家庭で始めるわくわくサイエンス
小学生の自由研究は、子どもの興味関心を伸ばすチャンス。
ちゃんとした実験室や実験道具がなくても、家庭にある道具やちょっとしたアイテムがあれば、本格的な研究が楽しめます。

かんたんな道具で立派に研究できます。

高度な道具は別記事で紹介します。
この記事では、家庭でそろえられる「おすすめ実験道具」と「活用法」「入手先」まで、すべて紹介します。
※一部の画像は楽天から引用しています。
測定系の道具
「科学」といえば、なんといってもまず「データ」です。

まずは測定から始めましょう。
✔ 測定系の道具
・ キッチンスケール
・ 定規・メジャー
・ 温度計
・ ストップウォッチ
・ pH試験紙
キッチンスケール(材料の正確な量を測る基本アイテム)
おうちのキッチンスケールは、自由研究の強い味方です。
植物の成長による重さの変化や、配合する物質の量をはかるのに便利です。
0.1g単位ではかれるデジタルタイプがおすすめ。

100円ショップでも手に入りますよ。
定規・メジャー(植物の成長や結晶の大きさを測る)
植物の高さの変化や、物の大きさをはかるのに必須です。
30cmの定規だけでなく、巻き尺(メジャー)もあると便利。

曲がったものや大きなものもはかれます。
温度計(水や空気の温度を記録、料理用でもOK)
気温や水温をはかると、実験の条件をきちんと記録できます。
料理用の温度計やお風呂用の温度計も活用できます。

デジタル式が読み取りやすいのでおすすめ。
ストップウォッチ(氷が溶ける時間など「経過」を測る)
反応時間や変化の速さをはかるのに役立ちます。
子ども専用のシンプルなストップウォッチがあると便利です。

スマホのタイマー機能でも代用できます。
pH試験紙(台所の食材等を「酸性」「アルカリ性」で分類)
身の回りの液体が酸性かアルカリ性かを調べられる便利な試験紙です。
レモン汁や石けん水など、身近なものの性質を調べる実験ができます。

ドラッグストアや通販で手に入ります。
観察系の道具
「見る」ことは科学の原点。

普段は見えない世界をのぞいてみよう。
✔ 観察系の道具
・ 虫眼鏡・ルーペ
・ ポータブル顕微鏡
・ ブラックライト
・ カメラ(スマホでも可)
・ フィールドノート
虫眼鏡・ルーペ(岩石・葉っぱの模様や昆虫の観察に)
昆虫や植物、岩石など様々なものを観察できます。
持ち手付きの虫眼鏡と、手のひらサイズのルーペがあると便利です。

小さなものを観察する基本道具です。
ポータブル顕微鏡(水の中の生き物や結晶の形を拡大!)
小学生向けの簡易顕微鏡は1,500円前後から販売されています。
植物の細胞や微生物の観察に最適です。
デジタル顕微鏡ならスマホやパソコンと連携でき、画像を保存することもできます。

研究をまとめるのにデジタル顕微鏡は便利。
ブラックライト(紫外線に反応する素材が楽しい!)
通常の光では見えないものを見つけられる不思議なライトです。
蛍光物質の実験や、鉱物の観察に使えます。

LED式のポータブルタイプがおすすめ。
デジタルカメラ(観察結果を記録してまとめに活用)
実験の過程や結果を記録するのに欠かせません。
タイムラプス機能があると、植物の成長などをコマ送りで記録できて、より分かりやすい観察ができます。

スマホのカメラでもいいけど、壊さないように注意。
フィールドノート(思いついたことや観察したことを記録)
出展:まちの文具屋さん(楽天)
観察記録をつけるためのノートです。
方眼紙のものを選ぶと、図や表をかきこみやすくなります。

防水タイプだと屋外での観察でも安心。
ゴーグル(飛散性のものを扱う場合)
風や作業中の砂・埃、花粉などから目を保護するためのゴーグルです。
水鉄砲、ビーチでの砂遊び、花火などでもつかうことができます。
基本実験器具
家にあるもので「ビーカー」や「試験管」の代わりになります。
✔ 基本実験器具
・ 透明なコップ
・ ペットボトル
・ スポイト
・ ピンセット
・ 割り箸・竹串
透明なコップ(ビーカーのかわりに溶解や混合に使用)
透明なガラスコップやプラスチックのコップで、液体の実験ができます。
キッチンにある目盛り付きの計量カップでもOK。

目盛りがあると量が調整しやすいですね。
ペットボトル(試験管のかわりになる)
小さなペットボトルや透明な容器は、試験管のかわりに使えます。
特に炭酸飲料のボトルはガス発生実験などに向いています。

炭酸飲料のボトルは耐圧性があります。
スポイト(調味料の容器で代用可)
調味料の容器についているスポイトや、薬のスポイトが使えます。
液体を少しずつ加える実験に必要です。

100円ショップでも売っています。
ピンセット(材料等をつかむのに使用)
小さなものをつかむのに便利です。
昆虫や植物の観察、細かい実験材料の取り扱いに役立ちます。

工作用や化粧用のものでもOK。
割りばし・竹串(撹拌などに使用)
かき混ぜたり、支えたりするのに使います。
特に竹串は、実験台や支柱代わりにもなる便利なアイテムです。
実験材料
面白い反応を引き出すことのできる実験材料は、どれもスーパーや100円ショップで手に入ります。

台所にある食材でも様々な実験ができます。
✔ 実験材料
・ 重曹+クエン酸
・ 塩・砂糖
・ 植物の種や葉
・ 紫キャベツ
・ マグネット
・ LEDライト
重曹・クエン酸(発泡実験の鉄板コンビ)
重曹とクエン酸の反応による泡の実験は、安全で楽しく行うことができます。
塩・砂糖・ミョウバン(きれいな結晶を育てられる)
食塩や砂糖の結晶作りなども、手軽に楽しめる実験です。

大きな結晶を育てよう。
植物の種や苗(発芽や成長の観察)
発芽や成長の観察などに使えます。
季節の野菜の種や、身近な植物の苗を集めておくと良いでしょう。

発芽が早くて小型で育てやすいのがいいよ。
紫キャベツ(自家製pH指示薬として変色反応を確認)
リトマス試験紙による酸性・アルカリ性の判定の代わりに紫キャベツを使うことができます。
pHの変化を色の変化で判断できます。

見た目に分かるので子どもでも実験を楽しめます。
LEDライト(発電・光を当てて影や反射を観察)
発電や光の実験に使います。
色の違うLEDを集めると、光の性質や植物の成長への影響なども調べられます。

手回し発電機との組み合わせもおすすめ。
マグネット(砂鉄、空き缶、コインとの反応を確認)
磁石の性質を調べる実験や、磁性を持つ物質の探索に使えます。
様々な強さや形の磁石があると、比較実験ができます。
実験例と使用道具の紹介
実験テーマ別アイデア集と道具の使い方の例です。
光の実験
使用道具:プリズム、白い紙
プリズムで太陽光を分散させ、太陽光にはさまざまな色が含まれていることを確認する実験です。

身近なもので手作りの分光器も作れますよ。
植物の成長観察
使用道具:メジャー、カメラ、ノート、スケール
異なる条件(日光、水の量、土の種類など)で植物を育て、成長の違いを観察します。
毎日同じ時間に写真を撮り、高さや葉の数を記録すると、変化が分かりやすくなります。
結晶づくり
使用道具:スケール、ガラスコップ、食塩やミョウバン
お湯に塩やミョウバンを溶かし、冷やすことで結晶ができる過程を観察します。

糸を吊るすと、そこに結晶が成長していきます。
水質調査
使用道具:pH試験紙、温度計、透明容器
家の近くの川や池の水、雨水、水道水など様々な水の性質を比較します。

透明度や温度、pHを測定して記録しましょう。
微生物観察
使用道具:かんたん顕微鏡、スポイト、スライドガラス(代用可)
水たまりや池の水、(やり方によっては)漬物の汁などを観察して、様々な微生物を見つけられます。

時間経過による変化も面白いですよ。
道具の入手方法と予算
自由研究で使える道具は安価なものから高価なものまでさまざまです。
費用対効果のバランスがよいものを求めましょう。
100円ショップで揃えられるもの
✔ 100円ショップで購入
・ メジャー、定規
・ ノート、マーカー
・ ピンセット、スポイト
・ 透明カップ、プラスチック容器
・ 簡易虫眼鏡
・ LEDライト
オンラインで購入できるおすすめ商品
✔ オンラインで購入
・ 子ども用科学実験セット(2,000円~5,000円)
・ デジタル顕微鏡(3,000円~10,000円)
・ pH測定キット(500円~1,000円)
・ ブラックライト(1,000円前後)
・ 科学実験の本(1,000円前後)
価格帯別のおすすめセット提案
✔ 【3,000円以内】基本セット
・ 100円ショップの測定道具
(メジャー、温度計など)
・ 虫眼鏡
・ ノート、色ペン
・ キッチンスケール
・ pH試験紙
✔ 【5,000円以内】充実セット
・ 基本セットに加えて
・ 簡易顕微鏡または拡大鏡
・ タイマー
・ ブラックライト
・ 実験用ガラス容器セット
✔ 【10,000円以内】本格セット
・ 充実セットに加えて
・ デジタル顕微鏡
・ 実験キット(結晶作りなど)
・ 専門書籍
・ 記録用のデジタルカメラ(子ども用)
安全に実験するための注意点
忘れてはいけないのが、自由研究は子どもが行う研究であるということです。

注意点をまとめました。
大人の付き添いが必要な実験
✔ 大人が付き添う実験
・ 熱を使う実験
・ 刃物を使う作業
・ 化学物質(食品以外)を使う実験
・ 電気を使った実験
必ず大人が付き添い、安全を確認しながら行いましょう。
道具の正しい使い方
まず、使い方をイメージできるように説明しましょう。
✔ 道具の使い方を事前に確認
・ 使用前に説明書をよく読む
・ 用途以外に使わない
・ 壊れた道具は使わない
・ 食べ物や飲み物と実験道具は分ける
片付け方と保管のコツ
自由研究の前に、子どもと片付け方法を確認しておきましょう。
✔ 事前に確認すべき片付け方法
・ 使った道具はすぐに洗って乾かす
・ 専用の箱やケースに分類して保管する
・ ラベルを貼って分かりやすく整理する
・ 食品実験の材料は使用後は食べずに捨てる
まとめ
おうちにあるものや手軽に入手できる道具でも、すてきな自由研究ができることが分かっていただけたでしょうか。
道具を揃える過程も、子どもにとっては学びの一部です。
予算や保管場所を考えながら、少しずつ実験道具を増やしていくのも良いでしょう。

子どもたちと一緒に選んでみてくださいね。
(おまけ)参考情報
いくつか、参考になるサイトや書籍をご紹介します。
役立つウェブサイト
「おうちでサイエンス」は、全国の科学技術館が提供する、自宅で科学を楽しく学べるオンラインコンテンツです。
日本各地の科学館や博物館では、自宅からでも楽しめるオンラインコンテンツが充実しています。
東京・お台場にある最先端の科学技術を紹介する施設で、オンラインでも多彩なコンテンツを提供しています。
東京・上野に位置する日本最大級の総合科学博物館で、オンラインでも多様なコンテンツを展開しています。
文部科学省の「きみの好き!応援サイト たのしくまなび隊」は、「自分の好きをきっかけにして広がっていく学びを経験してほしい」というコンセプトのもと開設された学習支援ポータルサイト。
「キーワード検索」「目的」「学年」「教科別」など、興味に応じてさまざまな角度から検索できるようになっています。
おすすめ科学実験の本
工作、観察、実験と幅広く扱っていて、カラーでわかりやすく解説されています。
身近な食材・ふつうの調理で科学的な変化などを考察する内容。

すぐに試してみたくなる本だった。
科学館・博物館情報
お近くの科学館や博物館では、実験教室やワークショップが開催されていることがあります。

夏休み前には特別イベントも。

チェックしてみてください!
コメント