レイアウトは時間をかけない描き方を追究
製図の室内レイアウトの描き込みは、最初のころとても時間がかかりました。何か打開策はないものかと、レイアウトを研究するために、ノートにまとめてみました。
レイアウトをまとめた時に考えたことをご紹介します。
レイアウトをまとめて描き方を整理
平成28年の出題は、「子ども・子育て支援センター」。保育園やその他様々な用途の室を要求されます。
教科書に載っている様々な店舗、図書館、会議室・教室、飲食店、設備室など、ノートに描き方をまとめておき、すぐに見返せるようにしました。
受験までに正確なレイアウトを描き込めればよいと考え、8月頃まではノートにまとめたレイアウト一覧を見ながら、製図課題をこなしていきました。
9月に入ると、ノートを見ずとも時間内にレイアウトまで描き込めるようになりました。
レイアウトをノートにまとめるメリット
教科書にも同様のレイアウト例がまとめられているのですが、教科書は重くて資格学校に毎回持っていくのがためらわれました。
ノートであれば簡単に持ち歩くことができて、いつでも参照することができます。
メリットその1
ノートは軽いので、持ち歩きやすい
作図において必要な知識はたくさんありますが、本番ではすべて頭に入っていなければなりません。
しかし、上のイメージを見ていただくと分かる通り、教科書のレイアウト例は寸法が中途半端なので、覚えたり作図したりするには向きません。
事前に、グリッドに合わせて簡単に描くことができる違和感のないレイアウトを検討しておくことも重要です。
メリットその2
事前に短時間で描ける表現を決めて、まとめておくことができる
また、ノートにまとめる作業を通して、レイアウトを記憶に定着させることができます。
メリットその3
一度ノートにまとめると頭に残る
レイアウトの描き方で時短を追求
「グリッドに合わせて簡単に描くことができる違和感のないレイアウト」の例として本棚を見てみましょう。
上のイメージは教科書を描き写したものですが、一番左の図書館のレイアウトでは、柱間に美しく本棚が収まっています。これを本番に作図するには時間がかかります。
自分で作図する場合は、以下の要領で書くことにしました。
・グリッドに合わせて本棚を配置して柱はある程度無視する
・本棚は二列ずつ1cm間隔で1.5mm幅で描く
グリッド上に1cm間隔で線を引き、その線を挟むようにして目分量で1.5mm幅の線を2本描き入れます。こうすることで、棚の場所が自動的に決まるので、時短につながります。
レイアウトをノートにまとめていると、時短のアイデアがたくさんわいてきます。
どのような課題でも必ず必要となるレイアウトをまとめる
EV、トイレ、階段等、よく使うものはノートにまとめて頭に叩き込みました。
エレベーターは何人乗りか調べてメモしておきました。
部屋名を書くスペースについて
私はレイアウトも苦手でしたが、それ以上に部屋名を正確に書き込むことが大変苦手でした。
考えた末、1/200の下書きのときに、部屋名も書き込む手順にしたのですが、部屋のレイアウトが明確に思い浮かばなければ、部屋名をじゃまにならない場所に書き込めません。
必要な席数など条件を満たさなければ、あとで消しゴムを使うことになり、時間を消費してしまいます。
出入り口に家具が置かれることはまずないので、レイアウトのイメージがわかない時は出入り口付近に部屋名を書いておくことにしました。
苦手なジャンルをノートで解決
1年目の製図試験において、実務経験のない私は、図面上のスケール感を身につけられず、レイアウトに苦手意識を持ったまま試験が到来してしまいました。
2年目はノートにレイアウトをまとめることで、ストンと何かが腑に落ちたのでしょうか。
気がつけば、課題中の残り時間を使ってガリガリとレイアウトを描き込んでいる自分がいました。
レイアウトが得意な方はここまで詳細にノートにまとめる必要はないと思いますが、不得意な方はやってみて損はないと思います。
製図の勉強方法を記した他の記事
以上、いかがでしたでしょうか。
当ブログでは、レイアウト以外についても、以下のような構成で一級建築士の製図試験対策の記事を執筆しています。
製図はどうやって勉強するのか
見学のメリットはどこにあるのか
室内レイアウトを苦手にしないために(今見ている記事です)
スピード対策は効率的に
製図の作図手順を変更する
チェック項目を何度か唱えて覚える
道具は資格学校や先生の意見を鵜呑みにしない
1階の面積や各コーナーの面積を試算するには
面積調整で設計コンセプトも決まる
エスキスは1/700で考える
試験本番にトラブルがあってもあきらめない
これらの記事では、資格学校のエスキスの解説から大きく逸れること無く、なるべく普遍的なノウハウをわかりやすく説明しています。
1年目に合格できなかった時のくやしさを思い出して、情熱をもって、わかりやすくまとめたつもりです。
お時間のあるときに覗いていってください。
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