絵本収集には計画性が求められる
生まれてきた子供に絵本をたくさん読み聞かせるために、イチから絵本を収集するなら、
・ どこにどんな本棚を置くのか
・ どの絵本をどこから購入するか
・ 何冊購入するのか
など、あらかじめイメージしてから取り組むことをおすすめします。
私は行き当たりばったりで、「ああ、この絵本はここで買わなければよかった」の連続でした。
今回は、読み聞かせ1日10冊を3年間継続した結果たどり着いた、私なりの選定基準や収集方法をご紹介します。
※当ブログでは楽天アフィリエイトのリンク画像を一部で使用しています。
本棚を選ぶ上で考えておくべきこと
絵本の多読をするのであれば、絵本をたくさん購入して手元においておく必要があります。
・ 本棚をどこに置くのか
・ どのような本棚を置くのか
などをあらかじめ考えてベストな本棚を選びましょう。
本棚が決まったら、ソファーやテレビなどの家具配置を変更して、部屋の動線を見直します。
本棚は子供が絵本を手に取りやすい場所に置く
3歳までの3年間という短い時間に、絵本による幼児教育を効果的に行うためには、絵本を置いておく場所がとても重要です。
絵本を置く本棚は、
・ 子供の目にとまりやすい場所
・ 手の届きやすい場所
以上を意識して置く場所を決めると、子供が絵本により早く慣れ親しんでくれるようになります。
本棚は子供が絵本を読みやすい場所に置く
子供はお気に入りの絵本の表紙をすぐに覚えますし、1歳にもなれば自分で絵本を選んでひっぱり出し、ページを開いて眺めたり、「読んで」と持ってくるようになります。
・ 出したらその場で落ち着いて読める場所
に本棚を置くことも重要です。
本棚はなるべく廊下など人の往来あるところは避けて、リビングなどに設置しましょう。
様々な大きさや形に対応した本棚を選ぶ
絵本は、同じ出版社から出ているものであっても、様々なサイズがあります。
また、子供が大きくなると図鑑を追加で購入する可能性があります。
✔ 高さ20cm程度の絵本
・ うさこちゃんの絵本
・ ノンタンあそぼうよ
・ こどものとも絵本
など
1才からのうさこちゃんの絵本セット1(全4冊)(Amazon)
✔ 高さ30cm程度の絵本
・ エリックカールの絵本
・ いもとようこの世界の名作絵本
・ 各種図鑑
など
くまさん くまさん なに みてるの?(エリック・カールの絵本)(Amazon)
✔ 高さ40cm弱の絵本
・ 各種地図
など
メジャーな絵本・図鑑を中心に絵本を300冊収集した結果、30cm、40cmといった高さのあるものは全体の3割程度となりました。
本棚の1段の高さは、絵本の高さギリギリにするのではなく、子供でも取り出しやすいように余裕をもたせましょう。
本棚の棚板は固定されたものを選ぶ
棚板の高さを自由に調整できる本棚であれば、絵本を購入するつど絵本の高さにあわせて本棚をカスタマイズすることができます。
しかし、兄弟姉妹で力の強い上の子がふざけて棚板がはずれ、下の子が下敷きになるといった状況は避けたいところです。
本棚はネジで留め付けるタイプのものがおすすめです。
私が選んだ本棚は2種類のカラーボックス
以上のことを考えた私は、絵本用の本棚として、以下の2つのカラーボックスを選びました。
これらの規格のカラーボックスは複数のメーカーから販売されています。
子供が手を伸ばせば届く高さであり、上下2段の部分には30cm、40cmの高さの絵本を置くことができます。
我が家では、これら2つで絵本300冊程度を収納しています。
カラーボックスなら、色や柄を他の家具に合わせることができます。
本棚は地震への備えを
地震で命を失う原因の多くは、本棚などの下敷きになることによる圧死・窒息死です。
幼児はもちろんですが大人も、大きな揺れが来ると素早く動くことができず、危険な場所から離れたり子供を守ったりすることができません。
背の高い本棚を使う場合は重たいものを上の方に置かないようにして、突っ張り棒、壁への固定、転倒防止シートなどを必ず施しておきましょう。
参考にすべき絵本のリスト・ウェブサイト
絵本を収集し始めた私は、まず東京駅の丸善にベビーカーを押して行ってみました。
しかし、大量の絵本を目の当たりにして途方に暮れました。
絵本収集にあたっては、あらかじめ、いくつかの著名な絵本リストやウェブサイト等を見て目星をつけておくことをおすすめします。
最初にチェックするべきリストはくもんの推薦図書一覧表
何といっても、はじめはくもんの推薦図書一覧表がおすすめです。
さまざまなジャンルから、人気の高い本や、古今東西の名著を中心に、読みやすさに応じて13段階に分けられ、各段階50冊ずつ、合計650冊を掲載しています。
シリーズものは代表的な1冊のみ掲載されているので、実際に収集するとそれ以上になります。
この一覧表は毎年更新されるよ。
くもんの推薦図書一覧表の難易度はあくまで目安
くもんでは13段階それぞれに年齢を定めているわけではありませんが、目安をご紹介すると、以下のようになります。
✔ くもんのランクの年齢の目安
5A:0〜3歳
4A:年少(4歳)
3A:年中(5歳)
2A:年長(6歳)
A〜C:小学校低学年(7〜9歳)
D〜F:小学校高学年(10〜12歳)
G〜I:中学校以上(13歳〜15歳)
ただし、絵本の多読を行うと、この目安よりも前倒しで、難易度の高い絵本を子供が求めるようになります。
我が家の場合、1歳4ヶ月ごろになってから本格的に絵本の読み聞かせをはじめました。
しかし、2歳0ヶ月の時点で、3Aの一部は無理なく聴いていてくれていました。
Aでさえも、「おおきなかぶ」等わかりやすいものは、楽しんで聴いてくれました。
0歳からはじめた子供は、もっと早くに難易度の高い絵本を読めるかも。
最初は5A〜3Aの絵本から集めてみて、様子を見てみたらよいと思います。
全国学校図書館協議会から出されている絵本の推薦図書のリスト
公益社団法人全国学校図書館協議会の常設委員会に「絵本委員会」というものがあります。
保育園、幼稚園、小・中・高等学校、大学の関係者・絵本研究者など約10名前後が委員となり、新刊をメインに多くの絵本が研究されてきました。
2019年4月以降、1年間に出版された絵本の中から優れた絵本を顕彰する「日本絵本賞」の成果をふまえた絵本リスト「えほん50」が選定されています。
選定された絵本の受賞歴や、ページ数、大きさなどもリストに記載され、絵本選びにおいて参考になります。
図書館や書店で様々な絵本に触れてみる
子供の絵本に対する興味を知るには、図書館や試し読みできる書店でたくさんの絵本を読み聞かせてみることが近道かもしれません。
たとえばストーリー性のない絵本は大人からするとつまらないと判断してしまいがちですが、試しに読み聞かせてみると、子供が良い反応を示してくれる場合があります。
絵本のポータルサイトEhonNavi
絵本ナビは、網羅的に絵本を紹介しているサイトです。
様々なジャンルの絵本を紹介していて、サイト内で購入することも可能です。
私はもっぱら、絵本リストや図書館などで目星をつけた絵本のタイトルを検索して、読者のレビューを確認するために利用しています。
何歳のお子さんに読んだ?のチャートで、難易度も一目瞭然。
私の幼い頃の愛読書もちゃんと載っていて、35人の評価平均は5点中4.64、最も読まれた年齢は4歳〜5歳とありました。
絵本をどこから入手するのか
絵本はフルカラーで丈夫な紙に印刷され、多くはハードカバーで装丁されており、安くはありません。
絵本の多読はそれなりの投資となる分、賢く集めたいものです。
個々の価値観によって、絵本の入手先は違ってくると思いますが、ご参考までに、私の判断基準を以下にまとめます。
新刊本でなくても優れた絵本がたくさんある
絵本は大人向け書籍と違ってコンテンツが古くなりにくいので、20年前、30年前の絵本でも問題なく読み聞かせることができます。
中古で出回る絵本はたくさんあり、読み聞かせに困らない品質のものも容易に入手できます。
読み聞かせをはじめると、最初は意気込んで新品の絵本を子供に買い与えたくなるのですが、中古も捨てたものではありません。
メルカリなどのフリマアプリで絵本を購入する
多くの絵本をメルカリで購入してみた結果、以下の条件であれば、読み聞かせに耐える品質の絵本をスムーズに探索できるように感じました。
✔ 中古を購入する条件の例
・ 価格帯を決めておく
450円から500円で出品されているものをターゲットとし、出回りにくいものは元値の半額程度まで許容する。
・ 色あせは許容
本の中まで色あせないので、読み聞かせに支障ない。
・ 折れのあるものはなるべく回避
折れの箇所とお値段のバランスで判断(題名部分なら気にならないことも)。
・ 破れたもの・落書きは回避
子供の気が散るので買わない。
・ カバーの有無は気にしない
カバーの有無を明示していない方が多く、なくても支障ない。
売り手の方々の多くは、大切に扱ってきた絵本を次の利用者に引き継ぐことを第一に考えており、送料に若干の手数料を上乗せした価格で販売されているように感じます。
ダメージが大きい絵本は送料に近い価格設定にされていらっしゃる方が多く見受けられます。
つまり、絵本の元々の価格によって、探索条件を大きく変える必要はありません。
判断することを絞ると楽です。
中古の絵本を読み聞かせに使うメリット
中古だと、著者に印税が入らないので可愛そう、という意見がありますが、私はとりあえず300冊、中古を中心に集めました。
それでも、10万円以上の投資となりました。新品で全て購入した場合、30万円以上となります。
中古で絵本を揃えた場合、
✔ 中古絵本のメリット
・ コスト負担の大幅な軽減
・ 損傷を気にせず積極的に活用できる
・ 循環型社会へのシフトの一助となる
といったメリットがあるように思います。
中古の絵本を読み聞かせに使うデメリット
一方で、デメリットも挙げておきたいと思います。
長らく保管されていた絵本たちが中古として出回るので、各家庭特有のニオイが気になることがあります。
また、育児で忙しい中、品質をチェックしたり、売り手とのきちんとしたコミュニケーションをとったりする必要があるため、かえって「時間」というコストがかかります。
少なくともしかけ絵本は新品を買う
しかけ絵本は、絵本のおすすめリストにも多数掲載されています。
子供が積極的に読み聞かせに関与できて、楽しめるので、重要なジャンルだと感じています。
私は当初、しかけ絵本についても中古で購入していましたが、しかけ部分が損傷しているものが多く見られました。
また、損傷がなくても何度も折り曲げられて強度がなくなっているものが見受けられました。
のりもの 改訂版 (はっけんずかん) 学研プラス(Amazon)
出会いを大切にする
本屋に立ち寄ると、店員さんのおすすめの絵本は平積みになっています。
素敵な絵本だな、と思ったら、ぺらぺらと中をめくってみましょう。
子供に読ませてみたいと少しでも感じたら、購入します。
絵本は何冊必要なのか
子供は好奇心の塊です。
難しい絵本でも、本棚に置いてあれば果敢に挑戦します。
先入観で、自分の子が、今の年齢で、こんなに難しい絵本を読むわけがない、という判断は禁物です。
子供が興味をもつ絵本は難易度とは関係ない
1歳4ヶ月から本格的な読み聞かせを始め、子供は3歳になりました。
当初300冊(現在は400冊)の絵本をそろえた我が家において、子供は縦横無尽に読んでほしい絵本を選び、親のもとに持ってきます。
2歳4ヶ月までの1年間で、300冊のうち、読んだ回数の内訳は以下のようになりました。
✔ 1年間で読んだ回数別冊数
・ 未読の絵本が約50冊
・ 1〜5回読んだ絵本が約110冊
・ 6〜10回の絵本が約50冊
・ 11〜20回の絵本が約90冊
3歳までには家にある全ての絵本を複数回読むことになる
残された50冊も、いつのまにか10回、20回と回数を重ね、3歳になった今、当初の300冊の中で未読の絵本はなくなりました。
長く目にとまる絵本はいずれ読み聞かせの機会が巡ってくる可能性があることを考えると、300冊は当初から確保しておきたい最低限の数字だと私は感じましたが、正解はありません。
TV番組『世界一受けたい授業』に講師で出演しておなじみの齋藤孝さんは著書で、「最低100冊、200冊が理想」と書いています。
1日15分の読み聞かせが本当に頭のいい子を育てる(Amazon)
絵本の冊数は収納場所や予算との兼ね合いでおのずと決まる
絵本収集を始めて、多くの魅力的な作品に触れると、目が肥えてきます。
あれもこれもと入手したくなるでしょう。
結局最後は、本棚のスペースと予算とのせめぎあいです。
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