旅先の「流しちゃダメ!」から始まった、紙の溶け方くらべ実験
旅先のトイレで、手を拭いたティッシュをうっかり便器に捨てようとした娘。
なんでトイレに流しちゃいけないの?
その素朴な疑問を、おうちに帰ってから実験で確かめてみました。
使うのは、透明カップと割り箸、そしてペットボトルで作ったトイレの模型。
結果はとても分かりやすく、娘も納得の表情でした。
きっかけは旅先でのハプニング
ちょっとした失敗やハプニングほど、子どもの学びのタネになります。
今回の実験は、旅先での「あるある」な出来事がきっかけでした。
ハンドタオルを忘れた!ティッシュで手を拭いたら…

旅行先のトイレで、娘が手を洗ったあとのこと。
ハンドタオルを忘れてしまい、ポケットティッシュで手を拭いてもらいました。
すると娘は、そのティッシュをトイレに流そうとしました。
ティッシュはトイレに流しちゃダメ。
えっ、なんで?
おうちに帰ったら、実験して確かめてみよう!
こうして、旅先での小さなハプニングが、親子実験のきっかけになりました。
実験の準備:条件をそろえよう
実験をするうえで大切なのは、くらべる条件をそろえること。
娘はそのことをしっかり意識して準備を進めました。
3種類の紙を同じ重さで用意

今回くらべるのは、「普通のティッシュ」「流せるティッシュ」「トイレットペーパー」の3種類。
まず、普通のティッシュを3枚重ねて精密はかりに載せると、2.52gでした。
流せるティッシュとトイレットペーパーも、同じ2.52gになるように量って準備しました。
重さをそろえるのは、とても大事なポイントです。
透明カップ3つに水を入れて準備完了

透明の大きなプラスチックカップを3つ用意し、それぞれ7分目の高さまで水を入れました。
カップの前には、左から順に「普通のティッシュ」「流せるティッシュ」「トイレットペーパー」を置いてあります。
さあ、準備はバッチリです。
実験①:水の中でかき混ぜてみよう
いよいよ実験スタート。
紙を水に入れて、割り箸でかき混ぜます。
同じ紙なのに、こんなにちがうの?と驚く結果になりました。
割り箸で100往復!紙はどうなった?

3つのカップにそれぞれの紙を入れ、割り箸でかき混ぜます。
最初は割り箸を10回ぐるぐると回転させてみましたが、どの紙もほとんど変化がありませんでした。
全然変わらないよ?
じゃあ、もっとたくさんやってみよう!
そこで、割り箸を左右に100往復させてみました。
すると、はっきりとしたちがいが現れました。

流せるティッシュとトイレットペーパーは、水の中でかなり細かく分解されて、バラバラに。

一方、普通のティッシュは、100回かき混ぜても破れもせず、ほぼ原形のまま。
普通のティッシュ、つよすぎ!
この結果を見ただけで、「普通のティッシュを流したらマズそうだな」ということは想像がつきます。
でも、せっかくなので、次のステップに進みましょう。
実験②:手作りトイレ模型に流してみよう
コップの中で溶けるかどうかを確認したら、次はいよいよ「流す」実験です。
娘が自分で工夫して作ったトイレの模型が大活躍しました。
ペットボトルの上の部分で、便器をつくった。
ペットボトルとカップで作ったトイレの模型

さいしょは、ペットボトルの上部をカットして漏斗(ろうと)のような形にし、ひっくりかえして、ペットボトルの下半分と合わせようと思っていました。
しかし、実験①では、紙の溶け具合をしっかり観察するために、大きな透明カップにたっぷりの水を入れています。
この水をトイレ模型に一気に流し込むわけですから、受け止める側にも十分な容量が必要です。

ペットボトルの下半分では容量が少ない。
そこで考えたのが、実験①と同じサイズの大きな透明カップの上にセットするという方法。
こうすれば、ペットボトルの口が「排水管」の役割を果たしつつ、下のカップがたっぷりの水をしっかり受け止めてくれます。
左右の穴にはモールでアームを取り付けて、カップの上のほうで固定できるように工夫しました。
ほんとはトイレの便座も作りたかった。
トイレ模型の全体像

上の漏斗部分(ペットボトル)が「便器」、真ん中の細い口が「排水管」、そして下の大きなカップが「下水管」のイメージです。
ここを紙と水が通り抜けられるかどうか——それが実験のポイントです。
実験①で100回かき混ぜたあとの、それぞれのカップの中身を、トイレの模型に流し込みます。
もうこの時点で、結果はほとんど見えていましたが、実際にやってみることが大事。
トイレットペーパーと流せるティッシュは無事に通過

まずは、流せるティッシュとトイレットペーパーから。
水と一緒に、細かく分解された紙がスーッとペットボトルの口を通り抜けて、下のカップに落ちていきました。
バラバラに分解されたトイレットペーパーは、水の流れに乗って、するりと排水口を通過。
まったく詰まる気配がありません。
そして、普通のティッシュは……
いよいよ普通のティッシュの番です。
コップからトイレ模型に流し込むと……ペットボトルの口のところで、紙がひっかかりました。
水は少しずつ流れますが、ティッシュ本体はしっかりと形を保ったまま。
見事に詰まりました!
最終的に、普通のティッシュはトイレ模型の排水口にしっかりと詰まってしまいました。
水を追加で流しても、びくともしません。
これ、本当のトイレでやったら大変!
一度詰まったら直すのはとっても大変だよ。
トイレの排水管はもっと長くて曲がってるんだ。
なぜちがうの?紙のヒミツ
実験の結果、同じ「紙」なのに、水の中でのふるまいがまったくちがうことが分かりました。
では、なぜこんなにちがうのでしょうか。
トイレットペーパーは「ほぐれる」ように作られている
トイレットペーパーは、水に浸かると繊維のつながりがほどけて、バラバラになるように作られています。
だからこそ、排水管の中をスムーズに流れていくことができるのです。
一方、普通のティッシュは、鼻をかんだり手を拭いたりするときに破れないよう、濡れても丈夫な作りになっています。
この「丈夫さ」が、トイレの排水管にとっては「詰まりの原因」になってしまうのです。
お出かけのときは流せるティッシュがあると安心。
やってみた感想
今回の実験で、娘は作業を楽しんでいました。
娘が楽しんだポイント
まずは、割り箸で紙を水の中でかき混ぜる工程を楽しみました。
娘は、紙がだんだんほぐれて細かくなっていく様子を、じっと目を近づけて観察していました。

また、トイレの模型を自分で設計して組み立てていました。
黒と赤のアームは、少し滑稽で、よい味わいを出していました。
さいごに
ダメでしょ!と叱ると、不快な記憶だけがのこり、理由はすぐに忘れてしまいます。
でも自分の手で確かめた体験は、ずっと心に残ります。
トイレットペーパーとポケットティッシュを水に浸けて、溶け方の違いを観察すれば、繊維のちがいや、下水処理の仕組みにまで話が広がります。
忙しい毎日でも、「今度やってみようね」のひと言が、子どもの好奇心を育てる種まきになると感じました。



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