プラスチック粘土はお湯の温度でやわらかくなる
娘は、祖母が遊びに来ると一緒に工作をたのしんでいます。

おばあちゃんと新しいことに挑戦。
今回は、以前買っておいたキャンディねんどでアクセサリーをつくりました。
キャンディねんどでつくるつやぷるアクセサリー(Amazon)
プラスチック粘土の加工の様子やプラスチックについて学べることをまとめました。
キャンディねんど工作の様子
キャンディねんどとは、ポリエチレンとよばれる物質からつくられたプラスチック粘土で、温めるとやわらかくなります。

まずはアクセサリーづくりの様子をご紹介。
キャンディねんどのキットの内容
- 学研のキットに入っている内容
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- キャンディねんど6色
(赤、青、黄、白、桃、紫) - フレーム5つ
- 造形用の型1つ
- ラメ1袋
- チェーン(ボールチェーン)2つ
- ヒートン(ひっかかり金具)1袋
- シール1シート
- 説明書
- キャンディねんど6色
キャンディ粘ねんどの加工のために準備するもの
キットの内容にくわえて、自宅で用意する道具は以下のとおりです。
- 自宅で用意する道具
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- ハサミ
- 紙コップ
- キッチンペーパー
- わりばし
- つまようじ

つまようじ入りのわりばしにしたよ。
キャンディねんどを指定のサイズにカット
まずは、つくりたい作品をえらんで、説明書で指示されたとおりに作ってみました。
さいしょに、板状のキャンディねんどを必要な分量でカットしました。
半透明の紫と桃のキャンディねんどのチップをつくりました。

硬いから、ハサミの根本で力をいれてカット。
キャンディねんどをお湯で温める(1回目)
紙コップにお湯を注ぎ、2,3分ほど待ちます。
紙コップを倒してしまったり、すぐに冷めてしまったりすることを想定して、途中でイケアのプラスチックの容器に変えました。
2色のキャンディねんどをこねる
おはしでキャンディねんどをお湯から出して、キッチンペーパーでお湯を切ります。
グラデーションにするため、2色のキャンディねんどをすこし練りあわせます。

まだけっこう硬かった。
キャンディねんどにラメをつける(1回目)
紙コップに透明でキラキラ光る透明なラメを入れます。
キャンディねんどをラメに押し付けて、ラメをくっつけ、ふたたび練ります。
キャンディねんどをお湯で温める(2回目はお湯の保温を工夫)
1回目はキャンディねんどが固くてねりにくかったので、今度は保温性能の高いコップにお湯を入れて温めることにしました。
2,3分しておはしで持ち上げて水を切ります。
キャンディねんどにラメをつける(2回目はお箸でラメを接着)
手でおしつけると、キャンディねんどの様子がわからなかったので、2回目はお箸で作業しました。

ラメがつくと、光でキラキラした。
キャンディねんどの型押し
ハートの型にぎゅっと押し込むころには、キャンディねんどが冷めてきて、シワがとれなくなってしまいました。

はじめての作品だし気にしない。
キャンディねんどにヒートンをつけてシール貼り
ヒートンとよばれる部品のネジの部分を、くるくるとねじこんで取り付け、指定のシールをつまようじでペタリ。
キャンディねんどにチェーンをつけて仕上げ
小さなリングにボールチェーンを通せば、オリジナルアクセサリーの完成です。
プラスチック粘土から学べること
プラスチック粘土などと検索すると、キャンディねんど以外にも、さまざまな製品がヒットします。

ねんどが無くなったら、おゆまるを買ってもらう。
このプラスチック粘土をすこし掘り下げてみます。
プラスチック粘土・樹脂粘土について
「キャンディねんど」で使われているプラスチック粘土(樹脂粘土)の主成分は ポリエチレン樹脂です。
ポリエチレン樹脂は、エチレンがたくさんつながって作られる、無色無臭で無毒な高分子材料です。
身のまわりにもいっぱいあるポリエチレン樹脂
ポリエチレン樹脂は、私たちの生活の中でもたくさん使われています。
しっかりした素材になるのは高密度ポリエチレン(HDPE)です。
- 高密度ポリエチレン(HDPE)の例
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- レジ袋
- 容器
- コンテナ
- パイプ
やわらかいプラスチックは、たいてい低密度ポリエチレン(LDPE)からできています。
- 低密度ポリエチレン(LDPE)の例
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- フィルム
- 容器
- 包装材(プチプチ)
熱でかたさが変わる不思議
キャンディねんどは、温めるとやわらかくなり、冷めると固まります。
このような性質をもつプラスチックのことを、熱可塑性樹脂(ねつかそせいじゅし)といいます。
これは、プラスチックの分子が熱によってゆるんだり、固まったりする性質によるものです。
とくに、低密度ポリエチレン(LDPE)は、軟化温度が80~90℃程度と比較的低い温度でやわらかくなります。

低密度ポリエチレンの粘土なら、お湯で十分に柔らかくなります。
熱可塑性樹脂の仕組み
ポリエチレンは熱可塑性樹脂に分類されます。
加熱すると分子間の緩い相互作用が弱まり、やわらかく可塑化し(形を変えやすくなり)ます。
冷却すると再び固まります。

シーリングスタンプと同じだ。
この「加熱→軟化→成形→冷却→固化」のサイクルを何度でも繰り返せるのが熱可塑性樹脂の特徴です。
プラスチック製品のリサイクル
熱可塑性樹脂の特徴を活かして、リサイクルがおこなわれます。
日本では、ペットボトルなどのポリエチレンテレフタレート(PET)製品のリサイクルがとても進んでいます。
なんと回収率は93.7%で、その多くが新しいペットボトルやフリースに使われるような繊維に生まれ変わっています。
一方、LDPEのようなやわらかいプラスチックは回収が難しく、分別や洗浄の工夫が必要です。
プラスチックはとても便利ですが、一度使ってすぐに捨ててしまうと、環境に負担がかかります。

正しく分別してゴミを資源に変えよう。
おわりに
工作というと「つくる楽しさ」に目がいきがちですが、使っている素材にも目を向けると、学びのチャンスが広がります。
- 今回まなんだこと
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- 温めるとやわらかくなる素材のふしぎ
- プラスチックの種類と性質
- リサイクルのしくみ
など、理科的な視点も自然と育つ体験になりました。

たのしみながら学ぶことを大切にしていきましょう。
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