スポンジケーキを焼いたら美味しくできました
親族の誕生日のために、私の実家で、娘と一緒にスポンジケーキを焼きました。
- スポンジは、なんでふくらむのか
- クリームは、どうやってつくるのか
娘の疑問が解消しました。
きっかけは、おばあちゃんのお誘い
今回のケーキ作りも、おばあちゃんからのお誘いからはじまりました。
前回のまるパン作りが楽しかったので、娘はすぐに乗り気になりました。
43年前の本を開く

母は、1983年に出版されたベターホームの本を棚から引っぱりだしてきました。
本の中の写真はすべて手動の泡立て器でした。
今回の作戦:本のとおり「共立て法」で焼く
スポンジケーキの作り方には、大きく二つの流派があります。
「共立て法」と「別立て法」です。
今回は本に載っていたレシピのとおり、共立て法を選びました。
共立てと別立てのちがい
共立てと別立てでは、卵の扱い方が、まったく違います。
共立て法は、卵を割ったらそのまま全部いっしょに泡立てます。
別立て法は、卵白と卵黄を分けて、卵白だけでメレンゲを作ってから合わせます。
| 共立て法(今回) | 別立て法 | |
|---|---|---|
| 卵の扱い | 全卵をいっしょに泡立てる | 卵白と卵黄を分ける |
| 泡のきめ | 細かい | 粗い |
| 背の高さ | 出にくい | 出やすい |
| 口当たり | しっとり、口どけがよい | ふんわり、軽い |
| 工程 | 少ない | 多い |
| 手による泡だてやすさ | 大変力が要る | 楽に泡立つ |
たしかに、今回、共立て法で焼き上がったスポンジの背は高くならず、しっとりきめ細やかな舌触りになりました。
また、43年前の本では、別立てのほうが楽だとされていました。
しかし、電気のちからで動かす泡立て器があれば、共立てのほうが手間が少ないので楽、というように、評価がひっくりかえります。
時代や道具によって、調理法の選び方は変わります。
材料と道具、かかった時間
今回作ったケーキは、18cmの丸型ひとつ分です。
材料はどれもスーパーでそろいます。
飾りのフルーツは、季節のものでかまいません。
材料
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| たまご | 3こ(180g) |
| さとう | 100g |
| 薄力粉 | 90g |
| 牛乳 | 大さじ1〜2 |
| とかしバター | 25g |
| バニラオイル | 少々 |
| 生クリーム | 200ml(1パック) |
| シャインマスカット | 1ふさ |
道具
- 18cmの丸型
- クッキングシート(敷き紙用)
- ハンドミキサー
- 泡立て器
- 木べら
- 粉ふるい
- 湯せん用のボウルとお湯
- 温度計
- あみ(さます台)
- キッチンペーパー
温度計は、あるとぐっと安心します。
子どもが「はかる」練習をする機会にもなりました。
かかった時間のめやす
| 工程 | 時間 |
|---|---|
| 準備(型・粉ふるい) | 約20分 |
| 生地作り(湯せん〜型入れ) | 約40分 |
| 焼く | 25〜30分 |
| 冷ます(クリーム泡立て時間) | 約60分 |
| デコレーション | 約30分 |
スポンジは、しっかり冷めてからでないとクリームがとけてしまいます。
午前に焼いて午後に飾る、というように二回に分ける段取りでも大丈夫です。
週末の予定に組みこむときは、冷ます時間を忘れずに見ておいてください。
作り方:スポンジを焼くまで
ここからは実際の手順です。
娘がやったこと、大人がやったことも、そのまま書いていきます。
うまくいかなかったところももらさずに残しました。
①型の準備と、粉ふるい

薄力粉は3回、砂糖は1回ふるっておき、オーブンは焼く10分前に170〜180℃であたため始めます。
粉ふるいは娘の担当でしたが、ここで最初のつまずきがありました。
ふるいをトントンとぶつけていた側の手に粉が寄ってきて、少しこぼれてしまったのです。
専用のふるいがみあたらず、網で代用。

砂糖のほうも硬いダマが残り、スプーンでつぶそうとしても、全部をつぶすことはできませんでした。
のちのち生地の中で溶けるので大きな問題にはなりません。
それでも「ふるう」という地味な作業にもコツがいると分かった場面でした。
②湯せんで卵をあたためる

ボウルに卵を割り入れてほぐし、砂糖を加えて混ぜます。
40〜45℃のお湯にボウルをつけて、泡立てながらあたためます。
卵が30℃くらいになったら、お湯からはずします。
お湯の用意は必ず大人が対応しましょう。

娘が泡立てているあいだ、夫がボウルを押さえる係をしてくれました。
ボウルが動かないだけで、作業はぐっと楽になります。
途中で娘が泡立て器を少し持ち上げてしまい、卵液が少し飛び散りました。
飛んだ液をなめてみたら甘くておいしかった。
③3倍になるまで泡立てる

白っぽく、もったりして、かさが3倍くらいになるまで泡立て続けます。
泡立て器で生地をたらしたとき、太くゆっくりとつながって落ちれば合格です。
この「3倍」がなかなか来ません。
白っぽくなるまでずいぶん時間がかかりましたが、娘は途中で交代しないでがんばりました。
④薄力粉を切るように混ぜる

ふるった薄力粉を振り入れます。
へらを立てて、生地を切るように回しながら、底からすくい上げます。
ねらないこと、混ぜる回数はできるだけ少なくすることが大切です。
おばあちゃんに教わって、コツがわかった。
⑤とかしバターを散らして入れる

牛乳とバニラオイルを加えて混ぜ、とかしバターを生地の上に散らすように入れます。
バターのような油には、あわをこわす力があります。
一気に入れると、その場所のあわが消えたうえ、重みで底に沈んでしまうのです。
だから「散らすように」入れて、木べらで底からすくい上げ、手早く混ぜます。
実は、順番をまちがえました。
今回は、粉を混ぜるときに牛乳とバニラオイルも一緒に入れてしまいました。
結果としては問題ありませんでしたが、本の手順とは少し違う進め方になりました。
こうしたズレも、記録しておくと次回の比較材料になります。
⑥型に流して焼く

型の中心から、一気に流し入れます。
生地の入ったボールは重たいので、娘はおばあちゃんと一緒に生地を型に流し込みました。

生地を流し込んだら、20cmくらいの高さから型ごと1〜2回落として空気を抜き、表面を平らにします。
失敗して下に落ちて犬が食べちゃうかもって思った。
170〜180℃で25〜30分焼き、竹ぐしを刺して何もついてこなければ焼き上がりです。
⑦落として、型から出して冷ます

焼けたらすぐ、20〜30cmの高さから型ごと1回落とします。
型からはずし、紙をつけたまま、固くしぼったぬれふきんの上にさかさまに伏せて冷まします。
焼きたての型は非常に熱いので、ここは必ず大人が担当してください。

スポンジの背は、思ったほど高くなりませんでした。
その代わり、きめはとても細かく仕上がっていました。
デコレーション:生クリームとシャインマスカット
ここからは娘が待ちに待った工程です。
娘の「しらべたいこと」の二つめ、クリーム作りもここで答えが出ます。
飾りには、旬のシャインマスカットを使いました。
⑧生クリームを泡立てる

ボウルと泡立て器は、先に冷やしておきます。
生クリームの中の油の粒は、冷えて固まりかけていないと、たがいにくっついてあわを支えられません。
だから冷やしておくと早く立ちますし、立てすぎるとぼそぼそになるので手前で止めます。
これで足りるのかなと心配でしたが、泡立てたら増量してくれました。
いつまで混ぜればいいのかなってそわそわした。
⑨マスカットを半分に切ってならべる

スポンジを横半分に切ります。
下の生地にクリームをぬり、半分にしたマスカットを敷きつめ、その上にもクリームをぬってからふたをします。

マスカットは半分に切って、切り口をキッチンペーパーで軽くおさえて、並べます。
切りにくいときは包丁をギコギコさせて切った。
包丁は押して切るより引いて切るほうがきれいに切れるので、次はそこを教えたいところです。
⑩上側のスポンジをのせて、かざる

上全体にクリームをぬり、しぼり出して、マスカットを飾ります。
ここは娘の独壇場でした。
学童でクリームをしぼったことがあったから上手くできた。
飾りつけは「にぎやかにしたかったから」と、クリームをたっぷりしぼっていました。

並べたマスカットの大きさがバラバラだったことに自分で気づき、交換して大きさをそろえていました。
「なぜ?」の科学コーナー
娘の「しらべたいこと」に答える時間です。
スポンジがふくらむ仕組みは、パンとはまったく違います。
とくに大事なところを三つにしぼりました。
なぜ、卵を湯せんであたためるの?

スポンジケーキをふくらませるのは、泡立てて閉じこめた空気です。
焼くと、その空気があたたまってふくらみ、さらに生地の水分が水蒸気に変わってあわを押し広げます。
卵をあたためると、卵液がやわらかくなって空気を抱きこみやすくなります。
冷たいままだと、泡立てるのに時間がかかります。
ただし熱くしすぎると卵が固まってしまいます。
卵白は約60℃から固まりはじめます。
なぜ、薄力粉は「切るように」混ぜるの?

薄力粉に水分が加わってこねられると、グルテンという粘りのもとができます。
粘りが出ると生地が重くなり、せっかくの泡がつぶれてふくらまなくなります。
それに、ぐるぐる混ぜること自体が、あわを物理的につぶしてしまいます。
だから「ねらない」「回数は少なく」「切るように」なのです。
パン作りでは、このグルテンをたくさん作るためにしっかりこねましたが、スポンジケーキでは、グルテンは邪魔者なのです。
なぜ、焼いたあとに型ごと落とすの?

焼きたてのスポンジの中には、熱い水蒸気がたっぷり入っています。
そのまま置いておくと、水蒸気が冷えて水にもどり、あわの中がしぼんでしまいます。
そこでドンと衝撃を与えて、熱い蒸気を外の空気と入れかえてしまうのです。
ちなみに、焼く前に落とすのは大きな泡を抜くためです。
なぜ、焼いたあとにさかさまにして冷ますの?

焼いているあいだ、底のほうのあわはつぶれやすくなっています。
上下を返して冷ますと、そのあわの状態が整い、きめがそろいます。
また、上側が平らに整う効果もあります。
ぬれふきんの上に置くのは、乾燥を防ぐためです。
学校の学びとのつながり
この体験は、学校で習うことともつながっています。
主なつながりは次のとおりです。
| 教科・学年 | 単元 | つながる内容 |
|---|---|---|
| 理科(小4) | 金属、水、空気と温度 | 空気は温めると体積が増える(焼くとふくらむ) |
| 理科(小4) | 金属、水、空気と温度 | 水は温めると水蒸気になる(型ごと落として蒸気を抜く) |
| 家庭科(小5・6) | 調理の基礎 | 計量、加熱、安全な道具の使い方 |
| 算数(小2〜) | 量と測定 | グラム・ミリリットル・温度の読み取り |
後で「あ、あのときの」と思い出せます。
まとめ

43年前の本を開いて、三世代で一つのケーキを焼きました。
誕生日のお祝いが、そのまま実験の記録になった一日でした。
これまで、イーストを使うパン、撹拌により生地をふくらませるスポンジケーキにトライしました。
近いうちに、重曹やベーキングパウダーをつかったお菓子作りにも挑戦してみようと思います。

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