絵本で幼児教育

昔話を理解して楽しもう!小澤俊夫さん監修の絵本がオススメ☆

絵本で幼児教育

昔話は読み聞かせに向いている

 

子供が1歳4ヶ月の頃から本格的に絵本の読み聞かせをスタートし、1日10冊程度をこなしています。所有する絵本は300冊を超えました(笑)。

子供の成長は早いもので、1年も経つと、ストーリー性のある絵本を集中して聴けるようになりました。満を持して日本の昔話に挑戦することにしましたが、昔話絵本は一つの題目でも複数の出版社から作品が出ていて、選ぶのに苦労しました。

今回は、読み聞かせ中に出会った小澤俊夫さんの昔話絵本や関連書籍、昔話の特徴などをご紹介します。

小澤俊夫さん監修「子どもと読む日本のむかしばなし」

我が家では、様々な出版社の昔話絵本を取り寄せて読み聞かせていますが、中でも優れていると感じたのは小澤さん監修の作品でした。全部で30冊出版されています。

子どもとよむ日本の昔ばなし 全12巻 第1期(Amazon)

1 かさじぞう
2 かにかにではれ
3 さるかにかっせん
4 こぶとりじい
5 はなさかじい
6 ねずみのすもう
 7  へっこきよめさん
 8  いっすんぼうし
 9  おむすびまてまて
10 えんまさまのしっぱい
11 したきりすずめ
12 さんまいのおふだ

子どもと読む日本の昔ばなし 全12巻 第2期(Amazon)

13 ももたろう
14 しりなりべら
15 うりひめこ
16 ぶんぶくちゃがま
17 たにしむすこ
18 ねずみのむこさがし
19 ぴぴんぴよどり
20 わらしべ三本
21 がまとうさぎのもちあらそい
22 おやゆびたろう
23 はなたかおうぎ
24 うらしまたろう

子どもと読む日本のむかしばなし(全6巻) 第3期(Amazon)

25 かにじょうまんの星
26 かっぱのいちもんせん
27 天女のはごろも
28 かめとからすとはちのおんがえし
29 やまなしとり
30 へびの子しどこ

3歳までの読み聞かせに耐える

 

認知能力の発達には、「繰り返し」が重要です。何度も繰り返し読み聞かせることに耐える、適度な長さや難易度、味わい深い面白さのある絵本は重宝します。

しかし、各種のリストで推薦されている昔話絵本は、3歳頃までの幼児への読み聞かせを前提としているわけではなく、ボリュームがあって、少し古い言葉が使われています。2歳の我が子には、昔話の面白さがスムーズに伝わりにくい印象がありました。

一方、小澤さん監修の昔話絵本は、平易な現代語を使ってシンプルに再話されています。古い表現は「じさ」「ばさ」といった主人公の呼び方や、後ほどご紹介する小澤さんの著書にも出てくる「結末句」という結びの言葉に残されていますが、読み聞かせの妨げにはなりません。子供も楽しく聴いてくれています。

お話の追加や省略がない

 

昔話を絵本という作品に仕上げるために、再話者によって様々な変更が加えられます。例えば、鬼退治や敵討ちを正当化するために、主人公たちが被った仕打ちの細かい描写が追加されることがあります。

また、昔話には、3回同じような場面・動作が繰り返されるものが多くありますが、これを安易に省略している絵本が散見されます。

小澤さん監修の絵本は、昔話の本質を変えずに再話することを徹底されているので、ストーリーに余計な追加や省略がなく、安心して読み聞かせできます。

「子どもと読む日本のむかしばなし」おすすめランキング

小澤さんの昔話絵本は、いずれもシンプルで味わい深く、楽しい作品ですが、なかでも特に印象深いおすすめの絵本をご紹介します。

1位 へっこきよめさん

 

へっこきよめさん (子どもとよむ日本の昔ばなし)

美人で働き者のお嫁さんは、お婆さんが裏の畑まですっ飛ぶ程の威力のある屁をして、里帰りさせられることに。

子供にとっては、ぶーっと迫力ある音で鳴る屁をテーマにした昔話はとても楽しく、昔話を読み聞かせ始めるにあたっては、もってこいの作品です。

2位 こぶとりじい

 

こぶとりじい (子どもとよむ日本の昔ばなし)

踊りの好きなお爺さんは、魔物の宴会に怖がりもせず飛び込んでいきます。踊る時の歌が素敵。

3位 へびの子しどこ

 

へびの子しどこ (子どもとよむ日本の昔ばなし 30)

お爺さん、お婆さんの可愛がっていた蛇が成長し過ぎて、近隣住民から怖がられ、村から追い出さざるを得なくなります。

大きな白い蛇がとても可愛らしく描かれ、お別れの時は聴いている子供も「やだよー」と悲しがります。

4位 やまなしとり

 

やまなしとり (子どもとよむ日本の昔ばなし)

病気のお婆さんにやまなしを食べさせるべく、山へ取りに行った兄弟が次々に化け物に飲み込まれます。兄弟3人ともに、戻れと言われても戻らない強情っぷりが本書の特徴。

切り絵による美しい挿絵が目を引きます。途中まで、化物の全容が分からず、ドキドキ。

5位 しりなりべら

 

しりなりべら (子どもとよむ日本の昔ばなし)

神様に不思議なへらをもらい、うまく使いこなして長者の娘の婿になる青年のお話。へらによって鳴ってしまったお尻の音が素敵。

6位 かにじょうまんの星

 

かにじょうまんの星 (子どもとよむ日本の昔ばなし)

沖縄のお話。貧乏に甘んじることなく、お金が貯まる方法を探しに旅に出た老夫婦は、神様に出会います。後半に出てくるかにじょうまんは、成長して好青年に。

7位 えんまさまのしっぱい

 

えんまさまのしっぱい (子どもとよむ日本の昔ばなし)

悪者3人が、個々の得意分野を生かしてえんまさまを出し抜き、難局を乗り越えていくサクセスストーリー。

昔話の特徴を知った上で読み聞かせよう!

昔話の特徴を知ることで、大人達も昔話をより一層楽しむことができると思います。少しだけ、昔話の特徴を解説します。

昔話は読み聞かせに最適な物語

 

昔話は、全国各地の囲炉裏端や布団の中で、話されてきました。

祖父母等の話し手が面白いと感じて何度も話した物語、子供・孫といった聞き手が何度もリクエストして聞いたお話だけが、聞き手の記憶に残ります。

こうして代々語り継がれてきた昔話は、基本的にハズレが無く面白いお話であることが特徴です。

昔話は、語り手によって、長々とした細かい描写が削ぎ落とされ、物語に必要不可欠な要素が加えられてきました。分かりやすい話の順序や表現が追求されてきたため、耳で聞くだけでも物語が簡単に思い描けるのも大きな特徴です。

まさに、読み聞かせに最適な物語と言えます。

昔話を現代に蘇らせる「再話」

 

各地域で昔の言葉・方言・なまりを含んだ昔話が口頭伝承されてきたものを、絵本に書き起こす場合には、「再話」を行うことになります。再話とは、

昔話・伝説などを、言い伝えられたままではなく、現代的な表現の話に作り上げること。また、その話。(広辞苑より)

各地域・各家庭で昔話の伝承内容は異なります。再話者は、その一つを選んだり、複数を融合させたりしながら再話するので、同じタイトルであっても、絵本によってストーリーが大きく違うことがよくあります。

口頭伝承の内容をどの程度そのまま残すのか、ストーリーのどの部分を省略したり説明を追加したりするのか、再話者の腕が試されます。

日本昔話のパターンについて

 

日本の昔話には、いくつか有名なパターンがありますが、その他にも日本の多様な価値観を反映したお話がたくさんあります。

  • 知恵や度胸で問題を解決して、身の安全や幸せを得る(桃太郎・三枚のお札・へっこき嫁さんなど)
  • 動物、困っている恵まれない者、死者等への親切により、身の安全や幸せを得る(笠地蔵・わらしべ長者・鼠の相撲など)
  • 精霊や天狗等から特権や便利な道具を得た後、約束を破ったり度を超えた使い方をして元の状態以下に陥る(浦島太郎・鶴の恩返し・鼻高扇など)
  • 人まねをして不幸になったり死んだりする(花咲爺さん・瘤爺さん・舌切雀など)
  • 知恵を絞って敵討ちをする(猿蟹合戦・かちかち山など)

昔話は、主に高齢者が子供たちに話してきたためか、主人公におじいさん・おばあさんが多く登場します。

日本と世界の昔話には共通点がたくさん

こんにちは、昔話です

 

小澤俊夫さんは筑波大学名誉教授で世界中の昔話研究の第一人者です。昔話を読み聞かせるにあたって、大人たちが参考にできる著書を、たくさん執筆されています。

こんにちは、昔話です (小澤俊夫の昔話講座)(Amazon)

この本は、初心者向けです。久しぶりに面白いものを読んだな、という満足感でいっぱいになる本でした。前半の「講演録」の部分が特におすすめです。

日本と世界の昔話の特徴

 

小澤さんによると、世界中の昔話には共通の特徴があるのだそうです(もちろん、日本と欧州等とでは昔話に大きな違いもあるのですが、詳細は本書を読んでみてください)。

昔話というのは、耳で聞かれてきた文芸ですから、特徴は、簡単で明瞭、ということです。

複雑で詳細な昔話の書籍が散見されますが、本来の口頭伝承の昔話とは別物なんですね。

「昔むかし、あるところに」って始めて、最後に「どっぺんぱらりのぷっ」なんていって終わるわけです。つまり、うその話を発端句と結末句で囲むわけです。

おとぎ話を始めたり終わらせたりするには、お決まり文句が欠かせませんよね。

昔話は主人公やその敵対者を孤立的に語るといいます。(略)子どもがお話を聞いて、頭の中で(略)姿が描けるためには、(略)ひとりじゃなきゃだめです。(略)つまり、子どもがちゃんと想像できるように語ってやる細かい工夫があるんです。

確かに、群集劇を耳で聞いて、頭の中で再現するのは難しい。一対一のやりとりが中心になるのはうなずけます。

昔話は三回のくり返しをほとんど同じ言葉で語るといいます。(略)白雪姫は三回殺されています。(略)シンデレラがガラスの靴を置いてきたのは三回目の舞踏会の帰りだったということはご存知ですか?

シンデレラに関して、小澤さんの持論が展開されますが、とても興味深い内容でした。

(日本の)昔話は、教訓的とか、勧善懲悪と思われがちです。でも本当は、そういう話はごく一部であって、もっと広い、さまざまな価値観をもった昔話がたくさんあります。

日本の昔話は全部で900〜1000種類あるそうです!このうち、花咲かじいさんのような人まねを戒める話は13種類のみ。明治時代に教訓的な話が盛んに取り上げられたので、そのような昔話ばかり私達は目にすることになったようです。

昔話を読み聞かせるメリット

昔話は、前述の通り、基本的にシンプルで面白いお話ですから、絵本の読み聞かせを定着させるツールとして有用です。また、昔話は、人生を俯瞰して見る機会を与えてくれます。昔話を読み聞かせながら、社会システムについて説明するきっかけが生まれます。

お金・大判小判って何?

 

お金の電子化によって、売買の仕組みが見えづらくなった昨今。昔話に出てくるお金のやり取り、大判小判を得て嬉しそうにしている登場人物のシーンは、貴重な説明の場となります。

結婚って何?

 

昔話では、最後に主人公が結婚することが多々あります。結婚指輪をもらうことが結婚だと認識していた子供に、結婚の概念について説明するきっかけになりました。

死って何?

 

昔話では、家族や動物が殺されたり、亡くなったりします。身近な死を学ぶきっかけになります。また、生き物は命を頂いて生きていることを知る機会にもなります。

さいごに

小澤さんも著書の中で仰っていますが、昔話はリアルに語られないので、食べらたり、殺されたりする内容であっても、避けるべき恐ろしい物語とはなりません。昔話は、長い歴史を見ても、害のない存在であることが立証されている物語です。

子供にたくさん昔話を読み聞かせてあげたいですね。

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