一級建築士の合格ノート

一級建築士の製図スピード対策・問題点の具体的な分析方法

一級建築士の合格ノート

作図のスピードアップに妙薬はあるか

資格学校では2時間半で作図を完成させて、残りを全てチェック時間に回すように言われました。最近の試験傾向として、補足をたくさん書き込む必要が出てきていたためです。

でも、平成27年の当初、私は作図に10時間ほどかかっていました。

平成28年になっても全てを書き終えるためには5時間以上要したため、試験時間内に課題を終えることはできませんでした。

こんな私の行ったスピード対策をまとめました。

製図試験の作図順序を頭に叩き込むことでスピードアップ

まず、作図手順が頭に入っていないから、スピードが上がらないのではないかと考え、手順やかけるべき時間をまとめてみました。

効果の程はわかりません。これをまとめた前後の課題で比較しても、あまりスピードが早まった形跡はありませんでした。

製図試験のエスキスの進め方を細かく分析する

なかなかスピードが上がらないことに危機感をつのらせていると、周囲で見ていた家族からの助言がありました。

スピードアップといえば、F1レースの取り組みが参考になるのではないか。
ドライバーはテスト走行の際、チームにマシンの良くない部分のフィードバックを行うことで少しずつ改善していく。
フィードバックの内容は多岐にわたり、しらみつぶしに対応していくことで、1分、1秒のタイムを稼ぎ出している。

製図試験対策でこれまでまとめてきたノートを活用した作図時間の分析

スピードを上げる為に、藁をも掴む気持ちで、F1レーサーになったつもりで(笑)作図練習とその分析を淡々と行っていくことにしました。

資格学校では、1/200の模範解答を1/400でノートに描き溜めたものを、さらに、1/200で作図する練習が奨励されていました。

私は、この練習がとても苦手でしたが、とにかくやってみることにしました。

一つの課題を何度も作図するのではなく、毎回課題を変えることで、どの課題にも共通して現れる問題点を洗い出し、解決策を探そうと考えました。

1/400を1/200で作図する際にかかった時間をアクションごとに分析する

作図でかかった時間は、製図用紙の端にこまめにメモすることにしました。

柱まで終わったら『柱○○分』、下書きが終わったら『したがき○○分』、壁や開口部が終わったら『かべ○○分』といった具合に殴り書きます。

壁の縦線と横線それぞれの時間も計測して、細かく分析できるよう試みました。

製図試験用のノートに時間がかかったアクションを分析するための表を作る

作図練習を行う度に、模範解答と自分の作図とを見比べて分析したことや、各作業に要した時間等を、表を作って書き込んでいきました。

一番上に課題名、一番左に6段階に分けた製図作業の各段階を書いています。縦一列で1つの課題の各作業の分析を行っています。

この表では、以下の3つを重点的に分析しました。

・1/400のエスキスの表現で工夫すべき箇所を見つける
・1/200の作図でミスした部分やその原因を探す
・時間のかかった手順について、個別に対策を考えるだけでなく、全体を俯瞰した対策も考える

最初の数課題は、いくら対策を考えてもかいもく見当がつかず、途方に暮れることが多かったのが、回数を重ねるにつれて問題点が少しずつ浮き上がってきました。

表による作図時間の分析においては作図練習を全部通しでやる必要がない

ちなみに、この表は、平日の夜に作図練習した課題をまとめていて、どれも最後の第6段階までやり遂げられてません

こんな中途半端な練習でも、表に整理していくと、有意義な分析ができました

この分析を1年目に行っていれば合格したのでしょうか。

Lucky
Lucky

少し悔やまれます。

作図の通し練習以外にも、補助線から柱まで、断面図だけ、といった形で、苦手な作業だけの練習も繰り返し、これも同じように表にまとめていきました。

ノートによる分析の結果、ミスしやすい箇所の時間ロスが明らかになった

この分析を通して、いくつかの問題点を認識することができましたので、対策を講じました。

私の製図試験の作図上の問題点とその対策例

たった数秒間なのに、正確に複数の部屋名を覚えていられないことが、仕上げ段階で時間を要する原因になっていると感じたので、作図手順を思い切って一部変えてみたり、

ミスの多かった最初の補助線引きを、道具の変更でシンプルな動作に変えて、ミスを減らしてみたりしました。

作図練習中に時間が短縮しなくても製図課題の作図時間は短縮していた

十数課題分の作図練習と分析を続けましたが、分析の表に書き込む時間はあまり短縮しませんでした。

焦る気持ちを抱えて臨んだ資格学校の最後から2番目の模試で、ようやく時間内に完成。

当時は何が起こったのかわかりませんでしたが、とにかく模試が終わった時にホッとしたことだけは覚えています。

作図スピードが上がるまで諦めずに作図練習を重ねることが大切

作図練習中に短縮しなかったのに、模試ではうまくいった理由としては、以下のことが考えられます。

・膨大な修正時間がかかる大きなミスは、練習によって着実に減少
しかし、課題ごとの比較を行うために、大きなミスを例外扱いして分析対象から外すことが多かったので、作図時間が短縮している実感が得られにくかったと考えられます。

・書き忘れのミスをカバーしていくと、一旦は作図時間が増加
個々の作業時間が短縮していても数値に表れにくかったのではないかと思います。

・模試ではエスキスで設計内容を詳しく記憶したまま作図
作図練習では1/400の図を頼りに1/200を作図するので、1/400と1/200の間を何度も行き来する必要があり時間がかかります。

・資格学校の教室は、家より集中できる
家では途中で電話がかかってきたり家族との会話が生じたりして作業が度々中断することもありました。

つまり、作図練習中、時間が短縮していかなくても、諦めず、練習を重ねることが大切だったということになります。

製図の勉強方法を記した他の記事

以上、いかがでしたでしょうか。

当ブログでは、スピード対策以外についても、以下のような構成で一級建築士の製図試験対策の記事を執筆しています。

製図はどうやって勉強するのか

見学のメリットはどこにあるのか

室内レイアウトを苦手にしないために

スピード対策は効率的に(今見ている記事です)

製図の作図手順を変更する

チェック項目を何度か唱えて覚える

道具は資格学校や先生の意見を鵜呑みにしない

1階の面積や各コーナーの面積を試算するには

面積調整で設計コンセプトも決まる

エスキスは1/700で考える

試験本番にトラブルがあってもあきらめない

これらの記事では、資格学校のエスキスの解説から大きく逸れること無く、なるべく普遍的なノウハウをわかりやすく説明しています。

1年目に合格できなかった時のくやしさを思い出して、情熱をもって、わかりやすくまとめたつもりです。

Lucky
Lucky

お時間のあるときに覗いていってください。

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