ちりめんは伸縮して扱いづらい?!
ちりめんなどの柔らかい生地は伸縮するので、加工は少し大変です。
しかし、柔らかい生地をつかうと着心地がよく、作品がとってもすてきな雰囲気になりますし、ポイントさえ押さえればスムーズに作業できます。
私が採用している加工方法をご紹介します。
ちりめんなどの柔らかい生地で直角や平行をとるには縦糸や横糸を目印にする
ちりめんをカットするために、いきなり型紙や大きな定規をあてて線を引くことはおすすめできません。
線を引こうとするだけで、ちりめんがグニャグニャと動いてしまい、直線や直角がうまくとれません。
柔らかい布の場合、布の縦糸や横糸に合わせて生地を切るのが正解
布は、縦糸(経糸)と横糸(緯糸)で織られています。
この糸を無視して布をカットすると、縫い合わせた後で服の形がイビツになったり、変なシワができたりします。
定規にあてて真っ直ぐ切るというよりは、縦糸や横糸に合わせて切るのが正解なのです。
カットしたい所や目印をつけたい所の経糸や緯糸を布から何本か引き抜く
特定の糸を目で追うのは難しいので、糸を一本ずつ抜いて線を出していきます。
すると、写真中央のように、布地に直線が現れます。
型紙をあてる場合も、この線に沿ってあてれば、正しい位置で線をひいたりカットしたりすることができます。
ちりめん等の柔らかい布はマスキングテープで補強して加工する
マスキングテープを貼ると、グニャグニャする布を補強できて、多少扱いやすくなります。
マスキングテープの上であれば、そで、前みごろ、背中、といったことをクリアにメモしておくことができます。
カットした後に剥がすと、端の糸がほつけてくることがあるので、縫い代は大きめにとっておきます。
柔らかい布の端部は全部ジグザグ縫いで処理することで、布が丈夫になって次の加工が楽になる
ちりめん、ガーゼ、木綿など、全ての布は、それぞれ生地をカットした後にジグザグ縫いをパーツの周囲全てに施します。
大半は、内側に隠れてしまうので、ミシン糸がもったいないと感じて省略したくなるものです。
しかし、薄い生地の場合は特に端部の強度がでるので、楽に縫い合わせることができますし、より正確に加工することができます。
木綿は水洗いして干してアイロンがけするとカットや縫製が楽だし後で洗たくしても縮まない
袴に使う木綿は、最初に洗濯機で水洗いして、脱水を6分ほど行った後、干してアイロンを当ててから加工しました。
ちりめんやガーゼは、基本、家で洗わないことを前提に、事前に洗うことはしませんでした。
赤ちゃんは着物のはじっこを舐めてました。
ちりめんにも洗濯できるものがあります。心配な方は、そういった素材を使用するのも手かもしれません。
柔らかい布のパーツを縫い合わせる際の強度
今回のデザインは、コの字とじを多用しています。
ちりめんだけでコの字綴じをしてもしっかり綴じることができる
肩をコの字とじするにあたって、ちりめんとガーゼそれぞれを綴じてみました(中央から左上へ伸びるコの字綴じ部分)。
見た目が頑丈そうで少しきれいなのですが、そでを綴じ付ける際には面倒になって、ちりめんのみコの字綴じしましたが問題ありませんでした。
ちりめんのみでもしっかり綴じることができました。
柔らかい布などの縫いにくい生地は縫う長さを短くする工夫を
女性の着物には、身八つ口(みやつぐち)と言う脇の開いているところがあります。
日本の気候が多湿なので、着物にこもる熱や湿気を逃して体温調整するためのもので、長時間着用しない場合には必要ないと思います。
ただし、今回は、コの字綴じを短く済ますために、開けたデザインにしました。
着付ける時、身八つ口はいろいろ役立ちました。
製作中に試着して微調整
ぶつけ本番で作ったので、ある程度縫い上がった状態で初めて赤ちゃんに着てもらいました。
生後4ヶ月の赤ちゃんは、特に嫌がる様子もなく、ニコニコとしていました。
着物・袴を手作りされた方はぜひ、スタジオに行って、プロに赤ちゃんの素敵な着物・袴姿を撮影してもらってくださいね。
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