自由研究ノート

お茶の泡が消えない謎を解明!親子で挑戦した層分離実験

自由研究ノート

上澄み液と沈殿物のある部分で泡立ちを比較

ペットボトルのお茶の粉は、よく下に溜まってしまうので、私の娘はペットボトルをよく振ってまぜてから飲んでいますが、振ると泡がたちます。

Smile
Smile

よく振ると、なかなか泡が消えない。

お茶の泡はなぜ消えにくいのかという素朴な疑問から、泡の原因を探ってみることになりました。

今回は、上澄み液と沈殿した粉を含んだ液に分離したお茶、分離しなかったお茶の、それぞれの泡立ちを比べる実験の様子をまとめました。

Lucky
Lucky

予想外の結果に、親子で驚きました。

お茶の泡立ち実験の概要

泡だつ原因をさぐるために、まずは仮説を考えました。

Smile
Smile

粉があるから泡立つのかな。

Lucky
Lucky

粉の入ったお茶と、入ってないお茶で比べよう。

ということで、お茶を抽出したあとで、お茶の粉を沈殿させて、上澄み液と沈殿した粉を含んだ液に分離したお茶などで、泡だちをくらべることになりました。

お茶の泡立て実験のために用意したもの

この実験のために用意した道具や材料、入れ物は以下のとおりです。

お茶の泡立て実験の準備
  • 500mlのペットボトル4本
  • 1000mlのガラスの容器
  • 緑茶の粉
  • はかりと粉を入れる容器
  • ロート(じょうご)
  • 画鋲とドライバー(ギムネ)
  • セロハンテープ
  • タイマー機能のある時計

子供といっしょに安全に実験できるように、お湯はつかわず、水出しのお茶の粉を用意しました。

お茶の泡立て実験の準備

まず、1本のペットボトルの200mlと300mlの高さにしるしをつけ、画鋲であけた穴を、ギムネなどと呼ばれるキリでひろげました。

穴は、セロハンテープで一時的に塞ぎました。

この穴は、後で液体を層ごとにしずかに分離するためにつかいます。

ガラス容器で1000mlの水に10gのお茶の粉を混ぜ、穴をあけたペットボトルと、穴の空いていないペットボトルとにそそぎました。

9時間かけて沈殿させることで、自然に層が分離するのを待ちました。

Lucky
Lucky

長く待つほど、細かい粒子が沈殿していきます。

お茶の上澄み液と、沈殿物のある液を分離

9時間後、まずはペットボトルの上の穴のセロハンテープをゆっくりはがして、トレーに液体を流しこんで取り出しました。

取り出した上澄み液のお茶は、ロートをつかって別のペットボトルに入れました。

次に、下の穴から中間の液体を抜き取り、捨てました。

のこりの液は、穴の空いていないペットボトルに移しました。

もう1本のペットボトルで作っておいたお茶は、沈殿していた茶の粉が液体にまざるように、すこし振って、200mlだけのこして捨てました。

こうして、上澄み液と、底の沈殿物を含む液と、普通のお茶の、3つの異なる液体を200mlずつ準備。

お茶を泡立てた結果

家族全員で10秒間激しく振って、それぞれの泡立ちを観察しました。

Smile
Smile

パパが薄いお茶、ママが普通のお茶、私が一番濃いお茶を泡立てた。

実験前の予想では、沈殿物を含んだ液体が最も泡立ち、上澄み液は泡立ちが悪いと考えていました。

しかし、パパが振った上澄み液が意外にもよく泡立つという予想外の結果に。

Frank
Frank

私の筋肉は伊達ではありません。

振る人の力の違いという変数を考慮していなかったことに気づかされました。

泡の持続時間の観察

さらに驚いたのは、泡の持続時間です。

泡立てたのは、夜でしたが、翌朝になっても泡は消えませんでした。

Lucky
Lucky

上の写真は翌朝。

Frank
Frank

お茶が濃すぎたのかもしれないな。

夜になってもこの状態。

Lucky
Lucky

上澄み液の泡が依然として一番多い。

3つのペットボトルの泡は、2日後の朝7時(約34時間後)になってようやく、ほとんど消えていることを確認しました。

お茶の泡がこれほど長時間残るとは、親子共に予想していませんでした。

実験から分かったこと・推測できること

今回の実験から、以下のことが分かりました。

お茶の成分と泡の関係

出展:BOC Sciences

お茶には天然の界面活性物質であるサポニンが含まれており、これが泡を安定させる主要因と考えられます。

上澄み液にも十分な量のサポニンが溶け込んでいたため、予想に反して泡立ちが良かった可能性があります。

Lucky
Lucky

OHなど(親水基)が水、C(疎水基)が空気の方を向きます。

味と成分濃度の関係

お茶の粉のこまかい粒が泡を物理的に安定させると予想しましたが、今回は溶け出した成分の影響の方が大きかったようです。

Frank
Frank

濃いお茶と薄いお茶で差がでませんでした。

というのも、上澄み液と沈殿物を含む液を味見したところ、どちらも同じくらいの苦さでした。

お茶の苦味成分が水に十分溶け出しており、上澄液にも高い濃度で含まれていたことを示しています。

泡立ちに関わるサポニンなどの成分も同じように、液全体にむらなく分布していた可能性があります。

Smile
Smile

溶ける成分は、9時間たっても沈殿しない。

まとめ

お茶の泡が消えにくい理由を探る今回の実験は、予想と異なる結果となり、科学の面白さを親子で実感できました。

サポニンなどの界面活性成分が液体全体に溶け込んでいることがわかりました。

そして実験条件を統一することの重要性を学びました。

次は、振る力を機械で統一したり、他の飲み物との比較実験にも挑戦してみたいと思います。

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