田んぼとかやぶき屋根が教えてくれる、日本の原風景
岐阜県の山あいにある白川郷は、日本の原風景がそのまま残る世界遺産の集落。
ここでは、教科書では学べない生きた知識と、五感をフルに使った体験が待っています。
9月の連休に家族で訪れた白川郷で、小学1年生の娘が見つけた「発見」の数々をご紹介します。
白川郷は子どもの好奇心を刺激する
白川郷は、岐阜県の白川村にある合掌造り集落で、豪雪地帯ならではの知恵が詰まった建築群です。
標高約500メートルの山間部にあり、冬には2メートル以上の雪が積もることもある特別な環境が、この独特の文化を育みました。
子どもたちにとっては、まるでタイムスリップしたような非日常の世界が広がっています。
かやぶき屋根の家と田んぼのある暮らし
白川郷に到着してまず目に飛び込んでくるのは、黄金色に実った稲穂と、その隣にたっている大きな三角屋根の家々です。

お米を作る場所がおうちの横にある!
家の隣に田んぼがある光景は、都会ぐらしの娘にとって驚きポイントでした。
百日草などの季節の花が咲く小道を歩きながら、農業と生活が一体となった暮らしを肌で感じることができました。
アサガオをたくさん咲かせている家
壁にみごとにアサガオを咲かせている家がありました。
飛騨高山は、アサガオの最高に似合う地域だなと感じました。
家でアサガオを育てている娘はおもわず記念撮影。
白川郷にある茅葺き以外の家も、壁の色をあわせたり、三角屋根にしたりと、景観に配慮していました。
白川郷での生きものたちとの出会い
水路から田んぼへ水を引き込んだり、排水したりする仕組みを実際に見ながら、稲作のしくみを説明すると、より理解が深まります。
村のあちこちに流れる用水路では、10センチほどのヤマメが泳ぐ姿を観察できます。
展望台への道中では、沢のちかくの道ばたでサワガニをたくさん発見したり、
日本各地の古民家の石垣などによく生えている、ツメレンゲという多肉植物を見つけたりと、まるで宝探しのような体験が続きました。
合掌造りの家で学ぶ、昔の人の知恵
和田家、神田家、長瀬家などの合掌造りの家では、建物の内部を実際に見学できます。
1階の囲炉裏から立ち上る煙、太い梁と竹で組まれた屋根裏の構造など、現代建築では見られない工夫の数々があります。
子どもたちは、煙のにおいや木の質感を直接感じながら、昔の人々の暮らしを想像することができるでしょう。
かいこと絹の物語
3階に並ぶ蚕棚は、かつてこの地域が養蚕業で栄えていたことを物語っています。

かいこってちょっと気持ち悪いしやだ。

でも、お姫様のドレスや着物は絹だよ。
旅の前後で、絹・綿・化学繊維の違いを手で触って確かめると、より深い理解につながります。
屋根の向きに隠された秘密
展望台から眺めると、すべての家の屋根が同じ方向を向いていることに気づきます。
これは雪がとけやすいように屋根の日当たりをよくしつつ、川沿いの風をとり入れて養蚕に必要な風通しを確保するための工夫です。
茅葺きでない家も、世界遺産になる前に、全体を回転させて向きをそろえたんだとか。

地元の方の景観を守る努力がしのばれます。
五感で楽しむ白川郷グルメ
食事も、白川郷ならではの学びの機会になります。
白川街道沿いに並ぶレストラン
白川街道という車の通行できる道路沿いには、白水園、いろりという2つのレストランが並んでいます。
茅葺き屋根のレストランでひとときを過ごしました。

我々は、白水園に入りました。
朴葉味噌(ほおばみそ)の不思議
朴葉は火にかけても破れたり焦げたりしない、頑丈な葉っぱです。

さっき展望台にいく道に落ちてた葉っぱだ!
朴葉味噌は、林業がさかんだった飛騨地域で、山仕事の杣人(そまびと)が朴葉を皿代わりにして味噌を焼いて食べたのが始まりといわれています。
味噌の香ばしい香りと朴葉の香りが合わさった、独特の風味があります。
飛騨牛を朴葉の上でひっくりかえしながら焼いて、味噌をつけていただきました。
まとめ:生きた学びの宝庫、白川郷
白川郷は、単なる観光地ではなく、子どもたちにとって「生きた教科書」となる場所です。
かやぶき屋根の家、田んぼのある暮らし、生きものとの出会い、昔の人の知恵など、すべてが子どもの好奇心を刺激し、自然な形で学びへとつながります。
白川郷での週末の小さな冒険が、子どもたちの大きな成長につながることうけあいです。
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