ミシン選びを失敗しないために
ミシンを一度買うと、なかなか買い換える機会は訪れず、ずっと使い続けることになります。
ミシン選びは種類がたくさんあるので難しいものの、うまくいけば作業が楽になり、作品づくりの意欲が増します。
今回は、出産直後などの忙しいときだけど、いいものを作りたい方向けに、おすすめのミシンをご紹介します。
※当ブログでは説明のために楽天アフィリエイトのリンク画像を一部で使用しています。
- 出産後は忙しいけど質の高い作品を作りたい人の持つべきミシンとは
- 高い品質の作品を手作りしたい忙しい人におすすめのミシン4選
- ミシンには、電動ミシン・電子ミシン・コンピューターミシンの3種類がある
- ミシンで作業する場所・収納する場所・作業する時間帯をイメージする
- ミシンのメーカーごとの得意分野を知る
- シンガー(SINGER)は世界で初めて手動のミシンを発売したブランド
- ブラザー(brother)はグローバルシェアNo.1!ミシンのトップブランド
- ジャノメ(JANOME)は家庭用ミシンシェアNo.1!耐久性と品質の高さに定評がある老舗メーカー
- ジューキ(JUKI)は工業用ミシンシェアNo.1!耐久性とパワーが魅力
- 最近のミシンがカバーしている初心者にも心強いたくさんの機能
- 作品の幅が広がる中級者・上級者も納得の機能
- 耐久性の高いミシンを求める場合の注意点
- さいごに
出産後は忙しいけど質の高い作品を作りたい人の持つべきミシンとは
赤ちゃんの服や小物などを作るならば、サイズが小さいので、手縫いでなんとかなることがあります。
でも、保育園が始まる4月までの貴重な休暇で、手の込んだものや、たくさんのグッズを作りたい場合は、ミシンがあったほうが有利です。
ミシンを購入する場合には、以下の点に注意すると良いでしょう。
久しぶりに・初めてミシンを動かす場合、初心者向けの機種を選ぶ
赤ちゃんがいる場合、ミシンは初心者向けの機種がおすすめです。
作業は赤ちゃんのお世話の合間におこなうことになり、まとまった時間を確保できないかもしれません。
シンプルで操作が簡単で使いやすい機能が充実しているものを選ぶと良いでしょう。
万が一赤ちゃんがミシンに近づくことを念頭に安全性が高い機種を選ぶ
赤ちゃんがいる家庭では、安全性が高いミシンを選ぶことが重要です。
簡易なつくりのミシンでは、赤ちゃんがぶつかって動いてしまう可能性があります。
ミシンとは長いつきあいになるので耐久性がある機種を選ぶ
ミシンは耐久性があるものを選ぶと長期的に使い続けることができます。
また、修理やメンテナンスがしやすい機種を選ぶと、長く使い続けることができますできます。
ミシンを動かしたときに赤ちゃんを起こさないように静かな機種を選ぶ
出産して、まとまった休暇をあたえられた私は、実家のミシンをひっぱりだして、赤ちゃんの寝ている間にカタカタと服を縫おうとしました。
しかし、実際にミシンから発せられたのはウイーン!ダダダダ!!というけたたましい音でした。
ミシンをアイロン台の上に置いて防音し、中速で作業を続けることにしました。
高い品質の作品を手作りしたい忙しい人におすすめのミシン4選
ミシンメーカーの出しているミシンの種類は沢山あります。
しかし、仕事や育児が忙しく、夜中に作業する可能性もあるけれど、服やかばんなどさまざまな作品を高い品質で手作りしたい人が満足できるミシンは限られます。
まずは、特におすすめのミシンを4種類ご紹介します。
1位:SINGER モナミヌウシリーズ SC100〜、SC200〜、SC300〜
このシリーズはシンガー定番の主力商品で、初心者にも優しく高性能です。
小型強力マグネットモーターが搭載され、静音性がダントツです。
他のメーカーではジョキッと大きな音のする自動糸切り機能もシンガーは静音設計。
忙しい人が同居人や近所の人に遠慮することなくいつでも高度な作品作りをできるところが1位とした理由です。
よいミシンでも音を気にして使えないなら意味がない。
SINGER モナミヌウシリーズの性能や機能
モナミヌウシリーズはいずれも静音性やモーターのパワーは同じですが、数字が大きくなるほどパワー制御が良くなります。
別売りの刺繍機を取り付けると高度な刺繍もできます。
その他、共通する機能は以下の通りです。
✔ モナミヌウシリーズに搭載された機能
SC200番台、SC300番台に搭載
・ コンピューター制御の自動糸調子機能
・ 自動糸切り機能
・ 液晶画面
SC227、SC327に搭載
・ 押え圧調整機能(3段階)
・ 下糸らくスルー
昔と比べて機能もたくさんあります。
SINGER ルミナ1000にも小型強力マグネットモーターが搭載されている
こちらもモナミヌウシリーズと同様に、小型強力マグネットモーターが搭載されているので、静音性に優れています。
ワイドテーブル・フットコントローラーが付属しているため、大きな布地を広げてミシン掛けしたり、両手を使って布を押さえながらスピード調節をしたりといった使い方ができます。
自動糸切り機能・自動糸調子機能・糸通し機能なども付属するため、準備もスムーズに進められます。
2位:SINGER SN778EX
SN778EXは低価格でありながら機能が充実していて、実用縫い・サテンステッチなど、縫い模様が207種類と豊富なことが特徴です。
家電量販店でもコスパの良さから売れ筋となっています。
モナミヌウシリーズのような小型強力マグネットモーターはついていませんが、音は比較的静かです。
こちらもワイドテーブル・フットコントローラーが付属しています。
3位:JANOME MPシリーズ、JPシリーズ
ジャノメのロングラン機種です。
MPシリーズはJPシリーズの進化版です。
針板すべてに金属がつかわれているので、耐久性が高く、振動を最小限におさえる静音設計になっています。
縫い目がミシン本体に表示されており、説明書を引っぱり出すことなく縫い目を決めることができます。
✔ MP・JPシリーズに搭載された機能
MP580、MP470、MP400、
MP350
・ 自動糸調子機能
MP580、MP470、MP400
・ 自動糸切り機能
MP580(6段階)、JP710(4段階)
・ 押え圧調整機能
MP580
・ 下糸クイック機能
4位:brother LS800〜、LS700〜
LS800や700はブラザーのロングラン製品で、丈夫なフレーム構造。ジャノメのMPシリーズと同じくらい静音性の高い機種です。
縫い模様選択がダイレクトボタン仕様、簡単針穴通しなど簡単操作かつ便利な機能が付いている機種となります。
自動糸調子機能はもちろんのこと、糸切りや止め縫いまでプログラムが自動でおこなってくれるため、面倒な作業が大幅に削減できます。
ミシンには、電動ミシン・電子ミシン・コンピューターミシンの3種類がある
ではこれから、なぜ以上の4つがお勧めなのか、理由を説明していきます。
ミシンの種類は大きく分けて、電動ミシン・電子ミシン・コンピューターミシンの3つです。
加えて、裁断しながら縫うことのできるロックミシン、刺繍に特化した刺繍ミシンがあります。
電動ミシンは単純な作業に最適
電動ミシンの利点は、機構がシンプルなので壊れにくく、操作が分かりやすいことで、1万円台のものがメインです。
電動ミシンは基板による制御がされていないので、ゆっくりとしたスピードで縫うとパワーが出ないという特徴があり、厚い布を縫うには向いていないとされていました。
しかし、今ではゆっくりでも比較的パワーが出るものが売られています。
初心者用というよりは、ミシンの操作になれていて、袖のほつれ直しなど簡単な作業が多い方におすすめで、セカンドミシンとして購入する人もいます。
電子ミシンは厚手のものを縫うことができる
電子ミシンは、モーターの回転数とパワーが基板で制御されているので、縫いはじめはゆっくりで、縫い終わると針はいつも決まった停止位置となります。
ゆっくりとしたスピードであっても厚手の生地を縫うことができます。
糸調子や縫い目・模様などの調節機能がついているものがほとんどで、2万円台がメイン。
電子ミシンは職業用ミシンの分野で活躍しています。
コンピューターミシンは幅広い作品を作りたい方におすすめ
コンピューターミシンは、すべての機能がコンピューター制御されていて、かんたんな巾着から本格的な刺繍やステッチの入った衣服まで、何でも作ることができるオールマイティーなミシンです。
おしゃれな衣服やかばんが安価に手に入る昨今、複雑なハンドメイド作品もできるコンピューターミシンが家庭用として人気で、種類も豊富にあり、初心者にも優しいモデルが出ています。
価格は、電動ミシンや電子ミシンと比べてやや高めで3万円台以降、5,6万円台がメインです。
忙しいけど質の高い作品を手作りしたい方には、電動ミシン・電子ミシン・コンピューターミシンの3種類の中で、特にコンピューターミシンがおすすめです。
ミシンで作業する場所・収納する場所・作業する時間帯をイメージする
ミシンを選ぶにあたっては、作りたい作品とともに、作業場所と収納場所と作業時間についても考えてみると良いでしょう。
たとえば、机の上でイスに座って作業するのか、床に座って低いテーブルの上で作業するのか、想定しておく必要があります。
また、作業する時間が日中なのか夜になる可能性があるのかといったことも重要です。
テーブルやフットコントローラーなどの付属品は作業環境に合わせて検討
SINGER フットコントローラー・ワイドテーブル付 SN778EX(Amazon)
小さな机の上でミシンを使うなら、補助テーブルがあると布が滑り落ちにくいので、ドレスやキルト作品などの大きな作品の取り回しもスムーズです。
brother ミシン用フットコントローラー(Amazon)
フットコントローラーがあればスピードを自在に調整できますが、足を使えない環境では手元スイッチで操作しやすいタイプを検討する必要があります。
自分の作業する場所をイメージして、付属品を確認しましょう。
フットコントローラーは何千円もします。付属品の確認は必須です。
ミシンの大きさによって重さとフレームの素材は変わる
ミシンのサイズは「コンパクトミシン」や「レギュラーサイズミシン」、「フルサイズミシン」といったかたちで、さまざまな商品が販売されています。
コンピューターミシンでコンパクトミシンとフルサイズミシンを比較した場合、以下のような違いがあります。
比較項目 | コンパクトミシン | フルサイズミシン |
大きさ | 35〜40㎝程度 | 40〜45㎝程度 |
重さ | 5〜7kg程度 | 7〜9kg程度 |
フレームの素材 | プラスチック | 金属 |
価格 | 2〜3万円程度 | 5〜7万円程度 |
レギュラーサイズミシンはコンパクトとフルサイズの中間です。
ミシンの大きさは収納スペース・値段・性能との折り合いで決める
小さなミシンは保管しやすい上、軽くて安いにもかかわらず便利な機能がたくさん備わっている製品があります。
一方で、大きいミシンは安定感があって作業効率がよく、壊れにくくて、音も静かです。
用途に応じて扱うミシンの大きさと、レンタル・購入などのスタイルを選ぶことをおすすめします。
✔ 用途に応じた選び方の例
・ カーテンを作る:レンタルの大型ミシン
・ 子供が日中に扱う:コンパクトミシン
・ 大人が多目的に使う:フルサイズミシン
忙しいけど質の高い作品を手作りしたい方には、コンパクトミシン・レギュラーサイズミシン・フルサイズミシンの3種類の中で、特にフルサイズミシンがおすすめです。
ミシンの音は選ぶ上での盲点になりがち
最近のミシンの音は、耳障りな高い音が昔とくらべて小さいため、ストレスなくミシンを動かすことができるようになりました。
しかし、隣の部屋で寝ている赤ちゃんや子供たち、階下の人たちが気になる場合、静音設計のミシンを選ぶと安心です。
ミシンのメーカーごとの得意分野を知る
ミシンの種類はたくさんあるので全てをくらべることはできません。
各ブランドの特徴や得意とする分野を知ってから、求めるスペックのミシンを探すことをおすすめします。
ミシンは日本のお家芸とも言え、グローバルメーカー上位3社とも日本のメーカーが占めています。
手動ミシンを初めて作ったアメリカのメーカーと日本の3大メーカー、計4社についてご紹介します。
シンガー(SINGER)は世界で初めて手動のミシンを発売したブランド
シンガーは、1851年にアイザック・メリット・シンガーが創業したアメリカの老舗ミシンメーカーです。
世界ではじめて手動のミシンを発売したのち、1889年に電動式ミシンを発売、1978年にはタッチパネル搭載ミシンを発売するなど、他社に先駆けて常に新しい機能を取り入れてきました。
日本の企業に国内販売ライセンスを承継
アメリカのシンガーには、会社更生法を適用された時期があり、工業用ミシンから撤退しました。
それに伴い、シンガーミシンの日本での販売を手掛けていたシンガー日鋼㈱が解散しました。
山形で日本国内販売用のシンガーミシンを製造していたハッピー工業㈱に、2000年に家庭用・職業用ミシンの日本国内での独占販売権が承継されています。
シンガーは初心者に優しく扱いやすい
シンガー フットコントローラー・ワイドテーブル付 SN778EX(Amazon)
そんなゴタゴタのあったシンガーですが、家庭用ミシンの進化は止まっていません。
シンガーのミシンは初心者に優しく、扱いやすさに定評があります。
小型強力マグネットモーター搭載で静音性能はダントツ
シンガーにはSC、TC、MF、QT等のモデルがありますが、「SC」から始まるモナミ ヌウシリーズの開発に最も力を入れています。
小型強力マグネットモーターを搭載した静音設計が、モナミヌウシリーズのウリです。
モナミ ヌウプラス SC227は、5万円台で刺繍ができるフルサイズのミシンとして、幅広い層に人気があります。
日本のミシンの歴史はシンガーを研究することから始まった
日本のミシンの歴史は、各メーカーがシンガーを研究して類似品を作ったところから始まっています。
ブラザー(brother)はグローバルシェアNo.1!ミシンのトップブランド
ブラザー(brother)はグローバルシェア率がNo.1であり、ミシンのトップブランドと言えます。
ブラザーの歴史
出典:ブラザーホームページ
1908年に安井兼吉がはじめた安井ミシン商会は、当初、輸入ミシンの修理や部品製造をしていました。
兼吉の子の正義・時雄兄弟が、1928年に「ブラザー」の商標で麦わら帽子製造用環縫ミシンを発売し、のちにそれが商号となりました。
ソーイングに関連したものだけでも、他にTシャツなど衣服に印刷できるプリンターや、紙と布を複雑な形に裁断できるカッティングマシンなど、幅広い製品を取り扱っています。
ブラザーのミシンの特徴
ブラザーは、厚地から繊細な薄地まで、幅広い布地に対応する機能性の高さに定評があります。
ブラザー フットコントローラー付き PS205(Amazon)
家庭用ミシンの中では、PS202(ピンク)、PS203(ブルー)、PS205(ホワイト)はコンパクトサイズのコンピューターミシンとして、絶大な人気があります。
ブラザーは刺繍ソフトにも力を入れています。
parieはタッチパネルがついて7種類の文字刺繍ができ、入園準備などにもおすすめのエントリーモデルです。
ジャノメ(JANOME)は家庭用ミシンシェアNo.1!耐久性と品質の高さに定評がある老舗メーカー
ジャノメは家庭用ミシンシェア率がNo.1であり、耐久性と品質の高さに定評がある老舗メーカーです。
ジャノメの歴史
出典:JANOMEコーポレートサイト
小瀬與作が、亀松茂、飛松謹一とともに1921年に東京の滝野川ではじめたパイン裁縫機械製作所は、ミシンの国産化にはじめて成功しました。
最初の家庭用標準型ミシンのボビンの形が、蛇の目模様に似ていたことから、蛇の目が商品名となり、のちに商号となりました。
2001年には自動糸通しを搭載したモデルを発表するなど、機能性の高さが特長です。
ジャノメのミシンの特徴
初心者から上級者まで、幅広い層に対応する豊富な機種、豊富な機能がそろっていて、価格とのバランスのよさに定評があります。
ジャノメ ワイドテーブル・説明DVD付き JN810(Amazon)
リーズナブルなコンピューターミシンJN800(ピンク)、JN810(ブラック)は人気があります。
ステッチの種類が豊富なMP580は機能も満載で使いやすくおすすめです。
ジューキ(JUKI)は工業用ミシンシェアNo.1!耐久性とパワーが魅力
ジューキ(JUKI)は工業用ミシンシェア率がNo.1。
耐久性とパワーが魅力です。
ジューキの歴史
出典:JUKIオフィシャルサイト
東京都の機械業者が出資し、「東京重機製造工業組合」を1938年に発足したのがジューキのはじまりです。
1947年に家庭用ミシン第一号機を発売、1953年には工業用ミシンに参入し、今では180カ国に販売しています。
コンピューターミシンを開発してはじめて製品化したのもジューキです。
家庭用ミシンでは工業用ミシンで培った高い技術を活かして、耐久性に優れたパワーのある製品を販売しています。
ジューキの家庭用ミシンもパワーと精度が魅力
ジューキのミシンは、ジーンズなどの固い生地が得意で、ロックミシンやキルト専用のミシンなども家庭用ミシンとして販売しています。
職業用ミシンTL-30DXは、上級者やプロの愛用品となっています。
ジューキ エクシード ドレスメイク HZL-F400JP(Amazon)
家庭用ミシンの最高峰エクシードシリーズはドレスメイク、インテリア作品、キルトワークなど、ワンランク上のホームソーイングを楽しめるミシン。
ジューキ ワイドテーブル付き HZL-VS200S(Amazon)
HZL-VS200Sは、手を出しやすい価格設定なので初心者にも人気があります。
最近のミシンがカバーしている初心者にも心強いたくさんの機能
今売られているミシンは、多機能があたりまえです。
押さえ圧調整機能、自動止め縫い機能、自動糸切り機能、自動糸調子機能、自動糸通し機能など、一定の金額をこえるミシンであれば必ずカバーされています。
めんどうな作業が自動化されるため、ミシン初心者にも心強い機能だと言えます。
「自動糸通し機能」で糸通しが楽になる
自動糸通し機能は、今のミシンにとって当たり前の機能となっています。
ミシンを使用する場合は、下糸と上糸をミシン本体にセットしてから使いますが、下糸を巻いたボビンから糸を出したり、針に糸を通すことはもちろん、上糸を順番通りに部品にかけていく作業も自動でできてしまうものがあります。
糸の張り具合を調整する「自動糸調子機能」で試し縫いから開放される
私が子供のころ使っていたミシンは、試し縫いをして上下の糸のひっぱり強さを調整する必要がありました。
試し縫いをするために、せっかくの生地の一部を使う必要がありましたし、生地にあった糸調子を調節するのは結構面倒な作業でした。
しかし、今のミシンには自動糸調子機能がついていて、生地を縫う際に上糸と下糸の両方の糸調子を自動で合わせてくれます。
押さえ圧調整機能で厚物・薄物もグイグイ縫える
薄い生地は柔らかいので、押さえ歯が布に引っかかりやすく、軽く押さえるだけでもうまく生地が運ばれていきますが、繊細な生地であることが多いため、強く押え過ぎると生地に痕が付いてしまいます。
逆に厚い生地は、硬くて送り歯が引っかからない生地が多く、押えが弱いと生地の表面で滑って上手く運ばれていきません。
押さえ圧調整機能があると、さまざまな生地に対応することができます。
最新の上位機種は、押さえ歯も7枚。
「自動止め縫い機能」で返し縫いが不要となる
出典:JUKIオフィシャルサイト
私が子供の頃は、ミシンで一本縫い終わると、ほつれを防止するため、逆方向に縫う設定にしたり布をひっくり返したりして、返し縫いをする必要がありました。
しかし、自動止め縫い機能があると、ジグザグ縫いや直線縫いなどの縫い方に合わせた返し縫いや、玉止め縫いをボタンひとつですることができます。
自動止め縫い機能をつかうと、綺麗な仕上がりになりますし、徹底したほつれ防止を施すことができます。
ハサミを使わず糸を切る「自動糸切り機能」は糸の節約にもなる
自動糸切り機能を使うと、縫い終わりに上糸と下糸を同時にカットしてくれます。
これまでは、縫い終わった後にミシンのはじに付いている糸カットの歯やハサミを使って糸を切っていました。
自動糸切り機能を使えば、余分な糸をビヨーンと出す必要がなくなるので糸の節約になりますし、ハサミを探す手間がありません。
いずれも便利な機能ですが、質の高い作品を作る上で必須の機能ではありません。予算に合わせて欲しい機能のついたミシンを選びましょう。
作品の幅が広がる中級者・上級者も納得の機能
最近のミシンには、その他にも、使いみちが広がる機能がたくさんついています。
縫い目長さ調整機能、刺繍機能、模様縫い機能、様々な用途に対応した押さえなども、幅広い作品をつくる上で魅力的です。
「縫い目長さ調整機能」で生地ごとに縫い目の長さを調整
服を作るときには、生地やパーツによって縫い目の長さを変えたほうが美しい仕上がりになることがあります。
縫い目長さ調整機能で、1mmといった短いピッチから段階的に、縫い目の長さを調整できると便利です。
「刺繍機能」を使って入園・入学の準備をこなす
刺繍機能があると、子供の好きなキャラクターや名前をそつなく刺繍することができるので、入園・入学の準備の際に活躍してくれます。
絵やひらがななどがあらかじめ登録されているものや、ダウンロードするものがあります。
これらも便利ですが、必須ではありません。予算に合わせて欲しい機能のついたミシンを選びましょう。
耐久性の高いミシンを求める場合の注意点
ミシンの耐用年数は8〜10年程度といわれていますが、製品によってばらつきがあります。
安価なミシン・金属性の部品を使用していないミシンは壊れやすい
1万円以下の安価なミシンは壊れやすく、長く使う上ではコスパが悪い製品もあり、注意が必要です。
ジャガーの電動ミシンにも良いところはあります。
昔のミシンはほとんどが金属製のパーツで構成されていて、ほとんど故障がなく、あっても修理することができました。
軽量化やコスト削減のためにプラスティックをたくさん使って作られたミシンは、破損したり故障したりするリスクが高まります。
ちなみに、通販サイトでの評価は、ロングスパンで使ってみた結果が反映されにくいため、注意が必要です。
ロングラン機種は最新機種よりもトラブルが少ない
出典:ブラザー フットコントローラー付き PS205(Amazon)
長く売れていて定番商品となっているミシンは、各メーカーの長所が盛り込まれていきます。
また、故障しやすい箇所や、使いづらいポイントなどのフィードバックを受けて、何度も設計が見直されています。
ロングラン機種は、総じて故障率が低く、トラブルが少ない機種となっています。
忙しいけど質の高い作品を手作りしたい方には、コスパ重視のミシン、最新鋭のミシンよりも、ロングランのシリーズ、たくさんの品番のあるシリーズが特におすすめです。
さいごに
今回は、忙しい方が作品づくりを楽しむためのミシンをご紹介しました。
コストと機能のバランスは、各メーカーともトントンです。
しかし、静音性だけ一定の機種が抜きん出ていることはあまり知られていません。
この記事が、これから楽しいソーイングライフを堪能しようとミシンを選ばれる方の一助になれたら幸いです。
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