ぜんぶはかって・切って・数えてみた!
先日、娘が民間学童のイベントでいちご狩りに行ってきました。
箱いっぱいのいちごを持って帰ってきた娘は、とても嬉しそう。
せっかくなので、食べる前にいちごをじっくり観察してみることにしました。
いちご狩りで気になったこと
以前、いちごの里ファームをおとずれたときに、まだシーズン前だったので、いちご狩りができませんでした。
そこで、民間学童のイベントで、いちご狩りに連れて行ってもらいました。
ハウスの中には、高い棚にずらっといちごが並んでいたそうです。
摘みたてのいちごを持ち帰ってきたので、さっそく観察してみることにしました。
いちご狩りの様子

娘は、なるべくヘタの近くまで赤く熟しているいちごを選び、たくさん摘んできました。
大きいものから小さいものまで、いろんなサイズが混ざっています。
ハウスの中では、とったいちごを洗わずに、そのまま食べていたそうです。
持ち帰ったいちご
この立派ないちごを見ていたら、いろいろ気になることが出てきました。
「大きいのと小さいので何がちがうんだろう?」
「表面のつぶつぶって、いくつあるの?」
せっかくなら食べる前にじっくり観察してみよう、ということで、おうちにあるはかりや定規を使って、いちごを大研究してみました。
いちごの観察内容
今回のいちご研究でやったことは、つぎの4つです。
- いちごの探究:実験と観察の項目
-
- 重さをはかる
- 断面観察
- 大きさをはかる
- つぶつぶカウント
- 洗わなくていい理由の調査
おうちにあるものだけで、すぐにできる実験ばかりです。
食べる前にちょっと時間をかけて調べてみました。
いちごの重さをはかってみた
おうちにある精密はかり(0.01gまではかれるもの)を使って、いちごの重さをはかりました。
箱の中に直接入れて運んでいたので、すこし傷んでいるものもありましたが、がんばって、10個はかりました。
ヘタがついたまま、ひとつずつはかりにのせていきます。
精密はかりにのせたいちごたち
一番かるいいちごは 6.13g、一番おもいいちごは 22.54g でした。
なんと、約3.7倍もの差があります!
見た目ではそこまで違わないように見えても、はかりにのせると差は歴然でした。
いちご狩りのいちごの重さをはかった結果
| いちご | 重さ |
|---|---|
| ① | 6.13 g |
| ② | 6.30 g |
| ③ | 7.70 g |
| ④ | 7.72 g |
| ⑤ | 9.93 g |
| ⑥ | 15.03 g |
| ⑦ | 17.10 g |
| ⑧ | 18.56 g |
| ⑨ | 22.50 g |
| ⑩ | 22.54 g |
同じような木からとれたいちごでも差が出る。
断面を観察してみた
すてきないちごを1つ選んで、いちごを縦に半分に切ってみました。
外から見ると真っ赤ないちごですが、中はどうなっているのでしょうか。
包丁でそっと切ると、きれいな断面が現れました。
断面のグラデーション
切ってみると、外側は赤いのに、中心は白いことがわかりました。
白い部分から外側に向かって、だんだんピンク→赤とグラデーションになっています。
いちごの赤い色は「アントシアニン」という色素によるもので、この色素は表面近くにたくさん含まれていますが、中心部にはもともと少ないのだそうです。
中心の白い部分は維管束(いかんそく)や髄(ずい)とよばれる組織で、色素が少なく、いちご全体に水分や栄養を届ける大事な役割をしています。
いちごの内部の構造
よく見ると、断面には白いスジのような線が走っています。
これが維管束(いかんそく)といって、いちご全体に水分や栄養を届けるための通り道です。
この維管束が、表面のつぶつぶ(痩果)の一つひとつにまでつながっていて、栄養を届けているのです。
痩果は、花が咲いているときに子房(しぼう)だったところです。
受粉して雌しべが外れ、子房が痩果(そうか)になり、痩果の中に種ができます。
いちごの大きさをはかってみた
つぎに、定規を使っていちごの長さもはかりました。
ヘタの付け根から先っぽまで、まっすぐ定規をあてて計測しました。
いちごに定規をあてて計測
小さいいちごは約2cm、大きいいちごは約4.5cmほどありました。
ここで面白かったのが、見た目はヘタのきわまで真っ赤でよく熟しているように見えるいちごでも、小さいものは、食べてみると甘くなかったということです。
赤いのにあまくない!なんで!?
大きいいちごの方が甘かったです。
見た目の赤さだけでは、甘さはわからないんですね。
これはどうしてなのか、もうすこし調べてみたいと思いました。
いちごのつぶつぶの数を数えてみた
前述のとおり、いちごのつぶつぶは、いちごの「種」ではなくて、「実」(果実)なんだそうです。
わたしたちが食べている赤い部分は、実(果実)ではなくて花たく(花床)というところが大きくなったものだったのです。
つぶつぶを数えてみることにしました。
重さ約10g、長さ約3.5cmのいちごで数えました。
数え方:「行×列」で計算してみよう
さいしょ、全部数えるのは大変そうだからと、工夫してみました。
半分にカットしたいちごを、たてに何行つぶつぶがあるかを数えると、11行ありました。
つぎに、いちごの一番太いところで横に何列あるかを数えると、7列ありました。
11 × 7 = 77個(半分)
これを2倍すると、いちご1個で約154個のつぶつぶがあるという計算になります。
かけ算を使えば、だいたいの数がわかる。
すごい!でもほんとにそんなにあるの?
数え方:写真で数えてみよう
つぶつぶはきれいな四角のマス目のように並んでいるわけではありません。
いちごは丸みがあるので、上の方(ヘタの近く)や下の方(先っぽ)では、つぶつぶの列が少なくなります。
そこで、写真をよく見て数えなおしてみると、120個くらいに見えました。
154個よりだいぶ少ない。
はじっこで写っていないつぶつぶもありそう。
最初の「行×列」の計算では、いちごの形をシンプルな四角とみなして計算していたので、実際より多めの数が出ていたようです。
工夫とその限界を考えるのも、りっぱな研究。
一般的ないちごと比べてみると?
調べてみると、スーパーで売られている一般的ないちごは1粒約20〜35gで、長さは約3.5〜4.5cmくらいだそうです。
そしてつぶつぶの数は、1粒あたり200〜300個と言われています。
つまり、つぶつぶの数が多いいちごは、大きないちごということですね。
なぜ、いちごの大きさに違いが出るのか
つぶつぶ(痩果)が出す植物ホルモン「オーキシン」は、赤い花托(かたく)をふくらませるはたらきをします。
つまり、つぶつぶがたくさんあるほど、オーキシンがたくさん出て、いちごが大きくなるということです。
受粉できなかった部分はふくらまず、いびつな形のいちごになります。
いちごの農園ではミツバチを使ってしっかり受粉しているので、どのいちごも受粉はうまくいっているはずです。
娘が選んできたいちごも形がきれいでした。
最初に咲く花のつぶつぶの数は多い!

いちごの花は、いくつかの「グループ」に分かれて順番に咲きます。
最初のグループを1番花、次を2番花などと呼びます。
それぞれのグループの中にも咲く順番があり、1番目、2番目、3番目…と、後から咲く花やその果実は、だんだん小さくなっていきます。
この「後から咲くほど小さくなる」というルールは、2番花や3番花のグループでも同じように起こります。
3月上旬のいちご狩りだと、2番花や3番花のグループのいちごが混じった状態だと思われます。
- 今回のいちご狩りでみつけたいちごで推測
-
- 最初に咲いた花(頂花:ちょうか):
22g級の大きないちご - 次に咲いた花(一次側花:いちじそっか):
15g級の中くらいのいちご - その次に咲いた花(二次側花:いちじそっか):
10g級の小ぶりないちご - 最後に咲いた花(三次側花:さんじそっか):
6g級の小さないちご
- 最初に咲いた花(頂花:ちょうか):
同じ株から採れたいちごでも大きさが違うのは、花が咲いた順番がもともと違うからだったんですね。
なぜ「洗わなくていい」の? ― いちご狩りの育て方のひみつ
ところで、いちご狩りでは「洗わなくてもそのまま食べていいですよ」と言われたそうです。
ふだん、スーパーで買ったいちごは必ず洗ってから食べますよね。
なぜ、いちご狩りのいちごは洗わなくていいのでしょうか?
調べてみると、いちご狩りの農園の多くは「高設栽培(こうせつさいばい)」という方法でいちごを育てていることがわかりました。
高設栽培ってなに?
高設栽培とは、地面に植えるのではなく、高い棚の上にプランターを置いて育てる方法です。
この方法にはいくつかのメリットがあります。
土がつかない
いちごが地面から離れているので、土のよごれやバイキンがつきにくいのです。
だから「洗わなくても大丈夫」なんですね。
虫がつきにくい
地面から離れていると、虫も近づきにくくなります。
農薬を減らすことにもつながります。
摘み取りがラク
大人も子どもも、腰をかがめずにいちごを摘めます。
※ふだんスーパーで買ういちごは、流通の途中でいろいろなものに触れるので、洗ってから食べましょう。
まとめ ― いちごひとつで発見がいっぱい!
今回のいちご研究でわかったことをまとめます。
- いちご狩りの調査まとめ:観察と実測の結果
-
- 重さの比較:
- 6.13gから22.54gまで、最大約3.7倍の差
- 断面の観察:
- 中心部の白から外側の赤へグラデーション
- 維管束による水や栄養の運搬ルート
- つぶつぶ(痩果)の秘密:
- 実測値: 10gのいちごで120個ほど
- 一般値:20〜35gのいちごで200〜300個
- 発見: いちごが大きいと、つぶつぶの数も多い
- 甘さの検証:
- 大きいいちごの方が甘い
- 頂花に栄養と糖分が蓄積される
- 高設栽培について:
- 高設栽培: 地面から離れた高い位置で育てる
- 衛生面:土汚れや雑菌が付着しにくい
- 重さの比較:
いちごをただ食べるだけではなく、はかったり、切ったり、数えたりしてみると、ふだん気づかないことがたくさん見えてきました。
娘にとって、「おいしい!」の先にある「なぜ?」を探る、いい体験になったようです。








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