パンはなぜふくらむ?娘とまるパンづくり
娘とまるパンを作りました。
ただ作るだけではなく、パンはなぜふくらむのかを確かめる実験も一緒にやってみました。
今回は、その記録です。
きっかけは、おばあちゃんのお誘い
おばあちゃんが、パンを一緒に作ろうと誘ってくれました。
娘は、粘土みたいに生地をこねるのがおもしろそう、と乗り気に。
そこで、私はちゃっかり、パン作りを自由研究にしてしまおうと考え、パン作りをとおして調べたいことを娘にヒアリングしてみました。
- パン作りに関する疑問
-
- なんでパンはふくらむのか
- レーズンやくるみは、いつのタイミングで入れるのか
レーズンとかくるみの入ったパンが好き。
この2つを調べるために、実験の計画を立てることにしました。
実験の作戦:3つの生地とペットボトル

今回の実験も、いつもどおり、欲張りな構成になりました。
イーストのはたらきでパン生地がふくらむ様子を、目で見て確かめる作戦です。
くらべるものは、ぜんぶで4つです。
| くらべるもの | 置き場所 | 目的 |
|---|---|---|
| 本体の生地(イースト入り) | 冷蔵庫 | 低い温度でのふくらみ方 |
| 小さいかけら(イースト入り) | 室温 | あたたかい場所でのふくらみ方 |
| イーストなし生地 | 室温 | イーストがないとどうなるか |
| ペットボトル+手袋 | 室温 | イーストが出すガスを見る |
くらべる対照を用意して、原因を見える化します。
今回は、お昼ごはんを途中で食べ、パンはおやつにすることにしたので、お昼の時間を「冷蔵庫でゆっくり発酵する時間」にあてました。
午前の部:はかって、仕込んで、こねる
まずは材料の計量から、パン生地の仕込みまで。
この作業だけでも、発見がたくさんありました。
順番にふりかえります。
材料をはかる:イーストの袋や粉の観察から

はかりで強力粉250g・砂糖20g・塩4g・イースト3gを量りました。
イーストの袋は、銀色の袋のなかに、空気が入らないようにぺったり入っています。

強力粉は、こまかくて、スプーンで固めたら平らになります。
ぴったりの量をはかって入れるのは、むずかしかった。
でも、この粉との格闘が、あとの工程で効いてきます。
ペットボトル実験を仕込む

ペットボトルにぬるま湯100mL・砂糖5g・イースト1gを入れて、ふって混ぜました。
ロウトを使ってこぼれないよう工夫しました。
パパのプロテインみたいに濁った色の水になった。
計画では風船をペットボトルの口にはめる予定でした。
ところが買い出しが前日の夜になってしまい、百円ショップなどは閉まっていました。

そこで、家にあったニトリル手袋をペットボトルの口にかぶせて、輪ゴムできつくとめて、あたたかい場所に置きました。
破れていないか確認してからかぶせた。
イーストなし生地を作る

くらべ用の「イーストなし生地」も作りました。
強力粉50gに砂糖ひとつまみとぬるま湯を混ぜてこねます。
「ひとつまみ」は、3本の指で「クレーンゲームみたいにして」つまみます。

ここで一つ失敗がありました。
手袋をしてこねたら、生地が手袋にたくさんくっついて、とるのが大変でした。
イーストなしは半分手袋に持っていかれた。
本体の生地をこねる

いよいよ本体の生地です。
バターをもみこんだ直後は生地が「べちゃべちゃ」になります。

でも、こねていくうちに手につかなくなり、ひっぱるとのびるようになりました。
こねると生地の中にグルテンの網ができます。
粉が飛び散ったり、手と板にくっついたりもしました。
そんなときは、パン用のヘラでこそげ取りながら練って乗り切りました。
発酵タイム:出かけている間も実験は進む

表面につやがでたら、生地をまるめて、発酵スタートです。
いちばん大きなかたまりの本体は冷蔵庫に移動。
小さいかけらとイーストなし生地は家の中のあたたかい場所(網戸で夏の外気をとりこんだ洗面所)へ移動しました。
ひと段落したら、私たちはランチタイム。
タッパーの中でパンパンにふくらむパン生地

ランチが終わってから、冷蔵庫へ入れたタッパーの中の、本体の生地を見たら、めいっぱいにふくらんでいました。
そこで、ぎゅっと押してつぶしてガス抜きしたら、お皿にうつして、冷蔵庫にもうしばらく置くことにしました。
さむい冷蔵庫の中でも、イーストはちゃんとはたらくことを確認できました。

ペットボトルのほうも、手袋がふくらんできました。
娘といっしょにじっくり観察してると、液体中の泡が時々はじけていました。
午後の部:ふくらみくらべ、そして焼く
ランチが終わったら、いよいよ結果の確認です。
3つの生地とペットボトルを見くらべました。
結果は、はっきり出ました。
ふくらみくらべの結果

- 娘の観察メモ
-
- いちばん大きいパン生地が、いちばん大きくふくらんだ
- イースト入りの室温の生地も、ふくらんだ
- イーストなしは、ふくらまなかった
イーストがかつやくした。
くらべる相手を用意したおかげで、ふくらむ原因がイーストだと目で確かめられました。
うまくいかなかったこと:手袋の空気もれ

ペットボトルの手袋は、あまりふくらみませんでした。
そこで娘は「湯せん」を試してみました。
すると、また泡が出るようになりました。
イーストは温度が上がると元気になります。
それでも手袋はこれ以上ふくらみません。
空気が手袋をとめつけた輪ゴムの隙間からもれていたのかもしれない、と娘は推理しました。
うまくいかなかった理由を考えて記録。
レーズンとクルミを包む

もう一つの「調べたいこと」だった、レーズンとクルミのタイミング。
今回は一次発酵のあとに、生地をひらべったくのばして、おまんじゅうのように包む方式にしました。
手に粉をふっておくと、生地がくっつかずに丸めやすくなります。
8個のうち、3個はプレーン、5個はレーズンとクルミ入りです。
具入りは、目印になるように、くるみをのせた。
今回はこの一つの方法でためしただけで、ほかのタイミングとはくらべていません。
レーズンやくるみをいつ入れるのがいちばんいいのか、確かめるのは次回の宿題になりました。

包む作業は思ったより時間がかかり、気づけばずいぶん経っていました。
そのぶん生地は室温で発酵が進んでいたので、二次発酵は10分ほどで切り上げて焼きに入りました。
成形にかけた時間も、発酵時間の一部にカウント。
焼く前と焼いたあとで、重さをくらべる

焼く前に、パンひとつずつの重さを量ってメモしました。
クルミ入りは69g、56g、52g、51g、48g。
プレーンは48g、40g、35g、室温プレーンは49g、イーストなしは36gでした。

オーブンを予熱して、パン生地ののった天板を下の段にさしこみます。
8分たったところで天板の前と後ろの向きを変えて、焼きぐあいがそろうようにしました。
出し入れは大人がやる。
15分たってもまだ茶色くならず、5分ほど追加で焼いて、ようやくいい焼き色になりました。
色を見て判断するのが正解でした。
焼き上がり!きつねいろのパン

焼き上がりに重さを量りなおすと、くるみ入りがぜんぶ6gぐらいずつ焼く前より軽くなっていました。
クルミ入りは45g、46g、50g、63g、42g。
プレーンは42g、35g、29g、室温プレーンは43g、イーストなしは33gでした。
熱くなって、水が蒸発したから、軽くなった。
イーストありなしのパンを実食!
いよいよ、この日のクライマックス。
おやつタイムに、焼きたてパンを食べました。
イーストなしのパンも、ちゃんと食べくらべました。
イーストありパンはおいしい

まずは、イーストありプレーンから。
ふわふわで、バターの味が少ししておいしいパンになりました。
じぶんで作ったパンはおいしい。

レーズンとくるみ入りのパンも、いいかんじです。
たべすぎて夕飯をあまり食べられなかった。

さて、イーストなしパンはというと、ぼそぼそしていました。
ふくらみのちがいは、イーストのはたらきだと、これではっきりわかりました。
ふりかえり:楽しかったことと、次の野望
一日を終えて、娘に楽しかったことを聞いたら、以下のとおりでした。
- パン作りで楽しかったこと
-
- 手袋がふくらんで、中の液体に泡がたったこと
- 大きなパン生地をこねたこと
- 焼けているところを見たこと
そして、次にやってみたいことは「ケーキ作り」だそうです。
ふくらむシリーズは、まだ続きそうです。
ケーキのふくらむ仕組みはパンとちがいます。
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