製図の道具対策は最後まで続く
平成27年から様々な道具を試し、製図板も平成28年の試験直前に買い換えました。試験は一瞬で終わりますが、最良のものを使いたいですね。
今回は私が使いやすかった道具と、資格学校で評判だった道具とをご紹介します。
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ムトーライナーボード A2平行定規(ベルト式)は確実に合格したいと思う人におすすめ
ムトーライナーボード UM-06N8平行定規(Amazon)
資格学校で販売される製図セットに含まれている平行定規のついた製図板は、高価な道具であり、ほとんどの方が買い換えずに本番でも使っていると思われます。
私もそのつもりで大事にしていましたが、2年目の本番直前に買い換えることになりました。
ワイヤー式のステッドラー製の平行定規
資格学校で平成27年に製図セットを購入した時の平行定規はステッドラー製でした。
1年目の製図試験が不合格となり、2年目も継続して使用しました。
しかし、2年目の後半になると、定規の傾きが手の力加減で変化して、作図中イライラすることが増えました。
ワイヤー式は細いワイヤーの張力で平行定規を制御するので少しズレやすい
出典:MUTOH公式HP
試しに、資格学校のクラスメイトの平行定規も強く押させてもらいました。すると、左右で2ミリから5ミリの差ができました。
もともと、定規を平行に動かす機構にワイヤー式を採用しているステッドラー製の平行定規は、力を左右均等に加えないと、定規が傾いてしまうようです。
私が製図に慣れてきて、勢いよく線を引くようになったので、定規を押さえる手に力が入ってズレ幅が大きくなったのでしょう。
ズレた線を引いてしまうと修正に時間を要するので致命的です。
ベルト式は面で平行定規を制御するのでズレにくい
出典:MUTOH公式HP(ベルトのイメージ)
会社の一級建築士の先輩に相談したところ、昔ながらのムトーを勧められました。
ステッドラーより高価で少し重たい製品でしたが、まずは自宅用に購入しました。
定規を平行に動かす機構にベルト式を採用していて、線ではなく面を摩擦力で制御できるため、安定感は抜群。動かしたときの音も静かです。
ムトーUM-06N8は平行定規のケースのデザインも良い
出典:MUTOH公式HP(ベルト式を採用したUM-06N8平行定規のケースは左側)
ベルト式を採用したムトーの平行定規は本体もそうですが、ケースも黒く光沢があってカッコ良く、使いやすいので、練習中のモチベーションが上がりました。
ケースが頑丈なので、一緒に入れている製図道具が外からの力で破損したり傷いたりする心配がありませんし、製図用紙だけを入れておいてもシワになりません。
また、ケースは不要なプリントや定規を入れたまま立てかけられるので、模擬試験においても身の回りがすっきりして重宝しました。
本番もムトー製の平行定規を使用
そんなわけで、結局本番もムトー製の平行定規を使用することになりました。
試験会場でも、この黒いムトーを持っている人はちらほら見かけられました。
ちなみに、私の資格学校のクラスでは、この問題に気がついて平行定規を買い替えた人が私を含めて3人いましたが、全員合格していました。
ムトーの回し者ではありません。
シンプルなペン立ては案外使いやすい
製図中に使うペンケースを探す間、私は家にあったデスコのペンシルカップを仮に使いました。カラーバリエーションがたくさんあります。
人気のペンケースは多機能なポケット付き
資格学校や試験会場では、ペン立ては、多機能なポケットのついた、自立式のペンケース兼ペン立てや、仕切りのたくさんついたプラスチックのケースなどが主流でした。
色違いの同じペンケースを持っている人がクラス内にたくさんいました。
シンプルで重たいペンケースは本番の試験会場でも安定感抜群
しかし、どっしりとしたシンプルなペン立てもなかなか捨てがたいメリットがあります。
試験会場の机は狭く、色々なものを置くことができません。
デスコのペン立てであれば、ペンとシャープペンとマーカー、スケールとブラシを詰め込むと、いい具合にそれぞれがまっすぐ立ってくれて、取り出しやすく、どこに何があるかよく見えます。場所も取りません。
結局、1回目、2回目の製図試験本番でもこのペン立てを使用しました。
資格学校で評判だった道具
資格学校では、クラスメイトと道具についての議論もたくさん行いました。
やっぱりテンプレートはこれだよね、意外にこれ使いやすいよ、といった情報が飛び交いました。
テンプレート付き三角定規45°
誰もが使用する定番です。柱に使えるのはもちろん、保育園の避難用滑り台のような複雑な作図にも使用しました。
丸や四角のテンプレートはこれだけで十分です(念のため他のテンプレートも会場には持ち込みました)。
三角定規 45cm×3mm
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大きい三角定規は、最初に縦の補助線を引くとき、一度で一本の線を引けるので重宝します。
平行定規カバーに入れて持ち歩く分には邪魔になりませんし、買っておいて損はない物だと思います。
9月に入って、クラスメイトの勧めるこの定規を導入しました。製図中、補助線を引く作業が終わったら、平行定規の下にしまっておきます。
それまで補助線の位置間違えが相次いでいたのですが、この定規で動作がシンプルになり、ミスが劇的に少なくなりました。
テンプレートスタンド
これも定番です。本番の机は狭いので、コンパクトに定規やテンプレートが整頓できるスタンドは重宝します。
消しゴムホルダーとストラップ
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8月に入って、ステッドラーの消しゴムホルダーと、リール付きの名札用ストラップをクラスメイトからプレゼントされました。
ホルダーにはあらかじめ消しゴムが入っています。
消し心地もステッドラー製ですから当然しっかりしていました。
首からかけておけば、消しゴムをすぐに掴むことができますし、転がっていく心配がありません。
案外、こういった地道な工夫が時短につながります。
資格学校の先生の意見を鵜呑みにしないことが肝心
平成27年の1回目の試験対策中に翻弄されたのがシャープペンの芯のサイズでした。
シャープペンは何ミリが良いのか
資格学校で平成27年に製図セットを購入した時のシャープペンのサイズは0.5でした。
女性で筆圧が小さい私の作図をみた資格学校の先生から0.7を勧められ、藁をも掴む気持ちだった私は、早い段階で0.5から0.7に変更してしまいました。
ステッドラー シャーペン 製図用 0.7mm(Amazon)
しかし、開口部の3本線が細く仕上がらない、シャープな線が描けない、という感じで細かい表現がかえって難しくなりました。
シャープペンは0.5で十分太い線が描ける
適宜シャープペンを0.5に持ち替えて描き込むこともできたのかもしれません。
しかし、壁を作図している最中に開口部の表現だけ持ち替える、なんて面倒なことをしていたらミスを誘発してしまいます。
結局私は0.5に再度変更し、平成28年の製図試験は0.5のみで作図して合格しました。
ステッドラー シャーペン 製図用 0.5mm(Amazon)
作図の印象を改善していく作業は9月に入ってからがおすすめ
合格してみて感じるのは、作図の印象をあれこれ悩むのは9月に入ってからで間に合うということです。
まずは、エスキスを正しく行うこと、次に、時間内に作図することに専念するべきなのです。
自信を持って勢いよく壁の線をひけばおのずと筆圧は高まり、メリハリのある作品になります。
道具選びは自己責任
私を翻弄した先生に悪気はなかったと思うのですが、先生との相性や道具との相性は、個々人でまったく違います。
また、資格学校に1年間で100万円単位のお金を支払う上、年に一度の試験のために自分自身の自由時間を最大限投入するにもかかわらず、道具が原因で不合格となっては本末転倒です。
時給換算すれば、さまざまな道具を試すことのほうがかならず安上がりとなります。
しっくりくる道具に巡り合うためには、先生や周りの方の意見を鵜呑みにするのではなく、自分でいろいろと最後まで粘り強く試行錯誤していくのが一番の近道です。
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以上、いかがでしたでしょうか。
当ブログでは、道具対策以外についても、以下のような構成で一級建築士の製図試験対策の記事を執筆しています。
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試験本番にトラブルがあってもあきらめない
これらの記事では、資格学校のエスキスの解説から大きく逸れること無く、なるべく普遍的なノウハウをわかりやすく説明しています。
1年目に合格できなかった時のくやしさを思い出して、情熱をもって、わかりやすくまとめたつもりです。
お時間のあるときに覗いていってください。
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