生や助産師に相談しました。
しかし、産院の医師や助産師たちは、母親に負担になることを避けようとします。
私自身は、負担感をまったく感じなかったのですが。
私の入院した産院では、体に負担をかける搾乳に対して先生方が消極的で、参考になる情報をもらうことはできませんでした。
その他、さまざまな立場の人から、さまざまな意見を聞きました。
母乳外来の助産師は母乳が与えられれば良しと考えていた
母乳外来の助産師は、ニップルを使ってでも母乳を与えるべきと考えているようでした。
言われるがままにニップルを買い、ニップル直母にチャレンジしてみましたが、うまくいきませんでした。
自分の親が出産した当時の記憶はすでに曖昧で現代の事情にも詳しくない
親に相談してみると、昔の記憶もあいまいだし分からない、の一点張りでした。
私が赤ちゃんのころは布おむつがメジャーな時代でした。
出産や育児のノウハウやグッズは日進月歩です。
20〜30年前の母乳育児の知識はあてになりませんでした。
ネットでは直母への転換に成功した人の体験談がなかなか見つからない
ネットでは、直母を目指すことが大変むずかしいと感じる方々の意見があふれていました。
うまくいった経験談を提供してくれるサイトがなかなかみつかりませんでした。
ブログでこの記事を書くきっかけはそれでした。
直母ができない状況で私の考えた選択肢(完母、ニップル、搾乳、完ミ)に対する友人のアドバイス
直母ができる見通しが立たない中、もんもんと以下の4つの選択肢を考え、どうしたらよいかLINEで友人に相談しました。
✔ 私が悩んでいた目標・為すべきこと
1.完母を目指して、引き続き取り組む。
授乳のたびに乳首を咥えさせて練習し、
搾乳とミルクを与える。
2.ニップルで飲めればよしとする。
ニップルでの直母とミルクとを与える。
3.母乳を飲んでもらえればよしとする。
搾乳とミルクを与える。
4.完ミでよしとする。
そんな私の悩みに対する友人のアドバイスは力強いものでした。以下、友人のLINEの内容を抜粋します。
母乳・ミルク・混合いずれを選択したとしても目標とすべきことは変わらない
生後1ヶ月で、そういった目標を決めるのは難しいと思うよ。その日その日の積み重ねで、どんどん状況が変わっていくと思う。
目標と言っても、赤ちゃんが主役で、母親だけが努力すれば達成できるものでもないしね。
今までは自分が努力すれば何とかなってきたから、私はそのギャップに苦しんだよ。
震災とかあるって話だけど、母親もそういうときになると、母乳が出なくなっちゃうって話も聞くよ。
今振り返って思うのは、目標は、赤ちゃんがおっぱいでもミルクでも飲んで、どんどん大きくなっていってくれることだと思うよ。
3.の「母乳を飲んでもらえればよしとして、搾乳とミルクを与える。」が近いと思う。
直母がうまくいかない場合は母乳に固執しないことが大切
でも、当時の私は、母乳であげたい一心で、搾乳とミルクで育児することに納得できなくて、心身ともに疲れていたと思う。
早めに復帰するなら、ミルクでもOKにしておかないと、おっぱい離れが大変だし、あまり母乳に固執しない方がいいと思うよ。
半年後には離乳食始まるし、おっぱいが全てではないので、息抜きしながらね!
私の結論は搾乳を継続して機を見て直母に再トライ
私はこのアドバイスをもらって、友人も同じように悩んでいたことを知りました。
無理せずやめちゃえば?とバッサリ言われてしまうことも想定していたのですが、現状を肯定されたような感じがして、なんだかほっとしました。
授乳期間なんて、あっという間に終わるわけだし、搾乳したおっぱいを赤ちゃんに飲んでもらえれば、搾乳自体が無駄とはならない。
搾乳を続けると、睡眠時間が少なくなるし、指の腱鞘炎もひどくなるばかりです。
しかし、あまりイライラしないで、もうしばらく、このまま頑張ってみようと思ったのでした。
直母を目指した経緯を記した他の記事
その後も直母に向けた挑戦を続けた結果、2ヶ月で搾乳なしの「半ミ」にまでこぎつけました。
赤ちゃんが直母をできるようになると、飛躍的に母乳量が増え、8ヶ月目、会社に復帰するころには1回あたり130mlほど搾乳で得られるようになりました。
会社復帰後は搾乳を再開しました。
出産から2ヶ月間の授乳にまつわることをまとめた記事をご紹介します。
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