星座早見盤を片手に、家族で見上げた夜空
北アルプスのふもと、安曇野の澄んだ冬の空気のなかで、親子で星空観察をしました。
ホテルの屋根ごしに見えた北斗七星と北極星、道路の反対側にひろがるオリオン座と冬の大三角形、そして西の空にかがやくすばるを含むおうし座。
スマホで撮った写真と星座早見盤をてらし合わせながら、夢中になって探した星のことを、くわしくお伝えします。
安曇野の冬の夜空は星空観察にぴったり
冬は、一年のなかでもっとも星がきれいに見える季節です。
空気中の水蒸気がすくなく、空が澄みわたるからです。
さらに安曇野は標高が高く、都会の街あかりからはなれた環境なので、まさに星空観察にうってつけの場所でした。
安曇野のホテルの夜は星空がいっぱい

わたしたちが宿泊したのは、長野県安曇野市にあるホテルでした。
アカマツやクヌギの林のなかにひっそりとたたずんでいる、あたたかみのある隠れ家のような宿です。
夕食のあと、ホテルの外に出ると、頭の上に満天の星がひろがっていました。
都会では絶対に見られない星の数。
2月の夜8時、星空観察のベストタイミング

星空を観察したのは2026年2月22日の夜8時すぎでした。
2月の夜8時は、冬の星座が南の空のいちばん見やすい位置にあるタイミングです。
ホテルの人が星の名前をおしえてくれた。
日没から十分に時間がたって空はまっくらになり、しかもまだ遅い時間ではないので、子どもといっしょに観察するにはちょうどいいタイミングでした。
星座早見盤があると、発見が何倍にもなる
星空を見上げるだけでも感動しますが、星座早見盤があると体験の深さがまるでちがいます。
あの明るい星はなんだろう、という疑問を、その場で調べられるからです。
地域や日付と時刻とを合わせるだけで、いま見えている星座がわかります。
北を向いて発見!北斗七星と北極星
ホテルのわきの道路に出て、ホテルの建物ごしに北の空を見上げました。
ホテルの明かりに照らされたアカマツの梢のむこうに、おなじみの星の並びが見えました。
ホテルの屋根の上にあらわれた北斗七星

北東の空に、ひしゃくの形をした7つの星、北斗七星がならんでいました。
2月の夜8時ごろの北斗七星は、ひしゃくの持ち手を下にして、たて向きに昇ってくるような姿をしています。
この写真だと、ホテルの屋根のうえ、やや右手の方向にはっきりと見ることができました。
ちゃんと7つあったのを数えた。
北極星をさがすコツ ― αとβの延長線の5倍先
北斗七星のひしゃくの先端にある2つの星を、指極星(しきょくせい)とよびます。
ひしゃくの外側にあるβ星(メラク)からα星(ドゥーベ)にむかって線をひき、その線をα星のほうにのばします。
α星とβ星のあいだの距離のおよそ5倍先に、北極星があるのです。
北極星は2等星なので、ものすごく明るいわけではありませんが、まわりに目立つ星がすくないので、ぽつんとひとつだけ光っている星として、簡単に見つかります。
今回は、木の脇に、ぎりぎり見えました。
写真と実際の空のちがい ― 広角レンズのふしぎ
帰宅後、iPhoneで撮った写真を見かえしてみると、おもしろいことに気づきました。
写真のうえで北斗七星のα星とβ星を結んだ線をのばして、5倍の位置をさがしても、そこに北極星がないのです。
上の写真は、少し補正しました。
これは、スマートフォンの広角レンズ(24mm)がつくりだす「ゆがみ」が原因です。
広角レンズは、画面の中心から離れるほど像がひきのばされます。
実際の夜空ではまっすぐ一直線上にある星が、写真のうえでは曲がって写ったり、距離の比率がくずれたりするので要注意です。
南を向いて大感動!オリオン座と冬の大三角形
ホテルのわきの道路で、こんどは反対側をふり返ってみました。
南の空には、冬の夜空の主役たちがせいぞろいしていました。
だれでも見つけられるオリオン座

オリオン座は、冬の星空でいちばん見つけやすい星座です。
なかよくならんだ三つ星が目印。
この三つ星をはさむように、左上にすこし赤っぽいベテルギウス、右下に白くかがやくリゲルがあります。
砂時計のような特徴的な形は、星座をはじめて見る子どもでもすぐにわかります。
星座早見盤の使い方をおぼえるのにぴったり。
ベテルギウス・シリウス・プロキオンがつくる冬の大三角形

オリオン座のベテルギウスから左下を見ると、夜空でいちばん明るい恒星シリウスが白くかがやいています。
シリウスはおおいぬ座の1等星です。
そしてベテルギウスのやや左上には、こいぬ座のプロキオンが光っています。
この3つの星をむすぶと、大きな三角形ができあがります。
これが冬の大三角形です。
3つとも1等星なので、とても明るくて、雲がすこしあったとしても見つけやすいのがうれしいところ。
西の空をながめて発見!すばるとおうし座
さらに西側の道路のうえに目をやると、もうひとつの見どころがありました。
プレアデス星団「すばる」を肉眼で

おうし座のかたのあたりに、いくつもの星がかたまって光っている場所があります。
これがプレアデス星団、日本ではすばるとして、したしまれている星のあつまりです。
「すばる」は「まとまってひとつになる」という意味の古い日本語です。

車のスバルのマークはこの星団から。
おうし座のアルデバランと、ぎょしゃ座のつながり

すばるのそばで赤くかがやいている明るい星が、おうし座の1等星アルデバランです。
おうしの右目にあたる星で、オリオン座の三つ星のならびを右上にのばしていくと見つかります。

ちなみに、あとで星座早見盤をながめていたら、おうし座とぎょしゃ座の星座線がくっついていることに気づきました。
調べてみると、おうし座の角の先たんにあるエルナト(β星)という星が、ぎょしゃ座の五角形の一角もかねているのだそうです。
ひとつの星がふたつの星座に含まれることがあるなんて、はじめて知りました。
iPhoneでの星空撮影のコツ
今回の写真はiPhone 15 Pro Maxで撮影しました。
スマホでも、ちょっとしたコツをつかめば星空を写すことができます。
ナイトモードで3秒間じっとする

iPhoneのカメラは暗い場所を感知すると、自動的にナイトモードに切りかわります。
今回の写真の設定は、ISO 10000、絞りf1.78、シャッタースピード3.4秒でした。
シャッターが開いている約3秒間、スマホを動かさないことが大切なので、三脚があればベストです。
三脚がなくてもじゅうぶんきれいな星空写真が撮れました。
広角レンズの「ゆがみ」を知っておこう

さきほどもお伝えしましたが、スマホのカメラは広角レンズ(24mm)を使っているため、画角が約84度もあります。
ひろい範囲をいちどに写せるのは便利ですが、そのぶん写真の周辺部では像がひきのばされます。
星座の形をそのまま記録したい場合は、望遠レンズや天体用のアプリをつかうとよいでしょう。
でも、まずはスマホで気軽に撮って、あとで星座早見盤とてらし合わせるというやり方でも、十分にたのしい学びになります。
自分で撮った星空の写真を見るのはたのしい。
星座早見盤と実際の夜空のちがい
今回の星空体験では、星座早見盤と実際の夜空の見え方のちがいを知ることができました。
星座早見盤と実際に見えた星空の写真撮を並べてみる

星座早見盤で確認した星座の「教科書的な形」と、実際に見えた星座の「リアルな見えかた」をならべることがポイントです。
球体を平面に落とし込んだ盤と、実際の夜空とでは、星座の大きさや位置関係、迫力がちがいます。
この見え方に気づくことが、観察力をきたえることにつながります。
観察した日時・場所・方角を記録しよう
- 冬の天体観測ログ
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- 日時: 2026年2月22日(日)20時07分
- 場所: 長野県安曇野市(標高が高く、空気が澄んだエリア)
- 天候: 晴れ(一部に雲あり、観測条件は概ね良好)
星空観察で大切なのは、「いつ」「どこで」「どの方角を向いて」見えた星なのか、把握することです。
星座は季節や時刻によって見える位置がちがうため、同じ場所でも1か月後にはまったくちがう星空が見えます。
観察結果と感想を自分のことばで書く
また、子供といっしょに観察して記録を残すのであれば、子供たち自身が、自分のことばで感想をのこすことも大切です。
「きれいだった」だけでなく、気づいたことを書きます。
- 天体観測の振り返りの例(考察ポイント)
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- 星の明るさ: 観測した星の中で、どれが一番明るく輝いて見えたか(例:おおいぬ座のシリウスなど)。
- 星座早見盤との比較: 手元の早見盤で見つけた星座と、実際の空での位置や大きさ、向きが一致していたか。
- 写真と肉眼の違い: 天体写真(あるいは図鑑)と実際の夜空が違って見えたのはなぜか、その理由を考える(例:光の広がり、色の見え方、星のまたたきなど)。
正解を書く必要はありません。「ふしぎだな」と思って記録したことこそ、宝物になります。
まとめ:冬の旅行は星空観察のチャンス
安曇野での星空体験は、わたしたち家族にとってかけがえのない思い出になりました。
特別な道具がなくても、星座早見盤とスマートフォンがあれば、じゅうぶんにたのしめます。
ぜひ夜空を見上げる時間を家族旅行でつくってみてください。
親子の会話がはずみ、子どもの好奇心にあらたな火がともるはずです。


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