不動産の環境リスクへの対応

オフィスビル等の建物見学会の準備・関係者とのスムーズな合意形成

不動産の環境リスクへの対応

建物の見学会の企画検討をうまく進めるには

不動産や建築のお仕事をしていると、建物の見学会に参加したり企画したりすることがあります。

Lucky
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ここでいう見学会とは、お客様・調査担当者・研修中の社員など、大人数での物件見学や物件調査のことです。

そんな見学会を効率的に企画するにはどうしたらよいでしょうか。

今回は、そもそも社会人として学ぶべき、関係者との打合せの準備や、見学に際してのポイントをまとめました。

4つの不動産マネジメント、PM・BM・AM・FMの業務内容

不動産管理には、PM(プロパティマネジメント)、BM(ビルマネジメント)、AM(アセットマネジメント)、FM(ファシリティマネジメント)という4つの主要な役割があります。

オーナーが建物の管理を外部委託するならば、この4つの業務について、それぞれ納得するクオリティーでおこなってもらえる業者に委託することになります。

PM・BM・AM・FMの役割と業務内容、建物の見学会を企画するときに相談するべき先について説明します。

PM(プロパティマネジメント)の役割や業務内容

PM(プロパティマネジメント)は、賃貸物件の運営・管理を行い、収益最大化や維持管理コストの削減を目指します。

✔ PMの業務内容の例
・ 入居者募集
・ 契約締結    
・ 家賃回収
・ 滞納督促
・ 修繕やリフォーム計画立案
・ 緊急時対応
・ クレーム対応

BM(ビルマネジメント)の役割や業務内容

BM(ビルマネジメント)は、建物自体の管理を行い、利用者に快適で安全な環境を提供し、建物の資産価値を維持します。

✔ BMの業務内容の例
・ 建物の清掃
・ 景観管理
・ 警備
・ 設備の管理と点検

AM(アセットマネジメント)の役割や業務内容

AM(アセットマネジメント)は、投資家やオーナーに代わって不動産資産を管理し、収益を最大化します。

✔ AMの業務内容の例
・ 投資戦略立案
・ 物件の選定と買付
・ 運用管理
・ 物件の売却

FM(ファシリティマネジメント)の役割や業務内容

FM(ファシリティマネジメント)は、企業や団体の施設とその環境を総合的に企画、管理、活用します。

✔ FMの業務内容の例
・ 空き家のリノベーション
・ 省エネタイプの設備導入
・ 社内施設の設置
・ 拠点統合による業務効率化

建物見学会を企画する際に相談すべき先

このように、不動産のマネジメントには4つの主要な役割があります。

見学会では、建物の構造や設備に関する情報が必要になるので、建物の見学会を企画するならば、特にBMFMに相談することが重要です。

Lucky
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BMとFMならば、適切な案内と情報提供を行うことができます。

また、建物オーナーの不動産管理部門も、ビルの使用に関するポリシーや規制についての情報を得るために連携が必要となります。

建物見学会を企画するための調整項目

建物の見学会を企画するために、FM、BM、オーナーの不動産管理部門と調整する必要がある項目は以下の通りです。

✔ 建物見学会の調整項目の例
・ 目的に沿った情報提供の範囲
・ 日程と時間の設定
・ 安全対策
・ ルートの確定
建物見学会の目的に沿った情報提供の範囲

まずは見学会の目的と、見学中に提供される情報の範囲を明確にします。

建物見学会の日程と時間の設定

見学会の日程と時間を決定し、関係者全員のスケジュールに合わせます。

建物見学会の安全対策

見学者の安全を確保するための対策を計画し、必要な安全装備や指示を準備します。

Lucky
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夏場は暑いから、長時間の見学の場合は、給水のための休憩をいれることも大事。

建物見学会のルートの確定

見学するフロアやエリアを決定し、効率的かつ安全なルートを設計します。

建物見学会の写真撮影と情報保護

写真撮影の可否、撮影された写真の取り扱い、情報保護に関する規定を確認します。

建物見学会の資料の準備

見学会で配布する資料や案内書の内容を準備し、関係者との内容確認を行います。

建物見学会のスタッフの手配

見学会をサポートするスタッフの手配と役割分担を決定します。

建物見学会の緊急時の対応計画

緊急時の対応プロトコルを策定し、関係者に周知します。

事後のフィードバックと評価

見学会後のフィードバック収集方法と、成功の評価基準を設定します。

これらの項目を事前にしっかりと調整することで、スムーズで有意義な見学会を実施することができます。

見学会を企画するための打合せ準備

建物の見学会の企画を相談する相手が決まったら、打ち合わせをする前に、まずはディスカッションペーパーを用意しましょう。

Lucky
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ディスカッションペーパーの例は、あとでご紹介します。

ディスカッションペーパーにより、参加者は議論の主要なポイントを事前に理解し、具体的な質問や提案を準備できます。

打ち合わせの開始

打ち合わせの冒頭で、ディスカッションペーパーの目的と構成を簡単に説明します。これにより、参加者の焦点を合わせ、議論の流れをスムーズにします。

各セクションの議論

ペーパーに記載されている各セクションについて、順番に議論を進めます。参加者は、各トピックに関する意見や懸念を共有し、合意形成を目指します。

質問と回答

各セクションの議論の後、質問と回答の時間を設けます。これにより、不明瞭な点を明確にし、参加者の理解を深めます。

合意と次のステップ

最終的に、議論された内容に基づいて合意に達し、次のステップの行動計画を立てます。

記録とフォローアップ

打ち合わせの終了後、議論された内容と合意事項、これからの行動計画をまとめた議事録を作成し、参加者に配布します。

これにより、全員が同じ理解を共有し、次のステップに向けて進むことができます。

見学会の準備

打ち合わせで合意された内容に基づき、見学会の準備を進めます。

これには、資料の最終化、見学ルートの確定、写真撮影のガイドラインの作成などが含まれます。

見学会の実施

見学会当日は、打合せに基づいた流れで進行します。

各ポイントでの説明は、事前に準備した資料を参照しながら行います。

本社ビル見学会による新入社員研修を行う場合の例

ディスカッションペーパーは、打ち合わせの効率化と、見学会の成功に向けた共通の理解を築くための重要なツールです。

本社ビルを活用して、不動産部門に配属される新入社員向けの見学会を企画する場合を例にあげて、ディスカッションペーパーをつくってみます。

0. 今回の打合せの目的

✔ 企画した部門がイメージする見学会の内容の共有
✔ BM、FMからの実現可能性についてのフィードバックを受ける

1. 見学会の目的

– 新入社員の不動産理解促進
– 実物件を通じた立体的な不動産把握
– 図面読解や法定点検、ERの理解向上

2. 見学会の概要

a. 日時:(候補日を提案)
b. 参加者:新入社員15名、引率担当者10名
c. 所要時間:約2時間30分(説明30分、見学90分、質疑応答30分)
d. 見学ルート:会議室 → 屋上 → 中間階 → 地下機械室 → 会議室

3. タイムスケジュール(案)

– 13:00-13:30 会議室にて概要説明
– 13:30-15:00 ビル内見学
– 15:00-15:30 質疑応答・まとめ

4. 会議室での説明内容(30分)

a. 見学会の趣旨説明(5分)
b. 配布資料の説明(5分)
c. 建物の構成と設備の概要(BM担当、15分)
d. 見学ルートと注意事項の説明(5分)

5. 見学ポイント

a. 屋上

– ゴンドラ
– エレベーター機械室
– 空調室外機
‐ 排気ダクト

b. 中間階

– 特高受電室
– 発電機室
– 発電機室
– 予備バルコニー
– EPS、空調機械室

Lucky
Lucky

BCP対応で、機械室を中間階に設けている建物のイメージです。

c. 地下

– 地域冷暖房の熱源引込み箇所
– 浸水対策設備

Lucky
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大きなビルの集積するエリアの建物は、地域冷暖房設備から熱源を得ていることがけっこうあります。

6. 情報取り扱いに関する確認事項

a. 写真撮影の可否や撮影した写真の取り扱い
b. 他の研修資料への写真使用可否
c. 管理規約の開示範囲

7. 配布資料の内容

a. 建物概要(規模、用途、構造、権利関係等)
b. 主要設備リスト
c. 簡易平面図(見学ルート付き)
d. 注意事項

8. 役割分担

– 全体進行:(担当者名)
– 会議室での説明:(各パートの担当者名)
– 見学案内:(担当者名)

9. 検討事項

a. 見学ルートの最適化(90分で効率的に回れるか)
b. 各所での説明時間配分
c. 参加者の安全確保方法
d. 緊急時の対応手順
e. 見学後のフォローアップ方法(質問への後日対応など)

10. 今後のスケジュール

– 本日:ディスカッションペーパーの確認
– (日付):見学ルートの最終確認
– (日付):参加者への案内送付
– (日付):見学会実施(業務の閑散期である◯月・◯月・◯月を希望)
– (日付):振り返りミーティング(今後、毎年同様の見学会を求められた場合)

さいごに

このようなディスカッションペーパーを基に、打ち合わせで詳細を詰めていくことができると思います。

特に、時間配分については、各所での説明内容を精査し、効率的な見学ルートを検討する必要があるでしょう。

また、情報の取り扱いに関しては、管理部やBMと十分に協議し、適切なガイドラインを設定することが重要です。

目的に見合ったスムーズな見学会を企画するために、参考になれば幸いです。

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