私の考えた着物と袴の作り方
赤ちゃんが着るべき着物と袴の作り方を考えました。
赤ちゃんのお世話をしながらでも、なるべくミシンでシンプルに縫えるようにしています。
※材料などの詳細を知りたい場合はAmazonや楽天のリンクをクリックしてください。ご質問あれば、コメントにてお願いします。
赤ちゃん用の着物の設計図と作業手順
まずは着物の作り方を解説します。
赤ちゃん用の着物のデザインコンセプト
夏に生まれた赤ちゃんが、年末年始と初節句(生後4〜6ヶ月)で着るためのサイズ感で設計しました。※生後6ヶ月の写真はこの記事の後半でご紹介しています。
私の子供の場合、1歳ちょうどでもなんとか問題なく着られました。
袴をはかせることを前提に、身丈は短くしています。
図中の表記について
図中の赤っぽい模様がおもての生地(私はちりめんで作ったため、以下「ちりめん」と記載)の表側、ピンクはちりめんの裏側、黄色の模様は裏地(以下「ガーゼ」と記載)の表側を表現しています。
黒い破線はミシンや手縫いで平縫いする箇所、黒いジグザグはミシンでジグザグ縫いまたは手縫いでコの字綴じする箇所を表現しています。
赤ちゃん用の着物のみごろとそでのパーツを作る
みごろの上部は、①で裏返したまま開けっ放しにして、⑦のあたりで各パーツをコの字綴じするときに、ついでに閉じてしまいます。
方向性のある柄を選ぶと袖の前後どちらかが逆さまになるので、袖とみごろそれぞれの左右を上下逆方向にして、着物を見た人にランダムな印象を与えるようにします。
振り袖の曲線はフリーハンドで大丈夫ですが、左右対称となるようにします。
赤ちゃん用の着物のパーツをつなげて、えりを作る
脇は、赤ちゃんの足がバタバタ動くことを想定して、一番下まで縫わないことにしました。
赤ちゃんの首は大人のようにすらりと長いものではないので、バランスを考えて、えりを細めにデザインしています。
女性の着物らしさを出すなら、えりの幅を太くしてもよいと思います。
赤ちゃん用の着物の仕上げ
パーツを組み立てた後に、えりをキレイにつけられるかが勝負です。
私の場合は、袴でえりの端部が隠れるので、左右対称に関してはこだわらず、首周りが美しくなるように神経を集中して、端から一気に縫い上げました。
着物というのは、反物を直線的に縫って仕上げる服です。
ミシンを使う段階からは、直線的に縫う作業が多く、布のカットと比べるとスムーズに作業が進むと思います。
赤ちゃん用の袴の設計図と作業手順
次に、袴の作り方を解説します。
赤ちゃん用の袴のデザインコンセプト
赤ちゃんの袴は、何度も着せるたぐいの服ではありません。
少し着脱が面倒かもしれませんが、ロンパースのように前で開閉するのではなく、足を通して履くタイプにしました。
大人(ヒップ90cm)のショートパンツを作る要領で途中まで作り、ヒダを寄せます。ヒダを美しく見せるために、ヒダのある部分にはゴムを通さないデザインとしました。
図中の表記について
波の柄が生地の表、水色が生地の裏です。
一点鎖線はカットする部分、破線は縫うべき場所を表現しています。
袴の生地をカットして縫い合わせる
大人のサイズのショートパンツをまず作ってから、袴のプリーツを寄せていくことで、袴の形に仕上げていきます。
赤ちゃん用の袴の仕上げ
赤い線で表現しているゴムは、ウェストの折返し部分に袴の内側でとおしてください。
本来の袴であれば、前後のヒダの上についている帯で胴回りを一周させ、前にきた帯をリボン結びします。
私の場合はヒダの折返した部分を長方形の布で隠して、リボンを留め付けました。
プリーツ部分はアイロンをあてて直線的なフォルムをつくります。
しっかりした作りになるので、袴の裏地は不要
私は、布をカットしたら、図で記載した箇所以外も全部、周辺をジグザグ縫いしました。着物の生地は端部の強度が出て加工しやすくなります。
裏地を付けなくとも、周囲のジグザグ縫いで耐久性はアップします。
プリーツの裏側を縫うので、赤ちゃんが動き回ってもシャキッとしていてくれます。
袴のウエストに入れるゴムについて
ゴムは二箇所、ウエストの内側で通します。
ゴムの輪っかの内側の縫うべき箇所を、イラストの中で●➖➖➖➖●と表現していますが、●のところにゴムの力が集中するので、縫う時に補強しておいてください。
●のあいだの➖➖➖➖は、ゴムの重なりを防いでウエスト部分を平らに仕上げる工夫なので、省いても大丈夫です。
袴のウエスト部分の処理
写真は袴のウエストを上から見たところです。写真の上が後、下が前です。
四角い布(15cm×4cm)の周囲を5mmほど折って周囲を縫ったものを前のヒダの上にとめつけました。うしろは省略しています。
ちりめん、ガーゼ、ブロード生地の扱いについて
私は生地選びについては色々と苦労しました。
ちりめんのメリットや扱い方の注意点
私の場合、着物の柔らかい感じとシボの光沢とを求めて、ちりめんを材料に選びました。
ちりめんや和柄のコットンといえば、布がたりさんの生地。かわいらしい柄が揃っています。
いろんな作品をつくる際に重宝しています。
ちりめんの着物はシワがつきにくいので、加工には時間がかかりますが、保管は楽です。
ちりめん等のやわらかい生地を扱う際に気をつけることについては以下の記事を参照ください。
ちりめん以外でも美しい作品になります
ポリエステルの金襴生地で素敵な作品を作られた方がいて、写真を送ってくれました。
布がたり ポリエステル 金襴生地 幅70cm×長さ10cm単位(楽天)
コットンで作る場合はブロードやシーチングなどの薄めの生地がよいでしょう。
生地BANK 綿ちりめん 110cm幅(楽天)
最近つくられるようになった綿ちりめんもおすすめです。
ちりめんの風合いに似せていて綿よりも高級感があり、絹やポリエステルのちりめんよりも加工がしやすく、吸湿性があって、ドライクリーニングができます。
ちりめんは収縮性があるので動きやすい。
着物の裏地はあったほうがよい
裏地にはダブルガーゼを選びました。
夏以外の季節に着る「袷の着物」は、裏地がついていて、振袖からちらっと見えることがあります。ダブルガーゼはそんな裏地の代わりです。
ちりめんと縫い合わせると、着物がしっかりします。
赤ちゃんの着物と袴を作るために特別な道具は要らない
今回ご紹介した着物と袴は、ミシンで楽に縫うことができますし、手縫いでもなんとか作れるサイズです。
生地をカットする際にも特別な道具を使う必要はありませんでした。
出産を期に裁縫をはじめたい・再開したい、育休を使って裁縫をしっかり楽しみたい、という方向けに、特におすすめのミシンを別の記事でご紹介しています。
また、裁縫道具のおすすめと、ソーイングセットを購入する場合のおすすめはこちらの記事で触れています。
お時間のあるときに覗いてみてください。
自作したら赤ちゃんとスタジオに行って撮影してみて
私の場合、子供のための洋服や着物などを作ると、作ることだけで精一杯になってしまって、せっかく作った作品を着た子供の姿をきちんとした形で記録に残すことがおろそかになりがちです。
桃の節句をお祝いしに実家にいったところ、撮影のタイミングを逃し、気がついたら夜になっていました。
夜の場合は明るい手元照明や優秀なカメラが必要
こちらは生後6ヶ月の写真です。
手で支えてあげると立てるようになったので、立ち姿で自宅で夜に撮影してみましたが、子供は動き回るし、専用の照明もないなかでの撮影は大変でした。
このときの反省から、1歳の誕生日に再び着物と袴を着てもらって、スタジオで撮影してもらいました。
日の差し込む明るい部屋や屋外での撮影もいいですね。
スタジオでは子供用着物の着付けグッズが借りられる
赤ちゃん ちりめんつまみ細工 ヘアクリップ(楽天)
スタジオでは、足袋とヘアクリップと、着物を止める子供用コーリンベルトを借り、着付けもスタッフさんがしてくれました。
コーリンがあると動いても着くずれない。
着物と袴は作ったもの勝ち
多少うまくいかない部分があっても、着せてみるとシワで隠れたり、赤ちゃんの笑顔に目が行ったりで、あまり目立たないと思います。
赤ちゃんというものは、何を着せても可愛くなります。
もし時間が許すようであればぜひチャレンジしてみてください。
コメント
はじめまして!
3ヶ月の娘を育てています。
生後100日のお祝い、お食い初めのために着物と袴作りたいと思い
検索していたところ、こちらの記事に出会えました。
裁縫未経験でしたが、出産を機に買ったミシンで頑張って作りました!
とてもわかりやすい説明のおかげで、育児の片手間で1週間かかりましたが
なんとか仕上がりました。
写真スタジオに持ち込んでプロに撮ってもらう予定です!
いずれは布絵本も作ってみたいと思います。
ありがとうございました!
ブログを見てくださってありがとうございます!!
仕事復帰してからというもの、なかなかPCを立ち上げる日も少なくなり、ようやく本日コメントいただいていたことを認識いたしましたm(_ _)m
頑張って作り方をアップしたものの、果たして、見た方がこのまま作れるものなのかどうか、わからずにおりました。説明不足でおこまりのことも多々あったでしょうに。
でも、本当に嬉しいです。
はじめまして。
娘の初節句に袴ロンパースを作りたくて、作り方を色々と探しておりましたところ、
LHさんのブログを拝見し、本格的な見た目の袴に一目惚れ、是非参考にさせてもらおうと思っております。
そこでご質問なのですが、
襟を太くする場合、みごろの方の襟の部分を少しカットしたほうが良いのでしょうか?
また、袴で②おしりの部分をカーブを描きカット、のところで
縦は32センチカットし、横は何センチカットすれば良いでしょうか?
当方恥ずかしながらミシンの使い方もうろ覚えな初心者でして…
ご教示いただければ嬉しいです。
宜しくお願い致します。
ユイさん
コメントありがとうございます!!とても嬉しいです。
ご質問のうち、襟を太くする場合についてですが、私も同じことを考えていました。
私も、みごろの方の襟の部分を少し深めにカットしたほうが良いと思います!
次のご質問ですが、袴のおしりの部分のカーブを測ってみました。
縦は32cm、横は10cm程度でした。
たくさん履くものではないので、裏の処理は適当で、お恥ずかしい状態なのですが、
ご参考まで、期間限定で、裏側の写真を掲載します(汗)。
LHさん
早速のお返事ありがとうございます!m(_ _)m
そうですよね、みごろの襟の部分は少しカットしようと思います。
袴のお写真もわざわざありがとうございます。助かります( ; ; )
もう一点お伺いしたいです。
袴の方は裏地をつけていないようですが、
必要なさそうでしょうか?
私が袴用に買った生地が薄いのかもしれないのですが、
一枚で作るとちょっと頼りなさそうかな…?と感じます。
ユイさん
生地を見てみないとわかりませんが、強度と暖かさの観点では袴の裏地は必須ではないと思います。
たしかに、作る前は、薄い生地だと心もとない感じがしますが、全てを縫い合わせてみると、ウェストと裾の折り返しがありますし、袴のひだを少し縫うので、出来上がりはしっかりしますよ。
寒そうだと感じたら、下に薄手の服を着せることもできます。
でも、裏地を付けたら、耐久性と暖かさと見た目の美しさがアップすると思います!
LHさん
そうですよね、分かりました!
参考にさせてもらいますm(_ _)m
お忙しい中、お返事ありがとうございました!
またご質問させていただくかもしれませんが、
その時は宜しくお願い致します!
ご縁に感謝いたします(*^^*)
ユイさん
こちらこそ、引き続きよろしくお願いします^_^
ご縁をいただいて嬉しかったです。
LHさん
度々申し訳ありません…。
行き詰まってしまったところがありまして…お時間がある時に教えていただけると有り難いですm(_ _)m
袴の仕上げの前まで縫い終えました。
ヒダの幅を前は2.5センチ、後ろは2センチということですが、
赤ちゃんの体のサイズを見ながら、というのは多少幅を広げても問題無いということでしょうか…?
もう一点お伺いしたいのが、
ヒダのない脇の内側にゴムを通すというのは、
どうしたらできますでしょうか?
ヒダがある部分にはゴムをつけないとなると、どうしたらいいんだろうとかなり考えてはみたものの、わからなくて…お聞きすることにしました。
宜しくお願い致しますm(_ _)m
ユイさん
ご紹介している袴のデザインは、男性のズボン型の袴と、女性のスカート型袴の融合したもので、そもそも、かくあるべき、といったものではありません。
多少幅を広げても問題無いと思います!
また、袴のゴムについては、写真を後ほど載せてみますね。
はじめまして!こちらの記事を参考に初節句の袴を作りました!
双子なので2着で無謀かとも思いましたが、育児の合間に楽しみつつ最後まで完成させられました(^^) わかりやすく作りやすい方法をシェアしていただきありがとうございました。
ふたごママさん
はじめまして!コメントありがとうございます!!
うわあ2着ですか、大変でしたね。
ママの手作りでお揃いなんて、素敵すぎます。
初節句楽しみですね☆
LHさん
そうなのですね、わかりました!
ありがとうございますm(_ _)m
宜しくお願い致します。
ユイさん
解説と写真を追加しました。こちらでわかりますでしょうか??
ご確認くださいませ。
LHさん
ご丁寧にありがとうございますm(_ _)m
このようなやり方があるんですね!!
早速やってみます。
お忙しい中本当にありがとうございました!!
はじめまして、息子の初節句に向けて袴作る!?と思い立ちこちらの記事にたどり着きました。とても可愛いデザインですね!間に合うか不安ですが、作ってみたいと思いました!
作製するにあたって、サイズが不安なので少し質問させてください。
1歳のお誕生日のときにとてもちょうどよく着られているようですが、お嬢様は1歳誕生日のとき既製品だと何サイズを着用されていましたか?
息子は発育が良い方でなんとか80cmを着せている…といった状態です。
少しサイズアップした寸法を計算するか(うまく計算できるか不安ですが)、記載くださっているものをそのまま使わせていただくか悩んでおります…!
お手数おかけしますが、覚えていらっしゃる範囲で教えていただければ嬉しいです。
くろんさん
コメントありがとうございます!
母子手帳を見返してみましたが、1歳ちょうどで71.5〜72cm程度の身長がありました。体重は9.1kg。
女の子の成長曲線範囲内でしたが、がっしりした体型でしたので、服は少し大きめを心がけていました。
着物を作られる場合は、腕の長さなど見て幅を調整してみてもいいかもしれませんね。
袴は丈の長さだけ調整されればよいかと思います。
男の子に手作り袴で初節句というのは素敵ですね!
男性の後ろのひだは見た目には真ん中に1本となり、内側に左右で1本ずつ隠されるだけで、ほかは同じ作り方で大丈夫だと思います。
あとは、ヒモの結び方が十文字ですよね。。。
うまくいくよう応援しています!